「しなやかに涼やかに~岡山・ いぐさ製品 ~」イッピン

「しなやかに涼やかに~岡山・ いぐさ製品 ~」イッピン

もうすぐやってくる暑い夏を、少しでもさわやかに暮らしたい。岡山で作られる いぐさの製品 は、そんな願望を満たしてくれる。いぐさをよりあわせて織り上げたバッグはしなやかで軽くて丈夫。若き職人の感性が光る現代的なデザインに仕上げられている。また、いぐさを裏地に使った洋風の敷物、ラグは、吸湿性に優れ、さらっとした肌触りで快適に過ごせる。畳表の伝統を踏まえた、職人たちの手仕事に女優の黒谷友香さんが迫る。

【リポーター】黒谷友香

放送:2022年5月15日、2019年6月16日

 イッピン これまでのエピソード | 風流

イッピン「しなやかに涼やかに~岡山・いぐさ製品~」

もうすぐ暑い夏
少しでも爽やかに暮らしたいですよね
そんな思いを叶えてくれそうなものが
例えばこちら花を生けた粗い網目の籠
壁に飾ってみるのは
いかがこの籠
ワインボトルを入れることもできます
贈り物としてもいかにも涼しげ同じ素材で作られ
今最も人気があるのがこちらのバッグ
日本人には馴染みの深い
その素材とはそう畳表に使われるい草です
しなやかで清々しい質感が人気の秘密
偉かっ軽くて広がるので色々なものを入れてそうですね
ふわっとしてるんですよね
固くなくて持った感じが持ちやすいっていうか
若い方から年配の方まで
あの手に取ってくださいますね
シンプルなデザインですので
男性の体にもとてもよく
同じものと思います
えー四サイズのファイルも楽々入り
少々重いものを入れても平気なんです短パン
さらにこんなものに
もい草が使われています
洋風の敷物ラグです
見た目にはい草が使われている
ようには見えませんが
本日の一品りさちゃんは女優の黒谷智香さん
触り心地はいかがですか
暑苦しいっていう感じじゃなくてさらっとしてる
このままなんかゴローってできそうなぐらい
すごく気持ちいいです
そのさらっとした感じの秘密がこちら
網目状の白い裏地の中に
いぐさが隠れているんです
はい暑い夏の日
このラグが部屋の気分を
涼しく演出してくれそうです
今回の一品は
機能性を兼ね備えたおしゃれな岡山のい草製品
その魅力に迫ります
うんうんかつて岡山平野では
イグサの栽培が盛んでした
今でもイグサの加工業者が
およそ四十件あります
黒谷さんまずはあのイグサのバッグを作る
職人さんの工房を訪ねました
こんにちは須波樹さん
遊佐を使った製品を作る家の五代目です
はいこれが作っている
籠広めたり建て替えいろんなタイプがへえ
可愛いあすごいあーすごいいい香り
いや軽いですねそうですね
軽いですへーでも
凄く柔らかいっていうかねえ
シンプルに見えますが
このバッグには
随所に工夫が凝らされています
そこの部分はしっかり編まれ
破れにくくて重いものを入れてもケーキ
そしてこの持ち手がヒットの決め手でした
実はイグサのバッグは
戦前から作られていました
薄く安打だけの持ち手をすなみさんは丸く
しっかりしたものに改良しました
うんい草のバッグは
デザインとしても
現代的なものに生まれ変わったのです
これがまず材料のい草を見せてもらいます
すごい乾燥してるんですね
すごいカサカサ音がする
遅いそうだねい草一本は
およそ二ミリあすぐに折れてしまいます
はいでも一本を束ねて縄にしていくと
上部になりますこれがい縄です
いよいよ作業前縄のれんです
古いお力がありました
お空気がすごい込めとる
弱ぐらいあると思います
経糸用の稲葉が棚に入っています
このおり次は
すなみさんのおばあさんが
長年使っていたものを引き継ぎました
足でペダルを踏むと
経糸が上下に分かれます
その間に横糸を通して折っていきます
伊奈は糸に比べ太いので
自然に折り目に隙間ができるんです
これ自体はかごになるんですか
カゴの構造におっていくんですよ
側面でこの辺がそこになって
織り上げられた一枚
真ん中がそこの部分
上と下が側面になります
それぞれ降り方が違います
あ今日本になりましたね
横糸が日本になっています
ここはどこの部分なんですが
これまだ横まだ横横はい
今起きているのはバッグのこの部分
バッグはそこに行く程重さがかかるので
横糸日本にしているんです
それで今横ができてから
そこ
はい
あ三本になった

そこの部分は横糸を三本にして
更に強度を付けます
でもただ緯糸三
本にするだけではありません
はい次の横糸を通した後強く打ち込みます
これで経糸がしっかり交差し
横糸が固定されるんです
横糸が三本になると下りが緩くなりがち
ここで強く打ち込んで
バッグの強度を保つのです
うんすなみさんはバッグの構造に合わせて
横糸の本数を打ち込む力の強さを調節しながら
稲を上部に盛り上げていました
縦と横それぞれの感覚が
見事に揃っています
シンプルで美しいい
縄の織物が仕上がりました
今度は口の部分ここからは手編みです
経糸の切れ端を編み込んで
マックの縁を丈夫にします
なんかあんな遅かったい草に思えないですね
他のものを全然使わず
本当に戦だけで使って作ってるんですね
ですね戦百パーです
編み終えたらひっくり返します
うんはい生まれてきた
すごいそうかばんになってきましたね
最後はあのー持って四本の稲を
バッグの縁にを通してい草を束にして
残りの一本を巻きつけて
ここで指先の力加減を間違えると
きれいなあっちになりません
スロー映像で見てみると
すなみさんは
親指と人差し指を使って巻いた
縄を押さえながら
隙間をつくらないよう巻き付けていました
頑丈な持ち手が完成
でも中は許さなので軽いです
できたまちがしっかりしてるんですけど
そのままの形でこうずっと来るんじゃなくて
ここはちゃんとこうしなやかに押すとこうだから
ちょうどいいですよね
この弾力感なんか
イグサっぽい仕草って凄いなって思いますね
持つだけで涼しげああ
スカーフをつければまた違った表情に
はい持ち手の心までい草百パーセント
軽くて丈夫ない草のバッグ
岡山のフードと
職人の感性が生み出した逸品です
ありがとうございます
温暖な気候に恵まれた岡山
平野海を干拓した土地では
三百年前から
塩分に強いい草の栽培が盛んでした
これはイグサの断面を拡大したもの
スポンジのような構造で
湿気を吸収し放出します
そのい草から作られる畳表は救出性
クッション性に優れ
江戸時代武家屋敷で
使われるようになりました
へえ明治に入る
とい草を色鮮やかに染める技術が生まれ
細かな模様を織り込む
花筵が発明されました
繊細で華麗な図柄をイグサで表現する技術は
パリ万博でも注目を集めました
その後も岡山の職人たちは
初め方や降り方を工夫して次々と新しい花
むしろ開発日本人の暮らしに
華やぎを与えてきました
うんその用途も広がりました
テーブルマットです
色鮮やかな幾何学模様が
洋風のライフスタイルによくあります
はいモダンな図柄で
花むしろを作ったのは三宅高三
この道七十年
幾何学模様の花むしろを作る
第一任者です
花筵は横糸二戦たて糸に
木綿の糸を使います
三宅さんがイメージした通りの柄がおり
出されていきます
明治時代に岡山の職人たちが開発した
ある道具を使っているからです
もん板ですね
板の上に大中小三
種類の木の駒を貼り付けて作ります
図柄ごとに駒の配列は変わります
これがこういう風に
次々こう買っていってください
うんうんもん板は
経糸の後にセットされています
こちらがもういた回転して
気のこまが鉄の棒を押し上げます
鉄の棒は経糸を操作します
押し上げられた鉄の棒の数で
柄が決まります
こうしてもん板が回転するたびに
同じ図柄が織り上げられていくのです
ええその上で
生活していただく人が主役ですからね
これあくまでも脇役じゃから模様もそのもの
でなしに抽象的な模様の方が
いいんじゃないかと自分で思ってね
そういうふうに心がけてやっております
日本の夏の暮らしを明るく引き立ててきた
岡山の花むしろ涼しげな彩りには
職人たちの技が生きていました
うん

洋風の敷物のことを
ラグと言いますよね
でもこれはただのラグじゃないんです
うん表は麻糸にレーヨンを巻き付けた
パイル地でも裏を返すと
この白い紐の中に
いぐさが入っています
通気性のあるい草のおかげで
夏も冬も快適と今人気なんです
うん倉敷の中心街に住む三品さんのご家庭
十年来イグサのラグを愛用しています
ここは畳で和風の部屋だけど
こういうところでも洋風な部屋
どこに置いても
なんかすっと溶け込むような感じがあるので
まあ組み合わせてアレンジするね
とっても便利かなと思いますね
知ってとかもね
うまく調整しているような感じはしますね
梅雨時なんかこう持ち上げて
晴れ間にちょっと起こしたりしたら
それを引いたら
何か爽やかな感じになりますよね
裏にいぐさを織り込んだ
どのようにして作るんでしょうあっです
早速職人さんの工房へはい
こんにちはじゃあ滝山裕一さんは
二十三歳から
独学で技術を身に付けました
まずあの白い紐を作るところからで
こっちから入れていくんですけど
ここで買っててここが上手プナ
これ上手なんですよ
えーこれここで巻き付けていくんですね
白い紙テープがセットされています
何これすごい涼しい風がが入ってるか
入っていく
これでも巻かれちゃって出てきてる
これはそうなんですか
タキヤマさんが機械の口にい草を入れるとはい
直径三ミリの白い紐が出てきました
い草に紙テープがきれいに巻き
ついています
簡単に見えるようで大変なんでしょう
うんうん大変大変
この作業の最大のポイントは
紐の太さを一定にすること
タキヤマさんはい草
三本を束ねた太さにしています
しかしイグサの根本と
先端は細くなっています
一体どうするんでしょううん
三本目がなくなるタイミングですね
スロー映像で見てみると
竹山さんは先が細くなったい草が機械に入る
直前のタイミングを見計らって
次のい草を入れていました
この時紙テープの中には
四本のい草が入っていますが
太さは普通の三本分と同じです
紙テープを見せてもらいました
すごい薄い通気性が良くなるんで
紙テープはわずか零点
零三ミリだから
い草の通気性を損なわないです
続いて今作った草のひも
ラグの裏地にしていきます
さっきはこんな状態を巻き取ったら
この状態で幅二メートル以上あるおり
大きな敷物専用に作られました
もともとは一人が横糸を飛ばし
人が打ち込んでおり
数人がかりで操作するものでした
竹山さんはそれを一人でも折れるよう
改良しました
人がはい交互左右へ
手元にあるボタンで横糸を操作します
最初のボタン零戦
次のボタンで表の糸を通します
うん
経糸は足元の
ペダルべースを指します
二乗分のラグマットを折るには
五百四十回は打ち込むだそう
大変これ年と買いたくない
もう腰はもう何回も本当ですか
どんな仕組みで盛り上がるのか
はい裏側にはイグサの紐がびっしり
そして表にはいつも麻とレーヨンの意図表と
裏で別のものを一度に織りあげるその秘密は
経糸にありました
お力を横から見てみると
経糸は普通に本ですが
ここには三本あります
そのカラクリは
二戦上の段に表の意図が通ったら
上下のたて糸が交差します
この時真ん中にある
三本目のたて糸が上と下が混ざったり
逆になったりするのを
防ぐ働きをしているのです
上下により分けるこの仕組みを
一人で操作できるようにするまでが
大変でした
うん十年ぐらいずっと
もう機械をずっといじってたんですよ
だから基本がないのに
基本を覚えながら
大変作っていくっていうすごいと思って
もうもうもう子供みたいなね
盛り上がったらぐの橋をミシンでかかります
最後は手縫い五できたできました
石器うんさりげなく引いてる
っていうのがいいかもしれませんね
畳がちょっとなくなってきつつあるから
こういうのでい草の香りをね
感じたのかもしれないですよね
なんだろう和室にも洋室にもよく合い
しかも機能的
まるで縁の下の気持ちのように
い草が見えないところで
大きな働きをしています
量を呼び込む逸品です
岡山の風土と歴史に培われたい草製品アイデア
豊かな職人たちがそこに新たな命を吹き込んでいました

商品情報

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