イッピン 「アイデア満載!町工場の技〜三重の金属製品〜」

虹のような輝きのグラス、保温性抜群の鍋、曲線が印象的な鉄の家具。三重の町工場が技術力を生かして開発した製品です。アイディアを武器に挑戦を続ける職人技に迫ります。
三重県の町工場。リーマンショック以降、業績不振に苦しむ工場が多い中、自分たちの技術力で製品開発を進める職人たちがいます。高い切削技術が応用され、食材のうまみを引き出す保温性に優れた鍋。バイクのマフラーの色変化に注目し、虹のような輝きをまとったグラス。鉄工所の3代目が作りだすのは、柔らかな曲線を描く印象的な家具。リサーチャーは藤澤恵麻さん。町工場と職人の技術力が生み出す、 三重の金属製品 の魅力に迫ります。

放送日: 2022年11月22日

イッピン 「アイデア満載!町工場の技〜三重の金属製品〜」

淡くたゆたうグラデーション。
虹のような輝きが美しいグラスです。
そして食材をふっくらおいしく調理できるという人気の鍋。
柔らかい曲線を描く鉄の家具。
これらはすべて三重県の町工場から生まれた逸品です。
三重県は工場が集まる産業の地。
しかしリーマンショック以降、未だに業績が伸びず苦しんでいる町工場が多いんです。
苦境に立たされた職人たちは自分たちの技術で新たな製品開発に力を入れています。
町工場の技が作り出す三重県の金属加工製品の魅力に迫ります。


中京工業地帯の一角。三重県四日市。
機械部品や自動車部品の製造など工場がひしめき合います。
今回のイッピンリサーチャーりさちゃん藤澤絵麻さん。
まず訪ねたのは創業五十年になる町工場。
こちらは飛行機やロケットなどの機械部品を手掛けています。
高い切削技術で厳密な精度が求められる部品を製造。
その単位はなんと千分の一ミリ。
しかしリーマンショック後受注は十分の一に。
そこで自社技術を活かした新たな製品開発を始めました。
その一つが印鑑。
どんな素材や大きさも精密に削れる技術を応用。
新たな顧客開拓にも結びついているんです。
自社製品の開発を手掛ける社長の山添卓也さん。
中でも不況を救ったのが・・・可愛らしい鍋ですね。
こちらの鍋。
本体が陶器で蓋は金属製です。
最大の特徴は保温性に優れていること。
材料を入れたら十分ほど加熱。
その後火から下ろして四十分ほど待つだけで野菜の水分がにじみ出たおいしそうなポトフの出来上がり。
食材の甘みも引き出すので味も抜群。
煮崩れもありません。
保温力の比率は密閉性が高いことです。
どれくらいの密閉性かというと。
「ぴったりはまりました」
「百分の一ミリの隙間ゲージというものなんですけども」
製品の精度をチェックする
零点零一ミリの子と蓋と土鍋の隙間に入れようとしますが
そんなないですね
ごく普通の子とが入らないほど密閉性が高いです
この鍋ですが開発には試行錯誤が繰り返されました
同期と金属異なる素材をぴったり合わせなければいけません
課題となったのは陶器製の本体をいかに精密に作る壁でした
そこで協力を仰いだのが土鍋を作る窯元の水谷泰治さん
山添さんから求められたのは驚きの制度でした
ま土鍋通常二ミリ三ミリ歪みのは普通のことだと思うんですけども
金属の蓋が形が決まっているので
それを一ミリ以下に歪みを一ミリ以下にしてほしい
という提案だったんですね
焼き物は焼くと収縮するため思い通りの寸法にするのは難しいです
金属の蓋に合わせて鍋の口が歪まないよう正確に形を作り
そして火元を増やした
専用の釜で焼くことに熱を均等に伝えることで
焼きムラを最小限に抑え精度を上げる工夫をしたんです
ここから陶器部分を削り
蓋がぴったり合うようにしなければいけません
しかし山添さんにとっても
登記を百分の一ミリ単位で削るのは初めてのことでした
陶器が自体があのー
実はあの軟らかくもなく固くもなくあの表現しにくいですけど
割れやすくて脆もろいけども削りにくい素材でして
まず試したのは金属を丸く削る技術の応用鍋を回転させて
職人が手作業で削る方法を試しました
使ったのは回転する砥石削る力が弱く
土鍋の歪みを目で見極めながらの作業は一苦労
結果一つの鍋を削るのに
三時間以上もの時間がかかってしまいました
この方法では量産化は望めなかったのです
そこで山添さんは一から作業を見直すことに
あのーまず取り組んだのが工具の見直し削る力が強い
ダイヤモンド製の砥石を開発
先端を鍋にはめ込む蓋の傾斜と同じ角度にしました
そして今度は鍋を動かさずに固定し
ダイヤモンドの砥石を動かすことに
鍋もわずかに楕円形をしています
そのため複雑な形の加工をする時に使う切削技術を用いたのです
目で見ても分からないぐらいの削り具合ですよね
わずか十分ほどで精密に削ることに成功
こうして量産化にこぎつけたのです
めっちゃ父親が残していった
うちの社是が空気が何でも削りますっていう言葉だったんで
新しい素材もこれからどんどん生まれてくると思うんですけども
できないっていう簡単に言葉をするんではなくて
まずできる方法を考えよう
ですのであのまもちろんできないことも
中にはあるかもしれませんけども
まずは考えるっていうところから始めるっていうことを
これからも続けていきたい

鈴鹿サーキットで有名なぼたスポツの町三重県鈴鹿市
自動車産業が盛んで部品を企業も多く集まっています
こちらはバイクのパーツを作る工場
こんにちは社長の永田賢二さん
手掛けているのはエンジンで発生したガスを排出するマフラです
藤沢さんが目に止めたのはなんか見たところ配色ですか
すごいきれいな配色もされてておしゃれですねそうなんです
こちらがやっぱりエンジンがすごい
爆発でこう温度が上がっていくので
自然とこうパイプが色が付いていく
今自然にとおっしゃいましたけどこれはわざと色を付けた
訳じゃないんです
そうなまこれチタンっていう材質を使ってるんですけども
非常に強くて軽量でで
こういった温度によっても色が出てくるっていう特性があります
マフラに使っているのは
始端という金属チタンは高温になると色が変色する特徴があります
この性質に目を付けた
ユニクなものを開発しました

すごいきれいなグラデーションですね
作ったのは多彩な色合いの始端のグラスです
虹を思わせる幻想的なグラデション始端に意図的に熱を加え
この表情を生み出しました
こんにちはよろしくお願いします
播磨守さん八年前からマフラ作りの技術を生かして
グラスを製造しています
この紫檀製のパイプマフラーにも使われる素材です
それをカットしてまずグラスの形にしていきます
見たところ普通の議員の筒なんですけど
これがクラスになるんですか
そうですねこれなんのパイプになりまして
今からプレス加工やりますので
これがあの上村の形になっていきます
機械にセットして金がたで押し広げていくんです
あ少しずつ上の部分が広がりましたね
というマニグラスの形が出来上がりました
じゃあ今から作業に入ります
ここから多彩なグラデションを作っていきます
そうびっくりし
たこの炎であの多彩な
色が出るんです

大きく炎を回すようにしてクラス全体をあぶり始めました
しばらくあと三色が変わってきましたかね
下のゴールドになっちった
確かに銀色だったグラスが金色に
グラスの色の変化は温度と関係があります
およそ三百度になると黄色に色づきます
そして温度が上昇するにつれて紫から青い寒色系へと変化
七百度になるとグリンになります
高温になって出た色は低温で出る色に井戸と戻すことはできません
いかに美しく配色するかが播磨守さんの腕の見せ所です
色のバランスも均等じゃなくて
よく見るとちょっと色の幅に差がありますよね
まあのあんまり下が濃い色を大きくすると
なんか重たく見えますので
真ん中をあえてちょっと薄い色ポイントは
およそ五百度になると出てくる寒色系をグラスの中心
に集める

チタンは温まりやすいため少しずつ均等に
はっていきます

色がバランス良く並ぶようバブル位置を調整

色が変わり始めると変化が早いチタンの特徴を計算しながら
色の些細な変化を見極めます

銀色のグラスが鮮やかに生まれ変わりました
やっぱりこうオートバイのマフラーっていうと
そのオートバイに乗って感じてもらう商品なんですけども
よりこう身近にこのチタンの良さであったり
鮮やかさを感じてもらえるような
そんな商品ができないかなって考えた時に
かっこよさと機能がバランス私がやっぱりこう今後作っていきたい
商品になります

はい本日最後のイッピンは
植物をモチーフにした趣ある小さな葉っぱに枝を思わせるような足
座面は木ですがそれ以外は全て鉄でできています
滑らかなカーブを描くツタが椅子の
印象を引き立てます

本日はこんにちは木工所の三代目豊岡昭徳さんです
こちらでは業務用の棚や鉄柵など
機能性を重視した製品を作っています
はいそうでしょう
別の新たな可能性を追求したいと
五年前から別の家具作りを始めた豊岡さん
作業部屋に案内してもらいました
すごい滑らかな曲線を描いてますけど
鉄をなるべく硬いものに見せないように
なんか聞いと組み合わせるので
同じような感じに見えるようにまず葉っぱを作ったんですよ
そう工場を作ったから鶴を作って
後ろ脚の部分を木のような感じを出せないかと
トヨカさんのこだわりが硬い鉄を
本物の植物のようにしなやかに見せること
鉄の緩やかなカーブで印象的な歌を表現しています
そしてあえてサビを出すことで
人を調和する質感を出したいと言います

では作業を
拝見これがさっきも言ったになる部分です

長くてまっすぐな哲学スタに大体の目安として
この津田の幾分先に記しておきます
理想の螺旋状の株は経験から導き出します
はいなかなか上手には来ないですけどね
目指すところというか

いよいよ溶接します

まずは下の部分から火を入れてあげていきます
角ができてしまうと本物のツタのような美しいか分にはなりません
そのため様子を見ながら徐々に曲げていきます

そしてこの作業にはトヨカさんのある工夫がま見ながら回していく
あそのためにここにとってみたいになってるんですか
なるほどえなんで負けて行くんですか
するんとした表面が嫌だからなんですけどね
ちょっとねじりながらの方が鏡面が少し不具合が出ると
鉄をねじって負けていくと躍動感が出るんだそうです
ねじりながら巻き付けるって難しくないですか
何回やってもうまくいく時行かない時がありました
後から修正を重ねると全体のバランスが崩れてしまいます
そのため失敗したら最初からやり直しなんです

しなやかに立ち上る見事な曲線が生まれました
ツタができたら葉っぱをアクセントにはい

仕上げに特性の液剤を塗っ
てサビを出します

時間が経つほど錆が進んでしまうため見極めが肝心
目指すは黒が少し残る茶色いサビ
その錆びる家庭に鉄の息遣いを感じるんだとか
思い通りのサビを作るのは難しいわけですよねならないならない
どうしてるんですか
このサビはこの本正確なんだと錆びるならそう使ってあげよ
へ鉄との共同作業別のことが好きなんで最後は言うことを聞きます
同じように見える
雪もサビの出方はひとつひとつ微妙に違うんだそう
最後の最後は鉄の思いに任せて一万程待ったら完成です
やっぱりその鉄っていうのが錆びていくっていう
行くものみたいに思えるんで一番鉄が愛着湧くというか
あまりサビとか来ないね
ステンレスとかっていうのは何か機械的に作られたような材料から
そんな感じがするんでやっぱり熱が好きですね

培った技術とアイデアを武器に逆境に挑み続ける三重の町工場
そこでは魅力的な製品が生み出されていました

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aerith
ガジェット愛好家です。世の中にあふれるモノゴトはすべてヒトが作り出したもの。新しいモノの背景にある人の営みを探るのが大好きです。発見した情報はまとめて発信しています。