私には、こがん見えるったい!終生、熊本弁で91歳で亡くなるまで、くる日もくる日も描き続けた。団地の四畳半の一室で、でっかいキャンバスに身近な草花、家族、猫や犬、鳥。そして幼い頃のふるさとの海の風景。原色の鮮やかさと不思議な形が響き合い、リズムを奏でる。丸ごと、人生“絵日記”のようなパラダイス。相次ぐ家族との死別、それでもシスコは描き続けた!ぜひ、あなたも見てほしい!絶対おススメの圧倒的な絵です。
初回放送日: 2022年2月20日
日曜美術館 「シスコ・パラダイス〜塔本シスコの人生“絵日記”〜」
描いたのは塔元シスコさん。
シスコって父親が憧れていたサンフランシスコにちなんでいるんですって。
自由な筆使いで捉えたユニークな形。
強烈な色彩のハーモニー。
パラダイスのような世界が広がります
シスコパラダイスへようこそ。
八十八歳のシスコさん。
大画面に挑戦中です。
アトリエは団地の中の四畳半。
91歳で亡くなるまで毎日のように描いていました。
息子の賢一さんも画家。
食事中もへの相談です。
大阪枚方市の団地に暮らしていたシスコさん。
描いているのは故郷熊本の思い出です。
子供の頃トンパハゼと呼んでいたムツゴロウ。
水の中を泳いでいる姿を見て大好きになりました。
シスコさんがやっと描けた故郷の海です。
主婦だったシスコさんが絵を描き始めたのは五十代になってから。
息子の健一さんがびっくりする出来事があったんですって。
秋の庭を描いてから三年。
シスコさんはある風景に圧倒されます。
娘の和子さんの出産の手伝いに鹿児島に行った時、桜島の噴火を目撃したのです。
出産の知らせを聞いて病院に向かう途中で起きた大噴火。
ぼうぜんと立ち尽くし、見とれていたといいます。
噴火口から飛び出す丸や三角や星型の不思議な形。
毛むくじゃらの山肌。
ユニークな桜島となりました。
空中を浮遊するような金魚の群れ。
水槽の中にはトンボの姿も描き込まれています。
空を飛んでいるはずのトンボや水草の中を泳いでいるはずの金魚。
水中と空が溶け合う生き物たちのパラダイスです。
既成概念にとらわれないシスコさんならではの世界が広がります。
きれいな水辺での幼い日の思い出。
七夕の朝髪を洗う少女たち。
こうするときれいな髪になるという言い伝えがありました。
右側がシスコさん。
そして左側が孫のみやさんだといいます。
一緒に子供時代を過ごしたかったのでしょうか。
シスコさんは時間にも縛られない自由な発想で描きます。
シスコさんを取材した映像が残っていました。
団地の前にはシスコさんが植えた草花が生い茂っています。
大切に育てた草花の一番美しい時を描きたいと思っているシスコさん。
調子が良いと思わず出てくるのがふるさとの歌。