イッピン「あったかオシャレに!多彩な縞(しま)の世界~福島・会津木綿~」




福島県会津地方で作られている「会津木綿」。

多彩なバリエーションのしま柄、厚手の木綿の温かさが人気で、織元の生産が追いつかないという。

今回のリサーチャーは、女優の白石美帆さん。

老舗の織元では、年代物の古い織機を使って美しいたてじまと温かさを織り出す秘密を知る。

また、会津木綿を使ったストールやバッグを作る工房を訪ね、木綿への思いに触れる。

あたたかさと質実さを備えた会津木綿。

その確かなワザに迫る。

【リポーター】白石美帆,【語り】平野義和

イッピン「あったかオシャレに!多彩な縞(しま)の世界~福島・会津木綿~」

放送:2018年11月28日

プロローグ

首に巻くだけでお洒落度がアップするストール。モダンな色使いの聞きに鮮やかな縞模様が印象的。福島県の会津木綿で作られたものです。福島県の伝統素材。会津木綿が今日のイッピン。会津木綿で作られたエプロンドレス。伝統の縞を現代風にアレンジしたバックアップ。和と洋が美しく調和したデザイン。カジュアルな装いにもあると評判です。今日はおしゃれの楽しみが増え心も体もほっこりする会津木綿の魅力に迫ります。

福島県の西部に位置する会津地方。ここが会津木綿の故郷。江戸時代から城下町として栄えてきました。訪ねたのは創業して117年になる会津木綿の織元。迎えてくれたのは原山修一さんです。この工場では20台の織機がフル稼働。6人の職人が織から縫製まで分業で行っています。左が会津木綿で使われる糸。右が一般的な木綿糸。会津木綿の方が太いことがわかります。会津木綿の島を作るのに欠かせないのが縦に並べる整経と呼ばれる工程。担当するのは阿部友美さん。縞木綿の魅力に惹かれてこの会社に入って四年になります。「これがレシピ帳と呼んでいる指示書」 一本のラインに同じ色の糸を3本ずつ寸分違わず並べないとデザインが崩れてしまいます。早速整経を見せてもらうことに。まずボビンから一本一本糸を引いてそれを「筬」(おさ)と呼ばれる板にある口常に開いた隙間に通して行きます。これは糸と糸が絡まないようにするための作業。わずか1 mm の隙間に指定の糸を正確に通さなければなりません。百本ほど通したところでまとめて木簡と呼ばれる道具にかけます。一回の工程でできる縞模様はわずか4.5センチ分。一反分の縞を作るにはこれを何度も繰り返さなければなりません。縦糸に横糸を織り込めば縞の生地の完成。続いてやってきたのはエプロンドレスを縫製するセクション。型紙に合わせて裁断した生地をミシンで縫い合わせています。最も心を配るのが縞と縞との合わせ目。人目について気になる肩の合わせ部分もこの通り。寸分のズレもない見事な仕上がりです。こうして会津木綿のエプロンドレスが完成。では、なぜ会津木綿で作られたものが温かいと感じるんでしょうか。その答えは縦糸に横糸を織り込む織りの工程に隠されていました。縦糸を単色にしてみてみるとはっきり分かるというのですが。織り上がった生地にご注目。所々に白く盛り上がったラインが見えます。これは横糸によってできたもの。ここに暖かさを生み出す秘密があるんです。こちらが横糸に使われている木綿糸。太さが均一でなく膨らんでいるところがあります。元々繊維が多く絡まる木綿糸。膨らんだ部分にはより多くの空気を含みます。さらに太い縦糸と折り重なることによって空気の層が出来、温かみが増していたのです。

カラフルな縞でオシャレ度アップ

会津木綿は江戸時代会津藩主の保科正之が綿花の栽培を奨励したことから産業として定着しました。夏は暑く冬は寒い会津の気候にあった木綿。厚手で保温性が高く丈夫な木綿はもんぺなど普段着として親しまれてきました。創業して111年になる織元に会津木綿の奥深さを物語る貴重な資料が残されています。縞帳と呼ばれる島の見本帳です。これまでに作ってきた300種類以上もの縞の端切れが収められています。これを注文を取るため呉服屋などに見せたと言います。始めは青と茶と白。三色で織っていましたが戦後の染色技術の発展によりカラフルな織物が可能となりました。常に新しいものを追求してきた会津の職人たちこの縞帳はそんな職人たちの絶え間ない努力の証でもあるのです。
最近着物好きの間でも人気の会津木綿。今の生活スタイルに合った製品も作り出しています。それがこちらの男女兼用のストール縞のデザインもモダンで色も多彩。発売すると一年で二千本も販売するヒット商品に。このストールをプロデュースしたのが会津出身の谷津拓郎さん。会津木綿の良さを知ってもらいたいと3年前に会社を起こしました。「会津木綿のストールです。会津木綿でものづくりをしていく上で、使いやすく今の暮らしに取り入れやすいものをというイメージで使っていただくものとして人がちょうどいいんじゃないのかなと思って作っています」フリンジを作るところを見せてもらいます。 一度織り込んだ横糸を外します。生地の端から7 CM のところまでこれが最も美しく見える長さなんだとか。横糸を取ると縦糸と本来の色が際立ちコントラストが生まれます。縦糸を一センチ簿の束にして結び目を作ります。フリンジをあしらうだけでオシャレ度がアップするんです。

伝統の島を現代風にアレンジ。世代を問わず人気のバッグがあります。木綿の生地の選定からデザインまでユーザーの希望に応じて作られるオーダーメイド。時には1年待つことも。バッグの製作者を訪ねました。工芸作家の諏佐栄子さん。5年前からネットなどでバッグの注文を受けるようになりました。「網代編みで作っています」まず気を配る間は生地の使い所。青と緑の部分で作ってみると爽やかな印象のバッグに。では青、黒、ピンク、緑の部分で作ると、華やかさが引き立つバッグに。同じ記事でもどの部分の縞を使うかでまったく印象の違うバッグが出来上がるんです。今回選んだのがこの縞。長さ85センチ。幅5センチにカットします。その帯状のものに芯を入れて補強したベルトを16本作ります。ここからが網の作業。最初にバッグの底になる部分が動かないようにピンでベルト押さえます。斜めにベルトを8本並べたら、それと交差するように残りのベルトを重ねてしっかり止めます。そして両手で左右のベルトを交差させ編んで行きます。底の部分ができたら四隅を固定。次に側面に当たる胴の部分を編みます。今見えているのは裏地の柄。側面から立ち上げるとシックな縞が現れました。胴の部分が編み終わったところで、緩んだ網目を詰めていきます。裏地を縫い付け、持ちてをつけると完成です。
「世界に一つのようになるように作っています」 世界にたった一つだけのバッグ。縞の美しさを知り尽くした作家の思いが込められたイッピンです。

会津木綿のご案内

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