美の壺「すこやかな芸術品 益子焼」




ぽってりとした素朴な土感とあたたかみが持ち味の益子焼。

江戸時代末期に栃木県益子町で、すり鉢、瓶など生活の道具として誕生

益子焼を芸術品に高めた人間国宝の濱田庄司の作品

今や500人もの陶芸家が個性を磨く

かの有名駅弁の誕生秘話

乙女が胸キュン!カラフルな陶器を作る若手陶芸家

5日間の寝ずの番!炎を器に写し取る窯焼きに密着。

伝統、斬新、癒し、自然…多様に広がる益子焼の世界をご紹介します!

【出演】草刈正雄,【語り】木村多江

美の壺「すこやかな芸術品 益子焼」

放送:2019年10月11日

アバン

栃木県益子町。東京から電車を乗り継いで2時間半。関東屈指の陶芸の町として知られています。

益子焼。ぽってりとした素朴な土の質感と温かみが持ち味です。

人間国宝の濱田庄司は益子焼を芸術の域にまで高めました。

今では500人近い陶芸家たちが益子に集まり

その個性を磨いています。色も形も多種多様。

益子には自由な作風が許されるおおらかさがあると言われます。

火を操り炎を写し取る作家まで。

焼き方にも作家の豊かな発想が溢れます。今日は個性溢れる益子焼の世界をご案内しましょう。

濱田窯

濱田窯 hamada pottery – hamadagama ページ!

すこやか

益子焼はおよそ150年前江戸時代末期に生まれました。信楽焼などの影響を受け、江戸に水瓶やすり鉢などの日用品の焼き物を出荷し発展しました。

そうした中、日用品の中にある美しさを説く人間運動が起こりました。

しかし明治維新以降、産業の発展と生活様式の変化で、金属やガラスの器が増え益子の窯元は激減します。

中心人物の一人の内に人間国宝となる陶芸家濱田庄司が昭和5年益子に窯を開きます。近代化によって衰退した益子を自由な陶芸の町として盛り上げていったのです。

「 自信がなくなった産地をほめるような方法をとったと思うんです。若い職人がいて自信がないなと見えたら、おやおやここに新しい名人さんが入ってきたねとかいわれて一気にうれしくなったというのがありますし。気取っていないところで陶芸家たちが仕事を健やかに行っているというところがいいんでしょう」

浜田は益子を健康的な心が根付く田舎と賞賛。ここで陶芸の道を模索しました。

濱田庄司の代表作の一つです。たっぷりと注がれた釉薬が皿の上を十字に力強く走ります。釉薬を柄杓で掬い上げ、さらに流しかけて模様を描く流しかけという技法です。浜田は益子で素朴さと芸術性を併せ持つ作品を作り上げていきました。

その魂を受け継いだ孫の友緒さん。祖父の志を現代の暮らしにも合わせる試みを続けています。

「昔はマグカップなどなかった。使いやすさは念頭にあります。使いやすさを求めていきたい」

色は白と黒。スタイリッシュなものと勃起した男らしい丸みそれを組み合わせても現代の食卓に合う器です。陶芸の町益子には素朴な芸術品がありました。今日最初の壺は生活の中の芸術品。

創業1861年の江戸時代から続く老舗の窯元です。

7代目を継ぐ大塚誠一さんは使われる器づくりを追求しています。日々の暮らしに馴染む使いやすい器とはどんなものか。

大塚さんが手本にするのは世界各国の骨董品です。

「イギリスの19世紀とか18世紀とかいうもの。パイ皿です。労働の跡が深みを出しています。美しい物が多いですよね」

大塚さんの器です。水を張ったような跡と濃密な深み。流しかけた白い釉薬が器の表情を決めています。

その美しさの秘密は土作りから。

益子の粘土を自から山で取り、細かく砕いて漉します。

中の空気を抜きながら手で粘土の状態を確かめていきます。

「蹴りろくろで形を作っているところ。電動の方が均一に作れるが、味気ない感じになっちゃうんですよね。

なんか自分のリズムで自分で決定やるっていう方がなんかこう自分が思う趣がでる感じがするんだよね。だから蹴りろくろ使うんですけど」

ろくろを回す作り手の息づかいがそのまま形になった健やかな美しさ。どんな料理でも不思議となじみ、主役を引き立てる名脇役です。

暮らしを彩る優しい芸術品が益子にはありました。

大誠窯(だいせいがま)

益子町観光協会のホームページです

群馬県横川駅。こちらの駅弁は誕生から60年もの間多くの人に愛され続けています。

実はこの駅弁に使われている容器も益子焼です。

益子最大の窯元です。

1日およそ1万個の容器が生産されています。戦後の高度成長期。

利便性が重んじられる中で、プラスチック容器が台頭。

益子焼の人気は低迷していました。試行錯誤の毎日が続く中、東京からある依頼が来ました。

「もともと東京の百貨店に依頼があって、お弁当の容器を作ってほしいというところが始まりでした。その当時こういった釜の形のデザインを提案したのですが、取り扱うのに重いということから不採用になりました」

ならば、保温性を生かした暖かい弁当を売り出そう。

この横川駅の弁当屋が提案した試みが器が大ヒット。

益子焼きは見事復活を遂げたのです。

「かわいらしいフォルム。持ったときに暖かみが感じられる。おいしいご飯がこれで食べられるという思いが伝わるようなデザインは今もここしています」

持ち味を生かしながら時代の変化にしなやかに答えていく。

今日二つ目の壺は時を超えて。

峠の釜めし 本舗おぎのや

峠の釜めし本舗おぎのや

濱田庄司が陶芸家たちの参考になるようにと作った博物館です。世界中の民芸品が展示されています。

濱田庄司記念益子参考館

公益財団法人 濱田庄司記念益子参考館

陶芸家の山野辺彩さん。作り手として斬新さと温故知新とがせめぎ合う日々。先人の仕事に教わることも多いのだとか。

「自分が作ってるのが、これと同じわけではないんですけど、どういう風に変化していくかっていうのがなんかもうその状態のものがあるって凄く参考になる」

山辺さんの作品です。モチーフの葉つき人参は益子町の無人販売店で見つけたもの。

ヨーロッパ調でありながらどこか日本らしさを感じる器はレトロな味わいがあります。

器をキャンバスに見立てて一筆一筆書いていきます。器が使い込まれるほどに絵柄と使い方が時を演出します。

「よごれちゃったからいいやというより、茶渋がついて色がきれいだなと思われるといい」 使い込むほどに魅力を増していく、人とともに歴史を刻む器です。

山野辺綾

Aya Yamanobe 山野辺彩

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陶芸家中村かりんさんです。器好きが高じて自分好みの器を作りたいと益子に入りました。

益子は陶芸家にとってやりたいことを応援してくれる街だと言います。自由な空気の元生まれた器は包容力に溢れています。

「みた目もそうですし、持った時も柔らかさを感じてもらえたらいいなと思って作ってます」

ある程度重さがあった方が安心感だったりとか。もっと時の雰囲気がいいかなっていうのがあるので、あまり薄くなりすぎないように、ちょうどいい重さを目指して、調節しながらろくろ引いてってます」

ろくろを引いた後乾燥させその上に同じ粘土で絵柄を書いていきます。スポイトを使って泥を盛り上げるように文様を描くいっちんという技法です。連続した幾何学文様を入れて行きます。その時中村さんが頭に思い浮かべたのは「できあがてもこの盛り上がった線が残るので、後触った感じが後プツプツしてたりとかそういうところが楽しいかなと思います」形も模様も全て自己流。自分が持ちたい器を目指します。淡いパステル調にぽってりとした厚み。乙女のハートを掴んで離さない器です。伝統と革新。バトンは脈々と受け継がれていきます。

中村かりん

Nakamura Karin 中村 かりんさん(@kkarinnnnn) • Instagram写真と動画

土と炎

益子の土。そこに秘められた力をとことん引き出す器。

流れる釉薬と露出した土肌が圧倒的な存在感を放ちます。

片口はごつごつと土のつぶての跡が残り月のクレーターのような何とも言えない味わいです。

平皿は炎が焼き付いたかのよう。

無骨さと繊細さを併せ持つその器は土と炎自然を実感させる焼き物です。

陶芸家の竹下鹿丸さん。

陶芸仲間から天才と呼ばれる竹下さんの器づくりは土を掘ることから始まります。

益子の中でもここの土はお気に入りです。

「鉄分が多いので赤い発色になります」

掘った土は荒く砕いて使います。あえて砕ききれない石のかけらを年度に残すのです。このつぶてが作品に味を出します。窯入れです。

竹下さんの作品は焼きが命。窯のどこに土の器を置くかで作品の表情が変わるため、緻密に配置を計算します。一度に焼き上げる作品はおよそ500点です。

火が入りました。ここからほぼ5日間寝ずの番をします。縦横無尽に巡る炎。

手伝いに来た陶芸家の仲間たち。昼夜交代で作業をすすめます。

窯の様子を見ながら10分おきに温度を調整していきます。

益子の土は熱に弱いため数日かけてゆっくり温度を上げていきます。

湿度気圧に注意しながら細やかな温度管理が続きます。

そして焼き上がり。大量の灰をかぶった作品は黒くすすけています。

土の鉄分と成分が反応し赤い炎の模様となって焼き付けます。

うつわの支えの跡が丸い文様として残ります。これも狙い。

土と炎と死とその力と技が一つに重なります。

「意思が高温で膨張して溶け出してきます。全部取ってしまうとつるっとしておもしろくない」

株式会社つかもと

益子焼つかもと|益子焼最大の窯元 株式会社つかもと

竹下鹿丸

竹下鹿丸さん(@shikamaru.t) • Instagram写真と動画

酢飯屋 岡田大介

酢飯屋グローバルトップ / 文京区水道、江戸川橋にある寿司、カフェ、ギャラリーの複合店

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