追跡!行列ができるパン屋さん 知られざる秘密

追跡!行列ができるパン屋さん 知られざる秘密

テレビ愛好家のAちゃんです。

最近パン屋を扱った雑誌企画やテレビ番組をよく見かけます。

女性目線の健康志向というのが後押ししているのかもしれません。

そういえば、昼飯を選ぶ際も値段とカロリーを見比べて選ぶようになりました。

カロリーが多い場合はご飯の量を減らして調節しますが、

面倒なときはパンを選んでしまう場合がよくあります。

消費者の好みを反映する形でパン屋の人気が高まっているのかもしれません。

でもパン屋の修行は大変なのではと思っていましたが、

短期間で技を習得する人たちが現れているといいます。

果たしてサービスの質はいかがなものなのでしょうか。

その裏側を見せてくれた番組です。

「追跡!行列ができるパン屋さん 知られざる秘密」

再放送:2017年8月日 初回放送:2017年月日

【司会】所ジョージ,片山千恵子,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【リポーター】徳永圭一,【語り】吉田鋼太郎

人気のパン職人が始めた「たった5日でパン屋になれます」という「スピード修業」。

若手の独立を支援するため、材料の分量や手順をマニュアル化、

誰でも短期間で開業できるようにした。

この修業、一般にも門戸を開いたところ、なんと中高年が押し寄せる事態に!

中学校の女性校長先生から、会社一筋の人生に疑問を感じた50代の男性や、

残業続きで「家族との時間が欲しい」と脱サラした人など「スピード修業」に挑む人々の人間模様。

所さん大変ですよ!

番組概要

短期修行でパン屋開業

誰でもたった5日の研修でパン店を開業できます。

というのが株式会社おかやま工房が取り組む〈小商い〉創業支援〈リエゾン・プロジェクト〉。

岡山市でパン教室を主催する河上祐隆さんがはじめました。

22歳でベーカリーを開業した河上さんが

数々の失敗や壁にぶつかりながら習得したノウハウを集大成した研修ビジネスです。

パン作りの仕事はハードです。

朝は早くから仕込み開始。

作業は力仕事と立ち仕事。

さらに大変なのが発酵食品であるパンづくりの知識です。

その日の室温や湿度に応じてパンの発酵は変わるからです。

パン職人になるには調理系の専門学校でパン製造の基本的な知識と技術を修得し、

厚生労働省認定のパン製造技能士の国家資格を取得することが基本的な流れといわれます。

しかし、この教室では”勘と経験”に基づくものもすべて数字に置き換えられています。

パン職人に向いている人、適性 | パン職人の仕事、なるには、給料、資格 | 職業情報サイトCareer Garden

食品科学に関する知識を持つことと、技術を身につける努力が欠かせません。

パン作りが好きでなければ続けるのは難しい仕事なのです。

河上祐隆さんが目指したのは知識と技術を機械に任せることで

誰もが手軽にパン作りができるようにするというシステムの開発でした。

経験ではなく理論、カンではなく数字

「5年以上修行した熟練のパン職人しか作れないといわれるパン作りを、

素人が数値化、もしくはマニュアル化することで作れるようにしました」

経験に頼らず、データを忠実に再現することでおいしいパンは焼くことができる。

河上祐隆さんがめざしたのは仕事の流れを分析することでした。

生地の大きさや厚さはミリ単位に指定しました。

工房の温度管理をすることで、生地の発酵が年間を通じて一定になりました。

オーブンなど使う機械も約時間や温度を指定するためすべて同一のものに指定されています。

もともと若い従業員の独立を支援するために編み出されたプログラムでした。

ところが教室を一般向けに広く開放した所、中高年の人たちの感心を集めてしまいました。

 

中高年に共感!人生の深い話

 

愛媛県伊予市双海町の山間にあるパン屋「パンや107」。

2015年夏、古民家を改装して作られた自宅兼店舗の店です。

伊藤洋一店長はもともと都内のカメラメーカーでエンジニアをしていました。

30歳を超えたころ仕事が終わると帰宅はいつも深夜。

4人の子どもの世話は妻に任せっきりだったそうです。

42歳の時会社を退職。パン屋になることを決めました。

開業資金の一千万円は都内のマンションを売却して調達。

競争相手のいない縁もゆかりもないこの地に家族で引っ越してきたのだといいます。

競合する店もなく、家族ぐるみで引っ越してきた伊藤さんは

過疎化がすすむ地域では大切な存在になりました。

収入はサラリーマン時代に及びませんが、

地域と家族の絆ができたと番組では描かれていました。

パンや107
愛媛県伊予市双海町上灘483
▼電話番号
050-3636-8981

福岡県糸島市の「糸島パン工房わいわい」。

もともとエレベーターの修理点検をしていた山本勇治店長が2014年開業した店です。

会社の人間関係の悩みから40歳の時独立し開業しました。

「きんぴらごぼうとチーズのお焼き」「塩バターパン」が人気メニューです。

糸島はパン屋の激戦区でもあるため売れ筋商品の品揃えにとても苦労している様子が番組で描かれています。

パンは単価が低く、消費期限が短いので売れ残ったときのロスも大きいといいます。

売り上げや給料が不安定だったりと店長さんは率直に舞台裏を明かしているところが好意的です。

糸島パン工房わいわい
福岡県糸島市潤3-26-6
▼電話番号
092-321-0929
わいわい – 波多江/パン [食べログ]

続々登場する研修システム。受講者たちの意外な素顔

飲食店の開業を目指す人たち向けの教室は続々拡大しています。

ラーメン店を志す人達で賑わう都内の教室。

ここではラーメンの命ともいえるスープの作り方を数値化して教えています。

覗いているのはスープの濃度計。

豚骨こってりが8%、鶏ガラあっさりは2%。

スープの濃度は水分を足したりして調整するので始めたばかりの人でも間違うことはないといいます。

しかし、このラーメン教室には中高年の姿はあまりありません。

重労働なのが敬遠されているのでしょうか。

代わって増えているのが海外からやってきた留学生でした。

らへ面教室を主催しているのは藤井薫((1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。
川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。現在は小型製麺機の業界トップシェアを誇る。))さん

これまでこの教室を卒業し海外で店を開いた人は300人になるそうです。

アメリカ人はアボカドラーメンが好きというのにはびっくりしました。

異文化や人種が融合した海外でフュージョン料理が流行るというのもわかる気がします。

麺の常識を変え、地域を支え、社会を笑顔一杯に|大和製作所ブランディングサイト| 業界シェアNo1の大和製作所

 

パン屋戦国時代

静岡県富士市に新規オープンした「yone-pan」。

店長の米山徹(54)さんは30年以上にわたり産業用ロボットのメーカーに勤めてきました。

ところが2年前突然予期せぬ異動があり定年を前にして退職。

パン屋の開業を決断しました。

急成長(従業員40名→850名)を遂げた会社でほぼ一貫して営業部門に在籍、激流の中で様々な貴重な体験をさせていただきました。この度(2016年4月)その会社を卒業し、人生の集大成として個人経営のパン屋「yone-pan」の道を歩むことを決めました。

しぶる奥さんの同意を取り付け、一千万円近い開業資金は退職金でまかないました。

 よね-パン
静岡県富士市森島415-1
▼電話番号
0545-60-9088
生地から手作りの小さなベーカリー よね-パン

まとめ

総務省によると転職する人は増加していて、

2015年以降の転職者は298万人近くに達しているそうです。

そのため職業を経験する機会を提供し独立を支援するビジネスは必要不可欠なものになりそうです。

仕事の喜びの本質は、お金ではなく「問題解決」にこそある*とイケダハヤト氏は言います。

誰かの役に立ちたいという採算度外視で取り組める原初的なものが

仕事を続けるエネルギーになるように思います。

日本社会を支える地盤はミシミシと音を立てています。

従来型のやり方に安住しているといつ足下が崩れるかわかりません。

パン職人という仕事もまた同じです。

修行を通じてノウハウを継承する方法が安泰といいきれない時代なのです。

マニュアル化したパン作りについても不安はあります。

それは応用が聞かないことです。新しい商品を作ろうとした場合、

身についた技術があるわけではないので、研修先に問い合わせたり、

新しい知識を金で買わなければなりません。

しかし、いずれにせよ立ち止まっていてはダメだということが番組から見えてきます。

エネルギーを持ち続けることが

社会を良き方向に変えていくただひとつの方法なのではないかと思いました。