イッピン 「暮らしに寄り添うモダンな器~鳥取・焼き物~」

イッピン

焼き物の生産が盛んな鳥取県。民芸運動の拠点のひとつで、現代の生活に合うモダンな器作りの伝統が作られた。現代の職人たちも、丈夫で、使いやすく、彩り鮮やかな器作りに取り組んでいる。軽いが丈夫なティーポット、明るい緑色が印象的な3色染め分け皿、そして独自の技法で星座の模様がちりばめられたカップ。それぞれの窯元を訪ね、手間ひまかけた丁寧な手仕事を紹介する。リポーターはモデルの生方ななえさん。

【リポーター】生方ななえ,【語り】平野義和

放送:2019年6月2日

イッピン 「暮らしに寄り添うモダンな器~鳥取・焼き物~」

皆さん鳥取県と言えばなんといっても鳥取砂丘ですよね
でもそれだけじゃありません
詳しいですわ実は鳥取県焼き物の生産も盛んなんです
意外と見た目ほど重くない
そうそうかっこいいけどかわいらしいですね
使い込んで来るとちょっと光沢が出てきますが育ってくるんです
残り窯でしっかり焼き締めているので
結構洗い物しててがちゃがちゃしてても割れにくいし
実際に使ってみるとスペイン
あの取っ手の部分がとっても握りやすくて
こう持ち上げたときに安定感があって
蓋の部分を押さえやすくとても使い易かったです
こちらは三食に染め分けたさら特に明るい緑色が印象的です
料理を載せるとおしゃれ
そんなわけの大胆な色彩と温かみが素敵だなと思い
使わせていただいております
そして星座をイメージしたという独特の文様のカップ
実は失敗作からヒントを得たものです
日々の暮らしを楽しくしてくれるモダンな器
鳥取の焼き物の魅力に迫ります
鳥取県にはおよそ三十の窯元が点在しています
一品りさちゃんの生方さん
部屋の中ですね
くらいでしょ
まず訪ねたのは一見重そうなロボットを作る窯元です
素敵ですねこんにちは
初めまして岡本健一さん
鎌を開いて四十年程こだわっているのが使いやすさです
毎日使いたくなるようなそんなポットだなと思ったんです
絶対につまみがないんですけどそれは何でなんですか
どうしても使ってるとこう引っかかったりねしますんでね
そういうことがなるべくないようにとでは
作り方を見せていただきましょうっていうところですね
蹴り轆轤

もっとさんが使っているのは足でろくろを回す蹴り轆轤
私はこのスタイルが好きでなんか静かですし
機械では何か機械だと使われているようで
もうできたあっという間ですね
今から何かまた起きるのかと思ったんですけど
作業を始めてわずか三分でした
続いて
注ぎぐち

そして
形が分かりました
蓋ですねそうですねデリ轆轤を自在に操る川本さん
習得するには十年以上かかると言います
各パーツが揃ったところで
今度は少しでも軽くするため余分な部分をそぎ落としていきます
面取りと呼ばれる技法です
思いっきりいきますね
歩く
するとともに見た目にも美しいラインを刻んでいきます

すっごく軽くなった大丈夫うん
これは使う人にとって嬉しいですよね
軽くなるっていうのをこの面取り一見簡単そうに見えますが
実は微妙な感覚が求められます
た本さんまずポットの膨らみに合わせ
羽の向きを少しずつ変えていきます
さらにはを下ろすとき右側に少し滑らすようにしています
真下に下ろすと抵抗が大きく綺麗に削れないからです
ここで生方さんも挑戦生きてくさっと嬉しい
結構思いっきり結構硬いんだうわあでもだめだ
これこのままいくと貫通します
絶対にもう感じてるよ本当固い結構硬いです硬いし
そしてあのー抜けてるのはすごいですね
これなんか面取りじゃなくてどうしてるのはあのー訳ですよね
斬新な斬新斬新な面取り続いてポットを組み立てていきます
茶漉もろくろで作ったもの

そしてとってこのちょうどこの丸さがあるでしょ
持ったときにフィットするんですよね
握りやすくするため指で微妙な凹凸をつけていきます
最後
は実際に握って
その使いやすさと実際のデザインが美しいっていうのは
もしかしたら一致するのかもしれないですね
最終的には一致するんですよ
川本
さんが使う窯は傾斜を利用した登り窯
中は
いくつもの小部屋に分かれています
単一の大きな釜の場合
熱が全体に均等に行き渡らず内部の温度にむらが出てしまいます
これに対し登り窯は熱がそれぞれの小部屋で循環していくので
内部の温度が一定に
つまり全ての器を同じように焼くことができるんです
しかし窯の温度管理はそう簡単ではありません
目標とする温度
は千二百五十度

を少しずつ投入し
じわじわと温度を上げていきます
急激に温度を上げると器にひびが入るおそれがあるからです
薪を入れるたびに温度に変化が生じるため
一瞬も気を抜くことができません

二十八時間つきっきりの作業です
今度はこうして焼き上がったポットですけどね
はいだいぶ縮みましたね
焼く前に比べると二割ほど収縮その分密度が高くなり
上部に川本さんにはある思いがあります
一旦焼き物にした土は元に戻せない
やっぱりこう我々何も無いつち父を開け閉めてしまうから
どうしてもそこをなんとか子行かしてやりたい
最後までこう姿にしてやりたいですよね
父に感謝しながら
使いやすさを追及する職人の心意気が生んだ逸品です
ドット
利権は土屋氏の種類が豊富だったことから
江戸時代に焼き物が盛んになりました
そこに新風を吹き込んだのが
昭和の時代に民芸運動を牽引した吉田璋也です
吉田は伝統的な焼き物にモダンな雰囲気を取り入れようとしました
どの
代表作が二色に染め分けたこちらのサラ
右側の部分
従来は黄土色でした
そこに縁を取り入れることで新しさを生み出したのです
どんな吉田のチャレンジ精神を引き継いでいる人がいます
失礼しますこんにちはこんにちはお邪魔します
この窯元の三代目坂本英さんですよろしくお願いします
かつて吉田が生み出した縁をさらに進化させ
モダンな明るい緑を生み出しました
早速皿作りの現場を見せてもらうことに
終わんかと思ったらみるみるうちに更にその後
ここで取り出したのがこれはね
あのー製図用の製図に使う定規戸田戸田というこれで
ろくろの目跡を取っていくんですよね
普通手作りで作ったサラは表面の凹凸を大切にします
ところが坂本さんはわざわざなめらかに
このお皿の主役はいろその色を強調するため
あえて他の要素は切り捨てているんです
なるたけその手を通している
仕事でもて跡を残さないっていうのが僕のやり方というのか
すっきりモダンに見える
ろくろの仕方ろくろでありたいと思っているので
次に下地として白い泥を塗ります
この
白い下地によって最終的に塗った色がより
明るく見えるんです
そして三色の釉薬
これがそのうちの黒と白とみたいな釉薬になります
黒白そして緑中でも
緑には伝統を受け継ぎながら
新しいものを生み出そうとするこだわりがあります
通常緑の釉薬には朝夕木馬参加道が使われます
明るい緑を目指す坂本さんはここにある素材を加えました
藁灰白く発色する性質があります
これを活かせば緑色より明るくできるのではと考えたのです
明るい
緑の鍵を握る藁灰でもこれを
作り出すのは大変なんです
まずはわらを燃やした灰を水につけます
するとわらワイに含まれていた不純物が
水面に浮かび上がってきます
一旦水を捨て再び水をこれを何度も繰り返します
作業そのものは単純ですが実に時間がかかるんです
藁灰と目倍を比べてみます
目倍はどんどん沈殿していきますが藁灰には全く変化がありません
坂本さんが作る藁灰は一回沈殿するのに三か月
それを何度も繰り返すため出来上がるまでに一年かかります
気が遠くなるというか
本当に我慢比べのような仕事ばっかりなんでね
いよいよ釉薬をかけていきます
どうやっているのか施策の先を尖らしておいて
まずは黒それを釉薬を救ってはタイタン
続いて白

どう勢いも必要な勢いが
なくなってしまうと
その分が味気なくなってしまうので
そして最後に藁灰の
入った緑
さらに掛ける前に釉薬を流し始めその勢い
で一気にかけていきます

この後窯で焼くことを十二時間こうなるんですね
合わせたところを重ねたところが
釉薬が重なる部分にはまた
違う味わいが

揺らぎを残すことによって
ま今風に言えば可愛らしさというか
そういうものを柔らかさというか
そういうものが出たら使っていても楽しんでないんじゃない
かなと思います
伝統を受け継ぎながら新たな境地を目指した
逸品です

生方さんちょっと変わったカップを見つけました
不思議な柄ですね
捨てる出て書いてるのポコポコしてる
このデザイン星座をイメージしたとのこと
確かにそんな雰囲気がありますよね
このカップを作っている工房を訪ねます
お邪魔しますますこんにちは初めまして部下と名前です
山本善康さんお願いします
明治時代に創業したこの窯元の四代目です
早速作り方を拝見
使うのは先祖代々大切にしてきた赤土を説いた

わずかな量でも発色が良いためスプレーで薄く吹き
つけます
一旦素焼きした後今度は白い釉薬をつけます
私これ金を使ってねかけていきますねかな竃を頭の上に乗せて
これを沈めていきます
なるほどこんな風にかまって使えるんだってあげて
赤い下地の上に白い釉薬がたっぷり乾かした後
星座のような模様を付けていきますね
月の棒で白い釉薬を削り取ります
星と星をつなぐ
線の部分は軽めに適当に書いてるように見えるんですけど
星座のねあの星を繋いでる線のイメージで作っています
楽しそう楽しくないから使わないから結構ね楽しいですけどね
虫になりますねなんかね
そして線が交差する星の部分は
赤い下地がしっかり浮かび上がるよう深く間違って
これは家に落としておかないと
やっぱね銀残ってしまいますので

完成
この模様がちょっとでこぼこをさせてね
あのーこれが野球にも影響だから
あの器のあのー沢崎ポコポコとしてですね
僕がやっぱりこのねあのこの旦那さというかま釉薬夏にはね
あのーボコボコ感というかそういうのを出してますね
実はこのカップ失敗から生まれたものなんです
ある時誤ってカップの表面を鉄の棒で引っ掻いてしまいました
試しにそれを焼いてみたところ
赤い下地が見えて面白いと感じたのです
これをどう生かすか山下さんは様々なデザインを考えました
これすごい可愛いじゃないですか
長靴長靴これ何かって言われたらあれなんですけど僕が書きました
絵心いっぱいですが版に受けするのは難しいと考えました
そこでランダムに線を引いてみましたが
まちょっとね
これだとちょっと先が強すぎてま親がうるさいというか
はいしっくりこなくしっくりこなかった
試行錯誤の末たどり着いたのが大好きな星座のデザインでした
他ではね見たことのないようなまそう色というものであったり
ま形自体はねシンプルなものを基調として益子色でね
自分の個性というか
そういうものを出していくんだなとは思っていますね
失敗の中にヒントを
見出す職人の逞しさが生んだ
逸品です
うん伝統を受け継ぎながら新たな可能性を模索する鳥取の職人たち
そのチャレンジ精神から暮らしに寄り添う
モダンな器が生まれています

商品情報

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aerith
ガジェット愛好家です。世の中にあふれるモノゴトはすべてヒトが作り出したもの。新しいモノの背景にある人の営みを探るのが大好きです。発見した情報はまとめて発信しています。