(記者有論)著作権切れた所蔵品
公立美術館は画像公開して 木村尚貴

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2017年8月3日の朝日新聞・記者有論で、同紙の木村尚貴記者が著作権の切れた美術品画像の公開について述べていました。

きっかけは、今年2月にアメリカ・メトロポリタン美術館が収蔵している美術品のデジタル画像37万5千点をネット上に無料公開したことです。

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米・メトロポリタン美術館、画像37万5,000点を、CC0ライセンスで公開 | カレントアウェアネス・ポータル

日本でも人気のあるフェルメールの「水差しを持つ若い女」やアングルの「ドブロリ公爵夫人」など、多数の作品の高精細画像を無料でダウンロードできます。これらの作品はパブリックドメイン(PD)。著作権の保護期間が切れて、複製やネット配信などが自由になった状態のものです。アメリカではじまった美術館の新しい試みに対して、日本の現状を検証したのがこの記事でした。

3月、公立美術館148館に書面アンケートを実施したところ、PD画像を囲いこむ旧態依然の状況が明らかになった。回答があった134館のほぼすべての館で、画像利用には用途を記した申請が必要で、厳格な条件を付けたり貸出料を求めたりするケースもあった。

日本の美術館では所蔵する著作権が切れた美術品を囲い込み、利用者に対して非公開を続ける実態がわかります。

非公開の理由について美術館側の回答に多いのが「どのような使い方をされるか心配」、「著作権が切れていたとしても、作家の遺族への配慮が必要」などという答えです。公立美術館の収蔵作品は税金で購入したり寄贈されたりしたものです。鑑賞をする側の立場ではなく管理する側に立った理屈と言わざるを得ません。

スマホで撮った写真をきっかけにコミュニケーションが盛り上がったり、無名の画家の再評価や関連商品の売れ行きにつながることを考えると、「PD画像が、公共財として広く開放されることを強く望む」という結論はもっともです。

美術館側は時代感覚のズレに気がついて、やる気を取り戻して欲しいと思います。

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