ケーキを切るように、バベルの塔の中を覘いてみたくなる。

今年話題の展覧会のひとつ「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」。見どころは緻密に描かれたバベルの塔の高精細な表現技術です。しかし、この塔よく見ると「シフォンケーキ」にどこか似ています。

中心部が空洞になったシフォンケーキを思い浮かべるとバベルの塔の中身もきっと同じ形をしているのかも知れません。
そんな妄想は誰もが抱いているのでは内でしょうか。「AKIRA」や「スチームボーイ」などで有名な大友克洋さんが、バベルの塔の中身に挑みました。

朝日新聞の記事によると、大友さんは同展の開催にあわせて、原画を大胆に新解釈した絵画作品「INSIDE(インサイド) BABEL(バベル)」を発表するといいます。

朝日新聞デジタル編集部さんのツイート: “漫画家の大友克洋さんが、ブリューゲルの絵画「バベルの塔」を大胆に新解釈した作品を発表します。塔の構造や建築作業の様子が緻密に描かれています。 https://t.co/82o5hBKCC1 https://t.co/qXJl9g7RGW”

作品は塔にざっくりと切り込みを入れて、構造や中でうごめく人々、建設作業を想像し、ちみつに描き出したもので、まるでシフォンケーキを切り分けたようなイメージです。

僕が発見したのは、塔の下には川が流れているのではないかということ。ウィーンの作品もそうなんですが、左側から川が流れ込み、手前に出てきているように見えます。ボイマンス美術館の学芸員に聞いたら、(ブリューゲルが住んでいた)ネーデルラントでは、川の上によく建物を建てているんですね。面白い発想じゃないかと言われました。大友克洋さん「バベルの塔」大胆解釈 ざっくり切り込み:朝日新聞デジタル

4/18(火)~●ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて―(~7/2(日)/月曜休室(5/1(月)は開室/9:30~17:30(金)は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)/東京都美術館)
大友先生が「バベルの塔」からインスピレーションを得た新作「INSIDE BABEL」をロビー階の企画展示室入口横ホワイエにて特別公開、観覧無料。彩色は、共同制作者であるコラージュ・アーティストの河村康輔氏が担当。
大友克洋がブリューゲル『バベルの塔』の内側描く 東京都美術館で特別公開 – アート・デザインニュース : CINRA.NET