日曜美術館「激動の時を生きた浮世絵師 月岡芳年」

日曜美術館「激動の時を生きた浮世絵師 月岡芳年」

幕末、維新の動乱を生き抜き、明治の世に浮世絵の最後の華を咲かせた絵師、月岡芳年。

芳年は、半世紀ほど前“血みどろ絵”と呼ばれるむごたらしい作品で脚光を浴びたが、近年、アニメにも通じる迫力や情感あふれる作品も着目され、本の出版や展覧会が相次いでいる。

番組では、“血みどろ絵”から西南戦争絵や情緒あふれる物語絵まで、芳年の代表作を紹介し、近年の研究や復刻摺(ず)りが明らかにしたその作品の魅力を伝える。

初回放送日: 2022年1月30日

 

日曜美術館「激動の時を生きた浮世絵師 月岡芳年 」

横長の画面いっぱいに薩摩軍と政府軍が派手に激突する西南戦争の戦闘シーン。
こちらは縦長画面。
目も眩むような急こう配の屋根の上で繰り広げられる決闘シーン。
描いたのは幕末から明治にかけて活躍し、最後の浮世絵師とも言われる月岡芳年です。

芳年はいわゆる血みどろ絵で脚光を浴びました。
三島由紀夫はこう言っています。
「芳年の飽くなき血の私欲は血みどろ絵において絶頂に達する」

「三島以降、芳年イコール血みどろ絵という図式は完全に出来上がった。常に血というキーワードであるとか、退廃っていう言葉と一緒に芳年は語られていくようになります」

最近では芳年の情感溢れる絵も人気があります。
去年新たに復刻版も制作されました。

「とにかく月ということに引かれた。色んなところに月を見させてくれてる。それで何よりもそのそこにいる人物の思いっていうのも一緒に感じることができるんじゃないかなと思います」

激動の時代を生きた月岡芳年。
その魅力溢れる浮世絵をご覧ください。

義敏の浮世絵を数多く所蔵している町田市立国際版画美術館そう
ここに吉利の前期の代表作の一つであるシリズ作品があります
うん実在した歴史上の武将たちを描いた肖像画です
現在六十五点が確認されています
とてもアクロバティックなポーズですとか生死をかけて戦っている武将たちの姿が
あのとてもリアルに描かれています
はい明治元年気鋭の医師として名をあげていた吉利が描いたのが改題百戦争と題するシリーズです
南北朝時代から江戸時代にかけての
歴史上の人物を描いた肖像画
まずは戦いの一瞬をユニクなアングルで捉えた臨場感あふれる場面をご覧ください
はいなるほどあれ一体側どこ行っちゃったんだって
探すとちょうど親しいたところで見えないんだね
なんで下を向いたかと言うとほら今まさに鉄砲の弾が飛んできたので
身を伏せたんだけどなんと玉の軌跡まで描いてあるようん
今度は上を向いているよ
頭の上で砲弾が爆発したので驚いて見上げたその瞬間なんだ
前のに比べれば顔が描かれているけど
でも一番目につくのは鼻の穴だよ
肖像画でこんな風に鼻の穴を描いたものなんて他にあるのかな
なるほどこれは体が消えちゃったんじゃないかと思うけど
泥の中に仰向けに倒れ込んだところなんだ
勢いよく泥が飛び散っているけどその目を見て敵をにらみつけて
思いっきり腕を伸ばして立ちを振り上げている
でも大丈夫かな
敵のやり先が迫っているよ
うん前のめりになりながら的に襲いかかろうとしているのかな
手をきつく握りしめ顔面は蒼白になって
口元から血を吐き出している
壮絶な最期の姿なんだうん
ありがとうございます
本当吉利がこのシリズを出し始めたのは明治元年でした
それは新政府軍と旧幕府軍が戦った戊辰戦争があった年です
戊辰戦争の一部で将棋体の戦いとして知られる上の戦争
その舞台となった寛永寺の黒門には値段の跡が今も残っています
うん吉利はこの戊辰戦争のイメージを戦国時代の武将の肖像に重ねています
ええうんうんうんうん
これは明智光秀の家臣の姿です
赤い髪の毛が目を引きます
赤熊と呼ばれるかつらで新政府軍の将校がかぶったものです
うんこちらは皆竹だけの歌詞
フルダ民を縦に敵陣の様子を伺っています
将棋帯は多摩よけのためにフルダ民を使ったといいます
うんうんええ業種年は上の戦争の直後に
洗浄を見に行ったといいます
そして実際に目にしたと思われる光景を書き込みました
本能寺の変で討ち死にした信長の側近の武将血が流れ出て
瀕死の状態に見えるけど
奇妙なものが体にかかっているようん
これは仏の教えを記した恭倹
何でという感じだけど
実際吉利も上の戦争でこんな有様を目の当たりにしたかもしれない
んだというのも戦争の翌日
上野に見に行った中村仲蔵という歌舞伎役者が
後にこんな階層をしているんだ
将棋体の死骸
数字倒れふす中には経文一貫被害へ
追いかけ誌もありうんうん
ああこちらはちょっと目を背けたくなるような光景だけど
虫が討ち取った敵の首を二つ下げている
上の戦争でもこんな場面を見たことを
やはり中村な一生が書いているんだ
首を二つ左手に下げ右手に長き刀を持ち倒れたり
はい美男子もひょっとして
こんな姿を目の当たりにしたのかな
うんうんうん戦いというのは何ともさん
そんなものだね
吉野し自身が将棋体の洗浄後を見に行ったことで
四というのはこうお芝居の中に出てくるようなこう
絵空事の華やかな事件などではなくて
亡くなった後二人は無になってしまうという
何とも言えない虚無感みたいなものをこう
実際にお遺体を見ることによって得て
それがこの作品の中に描かれたのかなと
資源の柴門乃助
雪村という作品がまあ私はこう
この作品を象徴するこのシリズを象徴する
ような作品と言えるのではないかなという風に思っています
この兵は秋津を追っていて血塗られています
けれども自らの整理のために戦って負傷をしてという地であり
それをこう何ともこう柔らかくというか
試合の表情で見つめる真田雪村というのが書かれていて
このシリズにある切なさみたいなものとか
悲しさみたいなものとかまたすごく
静かな感じ性質さというんでしょうか
を表すような作品ではないかなと私は思います
ええええ吉利に魅せられて六十年以上になる西井まさきさん
吉利のコレクタとして知られる西井さんが珍しい作品を見せてくれました
うん大判錦絵を六枚も横に繋げた極端な横長の画面に西南戦争の先頭場面が描かれています
右端に馬上から指揮をする西郷隆盛が大きく描かれ
薩摩軍の名だたる隊長たちが続きます
うんその先に火の手が燃え上がり政府軍との派手な銭湯場面が現れます
うんはいええうん襲い掛かる薩摩元に政府軍の兵士たちは
どこかひるんでいるようにも見えます
うんなんか映画の一番目見てるようなね
そういうリアルさがあるんですね
行け行け行けって言うて
右から流れてここらぐらいで激戦ですねはいで
ここでばんと
なんか地雷が炸裂しているような
ところもあります
しんでこうみんなを猛りを挙げながら上って
こう攻めていくこの姿ね
阿鼻叫喚っていうのが
何かそういうものが
こうひしひしと感じられるなかなか
こんな表現できませんわうん
西南戦争の終焉の地となった鹿児島の城山
明治十年西郷隆盛が率いる反乱軍は七か月
あまりにわたり九州各地で銭湯を繰り広げた末
この城山にこもりました
しかし最後の抵抗も虚しく
西郷隆盛は自決します
ええええええうん
当時誕生して間もない新聞は
こぞってこの大事件に飛びつき
一斉に報じます
はいしかし紙面はご覧のように見出しもなく
文章ばかりもちろん写真は一切載っていません
ええ誰もが知りたい戦争の様子
それをビジュアルに伝えたのが
浮世絵でした
当時既に売れっ子の浮世絵師だった吉利には
依頼が殺到します
吉利は西南戦争を題材にした絵を
最も多く描いた絵市の一人でした
うんうん西南戦争の浮世絵を
吉利は現地に行かずに書きました
どの絵も新聞記事や伝聞
噂話などをもとにしています
ドラマチックに誇張したへも多く
中には事実と全く異なるものもあります
そうはいはいいき上がる政府軍に対し
手前の薩摩軍の兵士たちは傷つき
血を促している
西南戦争で最大の激戦となった
田原坂の戦い
はいこの絵は
西郷隆盛の福祉
村田新八が家にする姿を
書いているんだ
でも当時そういう情報が流れてはいたものの
実は村とは
この絵が出た時には
まだ死んでいなかったんだ
はい実際には半年後になくなるので
全く事実とは違うねということになるね
これは驚きの絵なんだけど
黒服を着た政府軍の日
兵士達と戦っているのは女性なんだ
ほら画面中央で薙刀を振り回し
男たちをも本もせずに風船している
これは薩摩軍の女代と称する
女性兵士達なんだけど
本当にこんな舞台があったのか
限りなく怪しいと言われているようん
ええへの元になったのは
新聞記事で望遠鏡にて望み
見に扶助の薙刀を携え
奔走するを見るなんて書かれている
うん生地は甚だ新規敵
風雪なりと付け加えているけど
でも絵になると思った浮世絵師たちは
事実かどうか
なんてお構いなしに盛んに
女体の絵を書いたんだ
ええこれもちょっとびっくりなんだけど
最後を隆盛が
船の上で自決しようとしている絵
なんだ
実際に最後が自決したのは白山で
浮世絵もそこでの最後の姿を描いたのが
多いんだけどこんなのあるんだね
先に絵を書いておいて
自決の知らせを受けて
急いで刊行したのではないか
と推測されているような
リアルタイムで起きている
まあこの西南戦争に対してえ
実際にこうビジュアルでみたい
という欲求がですねえ強かったかと思います
事実として正確なものをえ
求める意識よりも
ですねえこの絵としてえーまあ
あの興味のあるあの場面というのを見たい
というこの作品はですねま
西郷隆盛が今現在追い詰められていて
海に沈んで
竜宮上に背広ではないか
というようなことを語っていた
と言うような噂があったんですよね
でそれで最後が言っていた
その冗談というのを本気で絵にしたのが
この作品ここにはですね
その竜宮上の兵士たちが
人間の形をしているんですけれども
頭に魚が乗っかって
魚の擬人化した表現になっていますね
こう冬を見ると
当時の人たちにとって
この西郷隆盛という人物が非常にこう
人気のあった
愛されていた存在だったんではないかな
と思われます
最後慕う気持ちっていうのがですね
まあ庶民の中にもあってそしてそれがですね
浮世絵の題材として
もえ広く取り上げられたんじゃないかな
と思いますね

利のコレクタ西井さんが
お気に入りの作品を見せてくれました
戦争の絵と共に
吉利が数多く描いた物語のへの傑作です
ええ満月の夜鈴木が風に揺れる中
貴族が笛を吹いています
ああその傍らには
今にも刀を抜こうとする党則
しかし貴族にはどこにも隙がないため
ついに切りかかることはできませんでした
上巻ですねええ
それが非常にあのよく出てますね
いつ見てもあの私はあの感動しますはい
すき明かりの中で
そのよく上を吹いてる
冬の馬が聞こえそうなあの情景ですしね
これ見ると私も落ち着くんです
静かな情景の中の緊張感と言いますかね

ん日が割とこう倒れてますね
だからわりとこれ
風が強い量刑なんですけどね
でそれがまこう
雲の流れにもなってますし
うんでこの満月が意外とね
生きてるんですね
うん満月が全部見てるぞという感じでね
今までね等倍ななんかは
もう争い争いのね場面が多いですけど
これの場合は
そういう本当にあの
人間としての
温かさのようなものが
感じられますのでね
はいドラマチックな芳年の物語のえ
中でも独特の緊張感溢れる構図が見られるのが
縦に二枚繋げた作品です
四十代で浮世絵師の人気番付
トップに躍り出た義利縦にまい続きの作品を
次々により出します
はいほら見て
この真っ赤な建物の屋根が
なんとという急こう配なこと
そのてっぺんで若者がたつの胸飾りに手をかけ
刀を構えている
うん追い詰められて
こんなところまで逃げてきたんだ
うんうんうんはい
その下の方と言っても
ここも屋根の上なんだけど
両足を踏ん張っているのが捕物の名人
うんそれを口にくわえて発し
と上をにらみつけている
うんただならない雰囲気に
鳥が慌てて飛び立っているよ
ありがとうございます
紅葉がはらはらと落ちる中
お姫様のような彼な衣装を着た女性と
その下の髭を生やした入りそうな武将が
じっと水面を見つめている
果たして何が映っているかというと
女性の美しい顔ではなく
恐ろしい形相の鬼の顔
女性の正体は実は鬼だったんだ
はいそのことに気付いた
武将がたちに手をかけた
瞬間を絵にしてるんだうんええうん
うん口を開けた
大きな日本の像が立っている
そうしたで尿より遥かに小さいけれども
強そうな毛むくじゃらの男が
何やら壊しにかかっているよ
男は酒を飲んでは多暴れするので
有名なんだけど
ある日酔っ払って帰るともんが閉じられてしまい
三本の日本を壊してしまおうとしているところ
なの
それにしても縦長だからこそ
日本の大きさが際立って見えるね
はい町が炎の海のように燃え広がり
火消しも出動する中
若い娘が火の見櫓のはしごを登っている
火事が引き起こす風で
着物が飛ばされそうに膨らんでいるね
この娘は恋人に会いたい一心で着付けして
ついにはその罪で火あぶりの刑に処せられた
と言われているよええうんうん
続きえの場合はこうなんで連結させるのか
何でこのあの塩に連続性というか
繋がっている要素を持たせるか
ということがポイントです
けれどもこの作品の特徴
というのは縦長な構図をはしごに
ほとんど当てているっていうことですよね
でそして高いはしごをものともせず
登っていくえ彼女遅れが出ていて
火の粉も飛んでいて
そしてこう必死の表情で
空を眺めている彼女
彼女がこの決死の覚悟で登っていく
高さをこの縦二枚でえ
表現したこの高さこそが
彼女の恋心の強さってうん
菅原さんが縦にまい
続きの画面を最もよく生かしている
と考える作品です
うん仲間とともに平家討伐を図り
島流しになった僧侶
瞬間一人だけ罪を許されず
取り残される場面です
ええ彼は一人残されて
断崖絶壁の波がパンとこう打ち寄せる中で
石をかきむしるような形の指をして
そして髭だらけの顔で
空をに向かって叫んでいるのか
嘆いているのかをしています
彼が立っているのは断崖絶壁でえそしてえ
その高さというのが
この縦長の画面の中で表現されています
瞬間の絶望の深さも表現する
高さ波のまにまに小さな船が見えてえ
これが彼一人を残して京都に去っていく
映画の最終回観って出てくるような
そういう物語が物語
性というか動画のような時間っていうのが
ここにも内包されていると思います
浮世絵専門の美術館として知られる
太田記念美術館
ああここに吉利の晩年の代表作と言われる
シリズ作品があります
月にちなみ物語や伝説
謡曲などの場面を描いた
月百四というシリーズです
うん築百四というのは題名の通り
全部で百頭からなる作品です
月岡吉利がまあ
最晩年に作り上げた本心の作品です
今あのイラストれたえ学科の人がですね
えー書いた絵と言われてもですね
まあ遜色がないぐらい
現代の私たちを引き付ける魅力というのが
この吉利の月百市にあるかと思います
ええまじはいはい
誰もおかしいているおなじみの人物だよ
三日月が照らし出しているのは
みすぼらしい姿をした白側頭のおばあさんだけど
投稿か鬼神があると思わない
その正体は平安時代の家事ものの小町なだ
絶世の美人というだけではなく
中にも優れまさに才色兼備だった女性
今はすっかり置いてしまい
顔には皺が目立つけど
明和まだ凛として遠くを見つめているね
はいええはいええ
画面をはみ出すほど巨大な満月
その手前でソンゴルメが踊るような格好で
赤い如意棒を振り回している
何をしているかというと
白ウサギを追いかけ
懲らしめようとしているんだ
このウサギかわいらしいけど
実は月にいる要請で地球に来て
三蔵法師と結婚しようと
悪巧みしていたんだって
ウサギと言えば小さい頃月の影の模様
ウサギが餅をついている姿だと教わったなあ
あれ来る海原そうだね
真っ黒な波がそそり立って
船に襲いかかろうとしているよ
はい船の舳先で波に立ち向かっているのは
弁慶だ
手に数珠を持ち
毅然とした面持ちで祈祷している

はこの嵐は義経を恨む
平家の亡霊たちの仕業なんだ
ああ月の光を遮るような
波頭の動きがよく見ると
ちょっと嵐下でしょ
号令たちを安置しているんだねえ
うん満月のもとゆ
顔の花が咲き滅んでいる
そこにうっすらと透き通るようにして
長い髪をした若い女性が見えるよ
ひかるげんじの薄明の恋人
夕顔の亡霊なんだ
真っ白な横顔が寂しそうだねえうす
明かりの中を漂う半島名の分亡霊の姿は
何とも現象的だな
本当江戸以来の木版画の技術を伝承し
浮世絵の復刻を手掛けている高橋工房です
はいはいここでは
去年月百四のシリズから
七枚の絵を復刻しました
古い版木を入手して修復し
新たに刷り上げたのです
とにかく好きっていうことに
月の人も引かれたです
私自身は色んなところに付けようま
見させてくれてる
それと何よりも
そのそこにいる人物の思いっていうのも
一緒に感じることができるんじゃないかな
と思いますその時代的背景とか
歴史専門を知ると
その人物が今どんな覚えて
こんなふうなたたずまいをしているのかなとか
そんなふうに感じることがあるえなので
とても好きです
今回の復刻によって
築百四には
とても凝った
スリの技が
使われていることがわかりました
それはどのようなものなのか
釣りの過程を見ていきます
取り上げるのはこの作品です
暗い断崖絶壁を
一人の武者がよじ登っています
織田信長が美濃の国に攻め
行ったときの一場面です
うんええ白の守りが硬いので
裏手から白に踏み込もう
としている武者の姿を
満月が見守っています
はいええ復刻版のすりを見せてくれるのは
剃り歯のそうだ憲康さんです
はい最初はおもはんと呼ばれる版木を使い
罪で輪郭などの主要な部分を剃ります
はい続いて色ごとにすり重ねていきます
そうこれは顔や手足の肉色うん
人物の色を乗せていきます
はい続いて背景の空はい
そしてえのって
間になっている月を剃ります
まずべスの黄色
そこに黄色がかった塩を乗せます
うんはい滑らかなグラデーションにするため
三回刷り重ねます
そっかではい

して月の周りや
岩などを墨で仕上げます
これで一見完成したように見えますが
凝ったスリの技が施されるのは
この後です
ま近くによって見ないと見えない記法ですけど
ま版木に布を張ってそのの目を写し
撮る絵のタイトルの部分には
布目釣りという技法で
布目模様が入れられているのです
ちょっとした楽しみみたいな感じじゃないですか
円形だと見えないんですけど
実際に手に取った時あ
目指せられてるなみたいなええこの絵には
もう一つ正面釣り
という特殊な技法が使われています
ええ手に持って角度を付けると
武将の鎧が光というのですが
はい光らせる部分
をかたどったハンギ正面釣りでは
ここに絵の具をつけません
うんそっかそして
普通は紙の裏を擦るのですが
逆に表の面をバレンで擦ります
あとこれも定義
取ってみないと分かんないよね
表現だと思うんですけど
鎧の黒い部分が角度を変えると
光のが分かるでしょうか
正面釣りによってこの
光沢を付けているのです
もう本当にこの絵そのものの表情が変わりますね
ちょっとこう動かしただけでも
楽しめる要素が一緒にあって
こんなところにも
こんな技を施してくれてるんだなっていう
これを手に取って
ご覧になる方たちへのなんかこう
楽しみ方をプレゼントしてくれてるような
感じでうん
今度は名もなき
庶民が登場する場面を見ていこうか
はい大きな松の未来が傾き
月明かりの中
男が老婆を背負って山道を登っている
老人を山にしてる
姥捨山の伝説は各地にあるらしいけど

には捨てるのに耐えられず
迎えに戻ってしまうのもあるようだよ
こんな風に大きな松がのしかかっているのは
男の心の中の辛い気持ちを
象徴しているのかもしれないなあ
はい雲間から月が覗く夜
道端に立って客を引く夜鷹という最下層の優勝
黒い着物を着てござを抱え
手ぬぐいを被ってでその橋を加えている
これが夜鷹の典型的なスタイルだった
そうだよ本当は悲惨な境遇のはずだけど
そんな風に見えない
美しい顔をしているねえ
うんうんうんうん
うんうんうんうんうんうん言語と激しく炎が燃えさかり
月を霞んでいるようん
手前には屋根の上でじっと立つ
火消しの男ずきんの文字から
居組の町火消十分だが
目立つようにまといと呼ばれる丸と
四角のシンボルを持っている
なるほど火事の現場に真っ先に駆けつけ最も火の勢いの強いところに立ってき
消しの目印になったそうで
花形だったんだって
一万二千円こちらはいかにも楽しい得だよ
満月の夏の夜
鳥鳥の気持ちこう来た人たちが盆踊りに興じている
うん弾けるような笑顔楽しさのあまりまるで空に舞い上がるような構図になっている
よええなるほどねはいええ夕顔の花が咲く棚の下で夫婦が月を眺めながら夕涼みしている
着物をはだけですっかりリラックスした様子の夫は杯があるから
月見酒だね
妻の方は後ろ姿で見えないけど
乳飲み子を抱いている絵のタイトルはかんだよ
楽しみはユーザオダナナの下での夕涼み
男はじゅばん女は腰巻き姿で
という意味なんだはいささやかな家族団らんの一時
ありふれているかもしれないけど
何とも幸せな風景に見えるね
月博士で描かれた月の姿は
通り中には月そのものを描かずに月を表現した作品もあります
うん秋の夜うちわを手に茶室でくつろいでいる女性
見ているのは畳に映る影ええ満月の光が松の枝を映し出しているのです
絵の中にはえ月が描かれていないんです
けれども明るい満月がえーこの部屋の外にはですねえ
輝いているんだろうなというま
そんなことをですね連想させるま
非常にこう雅やかなと言いますかえ
風流な一枚になっていますねええ
はい小舟の上の若い女性は悲しみのあまり
琵琶の演奏もできません
ええ身分の違いで
叶わぬ恋に絶望してしまう女性
さざ波が立つ皆も月光が輝かせています
はいええへー本来であればですねえー
空の上に輝いている付きがあるはずなんです
けれどもえーそれを直接表現しないでですね
この水面にえこの月の光がえ
輝いている様子というのをえ
このような形で表現をしています
え付きの丸さではなくてですね
えー波によってこの月の影というものがえま崩れた形になっています
けれどもえ光が照り返しってえまばゆいこの月の光ともですねえ
泰秀相まってえより悲しみをですね
連想させるような描写になっています
うんええ吉利がまあ晩年を迎える頃になります
とまうき良い子たちもですねえよりこう芸術性の高い単純にですね
派手で面白いというものだけではなく
見る人の気持ちに
しみるような作品を描いていこう
芸術としての要素というのも
まより深く追求していこう
という気持ちがあったかと思います
今の人たちを魅了するような新しい版画というものが作れるんじゃないかということで
吉利がですねえうき美として生涯を送る中でま最後にたどり着いた境地というのが
この月百四であったと言えるかと思います