日曜美術館「あやし おどろし 妖怪絵巻」

今、大人気を博している妖怪。その背景には、日本人が長い歴史の中ではぐくんできた豊かな妖怪文化がある。鬼、天狗(てんぐ)、河童(かっぱ)をはじめ、動物や、生活道具まで妖怪化され、想像力を駆使して絵に描かれてきた。中でも、妖怪が主役として生き生きと登場するのが数々の「妖怪絵巻」である。
室町時代、土佐光信作とされる『百鬼夜行絵巻』は、最高峰の妖怪絵巻。7メートルを越える長さに、多種多様な妖怪たちが跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する姿が描かれている。江戸時代、爆発的な妖怪ブームと博物学ブームの中で描かれたのが、『百怪図巻』。そして江戸末期、ついに“実録”をうたう妖怪絵巻が現れた。『稲生物怪録絵巻』。番組では、これら3種の「妖怪絵巻」を紹介、絵画としての妖怪を味わうとともに、妖怪にぞっこんの識者たちと、これら妖怪がどのようにして生まれたのか、なぜこれほど人気者になったのか、を探っていく。

【出演】美術史家…安村敏信,兵庫県立歴史博物館学芸員…香川雅信,美術史家…湯本豪一,【司会】井浦新,伊東敏恵

放送 2015年8月2日

日曜美術館「あやし おどろし 妖怪絵巻」