ガジェット愛好家のAちゃんです。
シェアオフィスには若い人に混じって年配の人の姿も見かけます。年齢も職業も異なる人たちの会話には役に立つ話が満載です。
フリーランスの人も多いだけによく話題に上るのがお金の話。聞いて損のない話なだけに眠っていた好奇心が目覚めます。
大富豪に学ぶお金を稼ぐ極意!シニアが定年後に収入を得る方法とは?
定年後の収入源に対する不安
仕事探しは若い人たちの切実なテーマですが、定年後のシニアにとっても興味のある話題です。
収入が年金だけになるため、再雇用で65歳まで働けたとしても、年金だけでは食べていけません。
ではどうしたらいいのでしょうか。ヒントになるのが若い人向けに書かれたこの自己啓発書です。
「ユダヤ人大富豪の教え」本田健著(大和書房) (2006/2/9)。
主人公は20歳の起業を志す主人公の学生。アメリカ滞在中に出会ったとんでもない大富豪に「幸せに成功するための秘訣」を教わる話です。
「お金の話なのに泣けた」「この本を読んだ日から人生が変わった」…
アメリカ人の老富豪と日本人青年の出会いと成長の物語は、これからの人生を豊かに生きていくヒントに満ちあふれ、大きな反響を呼んでいる!
「お金の法則を学ぶ」「失敗とうまくつき合う」「スピーチの天才になる」「人脈を使いこなす」「自分のビジネスをもつ」などなど、成功力がつく。
なぜ、定年後のヒントとして役に立つのでしょうか。
成功するための秘訣
この本には「幸せに成功するための秘訣」を実現するために大切なのが「自分のビジネスを持つこと」だいうことが書かれています。
定年後、シニアには約90,000時間の自由な時間があると言われます。この時間を上手に使い切ることが不安解消のヒントです。
とは言っても、若い人たちのように、バリバリお金を稼ごうという欲を出してはいけません。
目的にすべきなのは、自分が熱中する目的を持つこと。
目的を達成する過程でいくばくかの収入がおまけに付いてくるという仕事を見つけることが大切です。
そのためにはまず行動を起こすこと。会社勤めで人生を拘束されてきたシニアのほとんどは会社以外の人間関係がありません。
ですから、定年間際になって慌てるのではなく、定年前から定年後の人生を計画することが必要なのだとわかります。
そのために何をすべきなのか。
1.自分の大好きなことを見つけ、その分野で成功している人を探すこと
2.その人について仕事のやり方を学ぶ。このとき学ぶこと、やるべきことを全てやり、絶対に妥協しないこと
3.いきなり大きな商売を始めたりといったリスクを冒さないこと
4.スタートしたらお客をいかに喜ばせるかに意識を集中し、そのサービスを継続して利用してもらうシステムをつくること
5.儲かる仕組みを作ったら、だれが管理してもうまくいくようにする。普段は日常的な仕事をせずに、どうしたらお客や従業員をもっと大きなスケールで喜ばすことができるか考えること
わかりやすいヒントですね。
幸せに成功したければ、自分らしい人生を生きることに集中して、お金のことや成功することを忘れるのが大切
この本はまず収入のことは忘れなさいと説きます。これはどういうことなのでしょうか。
私たちは働くことで収入を得ます。会社勤めをしたり、物を売ったり、人にサービスしたりと世の中のほとんどの収入は労働と対価の形で成り立っています。
これを「労働収入」といいます。「労働収入」は自分の時間を売ってお金にしているということなのです。
稼ごうと思えば思うほど忙しくなり、長時間労働をしなくてはいけなくなる宿命があります。
シニアが目指すには「労働収入」から脱出することです。「働いて収入を得るという方法」から自由になることが労働やお金に縛られない人生を送る鍵なのです。
では「労働収入」に対する収入とは一体何なのでしょうか。それは「権利収入」です。
「権利収入」とは権利をえて、その権利が生み出す利益を手に入れる方法を言います。
例えば漫画家が汗水流して描いた漫画。この漫画から得る収入には二つの収入があります。
原稿が漫画誌に掲載されたとします。出版社は漫画家に対して原稿料という形で報酬を渡します。
描くのに数時間かかることから「労働収入」と言えます。漫画が連載になりその連載を元に単行本が出版されます。
出版社は単行本の売り上げの中から漫画家に印税という報酬をはらいます。漫画家は新たに原稿を描くわけではないのでこの収入は「労働収入」とは言えません。
働かなくても得られる収入を「権利収入」といいます。注目すべきなのは「権利収入」です。
ほったらかしにしたても安定的な収入源を確保できる所に注目しましょう。
漫画家が描いた漫画は単行本になることで自分が働かなくても、または働いているつもりがなくても収入をもらい続けることができるようになりました。
シニアに置きかえてみましょう。
シニアには漫画家が描いた作品のような成果物はありませんが、代わりに長い勤め人時代に培った専門性があります。
経理の能力や人事評価。他部局との折衝能力など、他人にはない蓄積があるはずです。
その能力を見直しましょう。いや、自分には人に誇れる長所はないと考える人がいるかもしれませんか、それは思いこみです。
人にはなく自分にはある長所を見直すことを「人生の棚卸し」と言います。
棚卸しをすることにより、働かずに権利で食べていけるような能力を再発見できるのです。
仕事に束縛されていた自分の時間を取り戻し、自分らしい人生を生きること。
見方を変えれば定年後の身の振り方に悩むシニアにも役立つヒントです。
権利収入でお金を生み出す
権利収入を得る為には資産の最大化が欠かせません。「私には漫画家のような才能もないし、アパートの大家のような土地もない」と諦めてはなりません。
資産もない人でもできる方法があります。
たとえば「ブログ」があります。
自分がこれまでの人生で手に入れた知識や知見をまとめ、知りたい人に伝えることです。
知識や見識という自分だけの貴重な経験は資産です。このことから広告収入を得ることも権利収入と言えるのです。
シニアがまず着目すべきことは、自分の経験を棚卸しすることにです。
手つかずの土地を開墾し田畑を広げるように、良質な情報をブログに蓄積することが大切です。
役に立つ情報は長持ちします。長持ちするということは、1回がんばれば、あとはほったらかしでも済むということなのです。
ユダヤ人大富豪の教えを読み解く
「ユダヤ人大富豪の教え」では、最も大切なことは成功するための「動機」であるといっています。
幸せな金持ちになるための秘訣は、自分の大好きなことを仕事にすること
大好きなことに巡り合ういちばんの方法は、いまやっていることが何であれ、それを愛すること
動機とは本人自身が何がしたいのかという気持ちのエネルギーです。知識と経験があるシニアにとって「動機」さえあればブログは書けます。
自分が大好きなことをブログという形で表現し、収益につなげることは決して難しいことではないのです。
良質な記事を書くにはそれ相応の時間がかかります。思いついたことを短い時間でまとめても最初は思うような記事になりません。思うような記事を書くためには時間が必要です。時間ならばシニアには腐るほどあるはずです。
書いたものを見直し、わかりやすいものに仕上げて行くため、時間に投資しましょう。
まとめ
あらためて感じるのは、この本の持つ前向きな姿勢です。
人生は、「考えること」と「行動すること」の二つでできている
思考が人生をかたちづくり、感情が人生をコントロールしている
行動すること、豊かに生きる世界観を持つこと、「思考を可視化する」ことが大事と、言われてみれば当たり前のことを繰り返し言っています。
しかし、年を取れば体も心も動きが鈍ります。行動することへの警戒心が新しい世界の扉を閉ざすのです。
それではいけないと本がメッセージを送ってくれています。
棚卸しした知識や経験は出し惜しみせずに世の中に還元することが大切です。
こうしたことの積み重ねが、権利収入という資産となって自分に返ってきます。
そして残りの人生を輝かせてくれると、この本は語りかけてくるように思えます。
「元気な時間を持て余したくない」という願いはシニアだけの願いではなく、若い世代にとっても明日はわが身というテーマなのかもしれません。