日曜美術館「ルーブル美術館 美の殿堂の500年 “太陽王”が夢見た芸術の国」

日曜美術館「ルーブル美術館 美の殿堂の500年 “太陽王”が夢見た芸術の国」

収蔵数68万、ルーブル美術館には人類のあらゆる美の記憶が刻まれている。今回は17世紀~18世紀。太陽王ルイ14世のもとでフランスは世界に冠たる芸術大国へと成長する。芸術が王権の象徴だった時代、アポロンの間など荘厳な美の結晶が花開く。太陽王が亡くなると、今度は恋愛や自由をおう歌するロココ芸術が現れる。芸術大国フランスが誕生した時代、ルーブルが誇る建築、絵画、彫刻、工芸、世界最高の美術品を8Kで撮影。

初回放送日: 2021年11月14日

日曜美術館「ルーブル美術館 美の殿堂の500年 “太陽王”が夢見た芸術の国」

ルーブル美術館
美の伝道は十六世紀の初めイタリアからもたらされた一枚の絵画とともに歩んできました
モナリザ。
モナリザは世界の至宝がこの地に集められた歳月を見つめてきました。

十七世紀フランスの芸術を大きく花開かせる一人の方が現れます
自らを太陽と名乗ったルイ十四世。

太陽の登場からフランスは世界に冠たる芸術大国へと歩んでいきます
王の下で芸術家たちは多様な美の表現に目覚めていきます
シリーズルーブル美術館
今回はフランスの芸術が豊かな実を結んだ十七世紀から十八世紀半ばを見つめます
ルーブルの至宝は時を越えて問いかけます


総収蔵点数六十八万点。
膨大なルーブルのコレクションは十六世紀に始まりました。

イタリアルネサンスに憧れた時の国王が

天才レオナルドダヴィンチをフランスに招き

美の伝道の礎を築いたのです

続く十七世紀をフランスではこう呼びます

グランシエ来る偉大なる世紀

 

はいはい

うん

ルーブルの正面に

その時代を作り出した王の姿があります

ええルイ十四世うん

はいおが権力の全てを握る絶対要請を指揮

七十年の長きに渡って

フランスに君臨しました

はいはいうんはい

十七世紀の調度品をそろえた

ルーブルの一室

うんうんここに

ルイ十四世を描いた

肖像画の傑作があります

いや三鳥業のルイ十四世の肖像

うん桶野のユリの紋章を施した

青いマント翻す優雅な立ち姿です

 

 

美しいもの全てを愛した

オウムの気品を伝えています

うんはい昼からすらりと伸びる

足後はばれをこよなく愛する

優れた踊り手でもありました

繊細なれすと

豪華な怪我は

その手触りまで伝わってきそうです

 

お心に一行成芸術を愛した欧州でも

どうも洗練された文化は

この王によって作られていった

うん

 

うん

うんルイ

十四世がルーブル宮殿の主となった時

王室の絵画コレクションは

まだ一十点でした

うんは諸国に人をつかわし

あらん限りの名画を集めさせました

うんええやがてコレクションは

二千五百点にも達します

これ王が二十二歳の時に手に入れた

レオナルドダヴィンチの洗礼者聖ヨハネうん

はいキリストの出現を予言したヨハネを

成人とはおもい

妖艶な姿で表わした傑作です

うんへえ

 

はいうん

類似よん世は

このえんをフランスにもたらすために

莫大な資金を倒しました

 

 

 

 

はまたこの時代に

レオナルドダヴィンチ以上の評価を得ていた

画家の傑作も手に入れました

ラファエロサンティおが描いたバルダッサーレ

カスティリオーネの肖像

ルネサンスを代表する知識人の姿です

うん真の知性は

慎みの中にこそ宿ると説いた

その精神を表すため

ラファエロはモノトーンの中に

彼の姿を描き出しました

うん

 

カスティリオーネの思慮

深さを表わす

繊細で豊かなひげはい鮮やかな色を湛え

こちらを見つめる人二うん

ルネサンスの到達点と言われるこの絵は

ルイ十四世によって

ルブルにもたらされました

うん芸術へのあくなき執着

それは王の若き日の体験と

関わっています

うんうんはいルイ

十四世は千六百四十三年

四歳で王位を継承しました

うんしかし五年後

おけと対立する貴族の反乱にあい

都を追われます

るろの日にちとおおでありながら力を持てない

屈辱ルイ十四世が権力を取り戻し

絶対要請を宣言したのは

二十二歳の

その権威を誇示するために求めたのが

芸術の力でした

アポロンのギャラリー

うん

おが作らせたまばゆい黄金の

空間です

 

 

天井の中心には

王が自らをなぞらえた者の姿

あれ太陽の神アポロ

この世のすべてを照らすギリシャ

神話の神です

うんうんルイ十四世はアポロンに自分を重ね

対応と名乗りました

天井のあらゆる装飾は

太陽の力をたたえています

ありがとうございました

その輝きは夢の上がもたらす

夜の闇を払いのける

大竹太陽のように

この世のすべてを司るルイ

十四世は絶対

王政の国王の権威をここに刻ませ

世に知らしめたのです

千六百六十三年

ルーブル宮殿にルイ十四世の肝入りで王立絵画

彫刻アカデミが開かれられます

その目的は王の業績を歴史として

後世に伝える芸術家を育てることでした

 

 

よにとって

最も大切なものを食に委ねよ

それは世の栄光である

 

 

 

ルイ十四世が指揮

芸術家たちに

模範として示した絵画があります

神話や宗教の世界を

への中に蘇らせる歴史がです

はいええニコラプッサンのサビ技の女たちの略奪

うん描かれているのは

古代ローマ建国にまつわる伝説うん

はい女性が少なかったロマ人

近隣の部族サビニの女たちを奪って子孫をなし

構成の繁栄につなげたという物語です

うんええありがとうございます

情景をありありと想起させる

身振りや顔の表情の巧みな描写

はいさらに見るものを

物語の世界に引き込む劇的な手法もうん

 

 

 

画面右端には

兵士から逃れようと母親の体に身を隠し

娘中央の娘は

今まさにとらわれよとしています

 

 

 

そしてついに捕まり

必死に抵抗する娘はい

 

 

 

はい一一枚の絵の中に役立つが進んでいく

その流れを描くアカデミーでは

こうした歴史がを

絵画の頂点と位置づけました

ベルギーの巨匠ルーベンスの作品もその一つです

はいルイ十四世の祖母

マリドメディシスの生涯を題材にした連作

二十四枚にわたって

歴史がふうに描かれています

アカデミの画家たちが驚いたのは

その奥深い色彩の世界でした

イタリアメディチ家出身の真理が

フランス王家に嫁ぐため

マルセイユに上陸する場面

 

 

画面下には

航海の安全を守ってきた

海のニンフや神話の神

ああ銀色のに輝く

真理のドレスルーベンスの作品は

色を重ねることで

豊かな表現を生み出していました

はいうん

水と戯れるにはだ

 

よく見ると

薄い青や灰色なども使われています

 

 

 

うん波は白や青など色が重なり

見事に水の流れを表しています

うんうんええ色彩を自在に操ることで

目に見える以上の真実を描き

話すことができる

はい王のコレクションは

画家たちの美の探求に

多くの手がかりを与えました

へえ

うんうん

へえ

 

太陽法ルイ十四世の庇護のもと

かつてない豪華絢爛な工芸技術も

花開いていきました

おおが作らせた純金の宝石箱

精緻な金細工が

左右対称に配置されています

表面を埋め尽くすアカンサスのは

古来不滅の力と

永遠の命を象徴する

この植物をは刻ませました

この時代の金細工は

実はほとんど残されていません

ああおが相次いでいた戦争の費用を賄うため

多くがとかされてしまったからです

 

 

領土を拡大することは

おおに最もふさわしい

最も気持ちにの良い仕事である

分かりました

ルイ十四世の治世周辺国との戦争に

明け暮れた時代でもありました

 

 

嫌がって人間の本質をえぐり出す

芸術も生まれていきました

うんフランス人

彫刻家ピュジェのクロトナのミロです

はい

うん

 

うん強靭な肉体を誇った

古代ギリシャの英雄見ろ

老いてなお衰えぬ力に

おごり切り株を引き裂こうとします

うんしかし手が切り株に収まって動けなくなり

猛獣の餌食となりました

はい

肉に

食い込む獣の爪

うん

 

 

 

競泳心が招いた悲劇

かつて名声を轟かせた友情が

身をよじり悶えています

はいうん忍び寄る

絶望

 

へえ

 

過去の栄光にとらわれ

身を滅ぼす人間の愚かな姿

はいヨーロッパの覇者となる

野望にとりつかれたルイ十四世は

三十年に渡って

諸国と戦争を繰り返しました

フランスが打ち負かした四つの区に

石を捕虜として表すブロンズ像

もともと王の銅像の

足元に置かれていました

 

 

 

 

おが戦争に明け暮れる一方

重いぜに苦しみ

食べることもままならない人が

国中に溢れました

あのー

 

かつて仰ぎ見た対応へ

の尊敬は

過去のものとなっていきました

 

 

 

高級にまします我らの父よ

汝の名はもはや称えられず

汝の声を聞くものも

 

おら

 

ず割れない

日々のパンを与えよう

 

 

 

 

 

 

 

ございます

 

 

うん

千七百十五年

国の財政が

破綻寸前の危機的な状況となる中で

ルイ十四世が世を去ります

死の間際青田

石に語った言葉が伝えられています

 

 

 

 

 

ルイ十四世の死とともに戦争は減り

人々の暮らしも落ち着いていきました

芸術を楽しむ心が芽生え

町では家に飾る絵がう

理解されるようになりました

はい人気があったのは

生物がルイ十

四世の時代には重んじられませんでした

ジャンシメオンシャルダンの赤い

 

 

舞台は家庭の台所

その暮らしぶりまで伝わってきます

真ん中に描かれているエイは

庶民の大好物でした

一風変わったこの絵について

人々は思い思いに語り合いました

ありがとうございます

この生々しい内臓を見て

本物そっくりえーっていうのは

丁寧に書くことで現実味が出るのねうん

いやそうとも限らないよ

見てごらんこの花器は随分粗い筆遣いだ

でも不思議なことに

遠くから見ると本物っぽく見えるんだ

コーラ

 

でもなんで猫なんか書いたの

かしら

じゃあもし猫がいなかったらと想像してごらん

ということです

うんへえ随分寒々氏家に見えるじゃないか

猫はこの絵に

幸せな空気をもたらす立役者なんだ

うん絵を見ることは自由で楽しいこと

人々は芸術を

愛でる喜びに目覚めていきました

 

 

 

優れた芸術をもっと見たい

という声がルーブルを変えていきます

うんええアカデミに所属する芸術家の作品が

年に一度ルーブルで

公開されるようになったのです

人々は夢のような美の世界に酔いしれました

うんうんそれは

これまでにない美の潮流でした

権力や栄光とは無縁の世界

華やかで繊細なロココ芸術です

 

 

 

 

王立アカデミー出身の画家

フランソワブッシュの傑作オダリスクオダリスクとは

トルコの宮殿に仕えた女奴隷のことです

ベッドの上で惜しげもなく肌をさらす女性

 

 

描きたかったのは生身の肉体が放つ輝き

 

 

 

 

 

画家はこの世を生きる喜びを描かず

にはいられない

新しい時代フランスに

新たな美意識が誕生しました

 

 

 

王の死の二年後

アントワーヌバトが描いたしている

当の巡礼バトも

王立アカデミーの出身ですしている方は

そこに行けば

男女が結ばれるという神話の地

はい描かれているのは

愛を成就させていく貴族たちの姿です

愛の物語は

画面の右手男が女の耳元で

愛を囁くところから始まります

その左迷いながらも

男の差し出す手を取る

女画面をさらに左へ辿ると

恋に落ち水へと向かう男女の姿

恋人たちは天使に祝福され

愛の世界へと船出します

一枚の絵の中に

物語の時間の流れを描く表現

それは太陽の時代

大神若き芸術形に

模範として示した

絵画に用いられていました

ありがとうございます

新しい枠なき王がかつて憧れ

夢見旅と深く繋がっていました

 

 

 

うん自らを対応と名乗り

フランスが世界に冠たる芸術

大国になる礎を築いたルイ

十四世王の栄光を讃えるためのは嫌がって

芸術家たちの探求によっ自由を謳歌したビエット

変貌を遂げていったのです

美とは誰のものなのかかつて芸術は神のため君主のためにそしておそらく人間のための芸術が作られるときがやってきたのだ