全国のおいしいパンを求めて旅をする番組。
今回の舞台は、千葉県の房総半島。 ゆったり時間が流れるこの地で発見したのは、
もっちもちとした食感で心癒やされるパンの数々。
創業90年の老舗で愛され続けるピーナッツパンや日本酒の町で生まれたプニュプニュ食感のパン。
さらに里山で出会ったのは、石窯マニアが丹念に焼き上げた究極のフランスパン。
女優・木南晴夏がお笑い芸人・横澤夏子と、房総半島を縦断。
地元で親しまれる“心優しいパン”のこだわりを探る!
【出演】木南晴夏,横澤夏子,【語り】西脇保
パン旅。「ふわふわ ハッピー!房総はやさしいパンの宝庫」
放送:2017年10月18日
館山中村屋
〒294-0045 千葉県館山市北条1882
電話:0470-23-2133
館山中村屋は昭和2年創業のパン屋さんです。
創業当時から変わらない製法で作られた50種類の菓子パンや惣菜パンが店に並びます。
一日に売れるパンはなんと3,000個以上。
人気は特産の落花生を使ったピーナツクリームのパンです。
ピーナツクリームの中に埋め込まれたレーズンがアクセント。
甘さもあって、ピーナツの香ばしさもあって、モッチモチ。
モッチモチの秘密はこの店ならではの作り方。
パン生地だけを専門に作る製造部がこの店にはあるのです。
生地は20時間ほど冷蔵庫で寝かせます。
低温の4℃で公募をゆっくり発酵させると生地はモチモチの食感になります。
一方、パン生地にぴったりあう具材を作るのが調理部の仕事。
生地と具材それぞれのプロが作り上げる最高の組み合わせが館山名物のパンを生み出しました。
下にしたコールスローサラダがさっぱりした味わいのコロッケパン。
ソースの味わいがふんわりパンのやさしさを引き立たせます。
二軒目は館山に新風を巻き起こしているパン屋さんです。
ブーランジェリー スルジェ
千葉県館山市北条2416−22
電話: 0470-23-1077
見ているだけで心がおどる色とりどりのデニッシュ。トッピングは新鮮なイチジクです。
生地はイチジクとの相性を考え、カスタードクリームです。
甘く煮た栗をまるごと包んだ秋の味覚。いがぐりのデニッシュ。
ひょうめんのイガイガがはそうめんで再現しています。
店主がお薦めの「きのことレンコンのチキングリルサンドイッチ」。
パプリカ、レンコン、しめじ、鶏肉がたっぷりはいっています。
同じ生地を使った「鶏つくねのサンドイッチ」
甘辛いタレで和えたつくねとマヨネーズが効いたごぼうサラダが食欲をそそります。
見た目はフランスパンですが、モチモチ感たっぷりで具材の味を引き立てます。
店主の加瀬陽一さんは1978年神奈川県生まれ。
東京・下北沢「アンゼリカ」、東京・西荻窪「ムッシュソレイユ」を経て
2015年館山に移住してこの店をオープンしました。
焼き立てパン・手作り菓子の店「ブーランジェリー スルジェ」
もともとはフランスパンの生地を、焼きを抑えることでもっちり感を出しているのだとか。
固いと(それはそれでオイシイのですが)どうしても食べづらくなるので、
今回作っているのは食べやすいものなのです。
加瀬さんは開店当時、本場のフランスパンが持つ固い食感の製品を作っていました。
ところが館山では人気が出ませんでした。
地元のお客さんから「もうちょっと柔らかいのがあってもいいね」という声を聞き、
方針転換をはかったのだといいます。
次に向かったのは房総半島の内側。東京湾に面した千葉県君津市です。
三軒目はお酒に関するパンです。
君津は名水に恵まれ、江戸時代から酒造りがさかんに行われてきた酒処です。
プレッツェル
〒299-1162 千葉県君津市南子安1丁目7−22
電話:0439-55-6908
店内はごく普通のパン屋さんです。薄焼きピザに手作りパン。
お酒に関係したパンはどこにあるのでしょうか。
このお店の看板メニューは食パン。実はパンの素材に酒粕が使われているのです。
カリカリの耳と正反対に、中はとろけるマシュマロ食感です。
店主の山田智さんは、生地本来の味わいを大切にパン作りを大切にしています。
5年前地元の酒蔵から酒粕をもらい、保湿性が高いことに気がついた山田さん。
酒粕を入れた生地でパンを作ると驚きのパンが生まれました。
「柔らかくするためには油だとか砂糖だとか多く入れると柔らかくなるんですが、
発酵したパンという旨味がどちらかというとあまり全面に出なくて、
酒粕を使うことでパン生地の美味しさを前面に出せるのです」
四軒目のパン屋さんはリピーター続出の石窯で焼いたパンの店です。
石窯工房パン・ド・ナル
〒299-4413 千葉県長生郡睦沢町上之郷1400−3
電話: 0475-40-3078
【パン・ド・ナル】石窯で焼き上げた天然酵母パンの通販|店舗紹介
人気のパンは予約で一杯のバゲット。
食べると徐々に曲がっていくほどの柔らかさです。
トマトやナスなど季節の野菜を載せたピザパン。チーズがカリッとしています。
人気のパンを生み出しているのが店の中にある大きな釜。
もともとガレージだった場所を改造して作った石窯は
パンを焼く鉄板が7枚も入るほどの大きさです。
レンガを1700枚積み重ね、店主の坂本さんが三ヶ月かけて作りました。
8年前この店を作って以来フル稼働しています。
朝五時、石窯に薪をくべ600℃になるまで温めます。
釜全体の温度が上がったところで薪の代わりにパンを入れ、遠赤外線を使って焼き上げます。
パンの表面と内側に同時に火が入り水分が蒸発する前に焼きあがるのです。
この石窯は特別な作り。一度火を入れると200℃以上の温度をずっと保てます。
いつでも焼きたてを提供したいという店主の思いが込められています。
人気ナンバーワンは小麦をひいた生地にドライフルーツを練り込んだ一品です。
もともと備長炭を作るのが好きだった坂本さんは27年前この地に移り住みパン屋で働きながら
炭焼き窯を自宅の庭に作りました。その時の知識を生かしパン屋さんをはじめました。
炭焼き窯の特性を生かし、200℃の熱を一日中保てる石窯を作り上げたのです。