テレビ愛好家のAちゃんです。
テレビづくりは発見が基本です。
まだ知られていない小さな「芽」を探し、水をやって大きく育てることの繰り返しです。
ネットの情報や新聞記事は「芽」にあたります。
朝日新聞が選んだサブカル・回顧「私の三点」が公開されました。
選者により作品の傾向が変わってくるところが面白い回顧「私の三点」。
コミック、ラノベに発見があります。
<アニメ>ローカルに若者描く
(1)映画「夜明け告げるルーのうた」
ポストメディア編集部 一迅社 2017-05-31
架空の港町を舞台に、中学生と人魚のルーの出会いを描く。
アヌシー国際アニメーション映画祭でクリスタル賞(最高賞)を受賞。
本年を代表する1作
(2)映画「きみの声をとどけたい」
株式会社マッドハウス 2017-08-25
湘南・鎌倉地区をモデルに、ミニFM局を運営する女子高校生たちの物語。
“言霊”をキーワードにしたまっすぐな青春もの。
(3)TV「サクラクエスト」(ブルーレイ・DVD発売中)
原作:Alexandre S. D. Celibidache,漫画:古日向いろは 芳文社 2017-05-12
過疎の自治体・間野山市を舞台に「町おこし」を正面から描いた。
問題はリアルに解決は理想的に描くバランス感覚が魅力的。
選:アニメ評論家・藤津亮太
<ゲーム>日本発の3Dが躍進
(1)ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(任天堂)=写真
(2)ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて(スクウェア・エニックス)
(3)バイオハザード7 レジデント イービル(カプコン)
電撃攻略本編集部 KADOKAWA 2017-01-28
近年、世界的なゲームの動向はスマホなどで遊ぶ手軽なものより、精巧に作られた3D(立体)の空間を自由に歩き回って冒険するものが主流だった。このジャンルは長らく海外メーカーの独壇場だった。だが(1)(2)(3)のように、今年は日本を代表する人気シリーズにもアイデアに富んだ3Dゲームが増え、ヒット作も数多く生まれた。日本のゲームが国際的な競争力を落とすようになったのは、このジャンルがなかなか伸びなかったせいでもある。人気作を生み続けて、来年は世界市場で一気に巻き返してほしい。
選:ライター・さやわか
<マンガ>緊張と弛緩の空気感
(1)南勝久「ザ・ファブル」(講談社)
南 勝久 講談社 2017-12-06
殺し屋として育てられた青年が、一般人のふりをして過ごす「休日」を
異様なまでに緻密(ちみつ)に描写した作品。
大阪郊外の架空の街を舞台に、殺し屋やヤクザと暮らしが錯綜(さくそう)する。
緊張と弛緩(しかん)が同居した不思議な空気感がいい。
(2)LF・ボレ/フィリップ・ニクルー「MATSUMOTO」(誠文堂新光社)
LF ボレ,フィリップ ニクルー Graffica Novels 2017-02-17
フランス人作家による、松本サリン事件とオウム真理教を基にしたフィクション。
外の視点だから描き得た物語。
(3)岡田索雲「マザリアン」(双葉社)
岡田 索雲 双葉社 2017-01-28
人間とモノが混ざり合う超常的な現象が起きる現代の日本で、
猫と混ざってしまった少年と、蚤(のみ)と同化した少女の物語。
ユーモラスなビジュアルの向こうに、一抹の寂しさが漂う。
選:漫画評論家・伊藤剛
<ラノベ>女性向けの成長物語
(1)安里アサト「86――エイティシックス――」(電撃文庫)=写真
安里 アサト KADOKAWA 2017-02-10
第23回電撃小説大賞で〈大賞〉を受賞した話題作。
ディストピアを生きる少年少女の姿を描いた、SFファンタジー。
(2)友麻碧「浅草鬼嫁日記」(富士見L文庫)
友麻碧 KADOKAWA 2017-11-15
20代以上の女性をターゲットにしたライト文芸から。
今年は特に「あやかし」ものの人気が高く、その代表作と言える。
(3)紙上ユキ「少女手帖」(集英社オレンジ文庫)
紙上 ユキ 集英社 2017-09-20
一人の少女が生き方を模索する青春小説。
選:東海学園大講師・大橋崇行
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