世界はほしいモノにあふれてる「北欧ビンテージ家具 スウェーデン」
北欧・スウェーデンへ、大人気の北欧ビンテージ家具や雑貨を探す旅に出発!
世界中で知られざる家具や雑貨を発掘してきたインテリアハンターが、北欧にしかないお宝を探し当てる。
木の温もりが匂い立つ、北欧の暮らしが刻まれた一点モノから、めったにお目にかかれない超レアもののガラス雑貨まで、
ステキな北欧デザインを次々発掘!さらに北欧デザインを生んだ、北欧の人たちの豊かな暮らしものぞいてしまう、ぜいたくな旅の始まり。
放送:2018年5月10日
スウェーデン 北欧ビンテージ家具
買い付けの旅に出るのはIDEE((オリジナルデザインの家具やインテリア雑貨を取り扱うインテリアショップ、イデー(IDÉE)のブランド))インテリアバイヤーの大島忠智さん。
【テレビ放映のお知らせ】NHK総合「世界はほしいモノにあふれてる」 | NEWS | IDÉE
女性の心をつかむインテリアを世界中から探してくる。
ものへの強い愛着を武器に、日本ではまだ知られていない家具や雑貨を発掘してきた。
スウェーデン中を歩き回り、お宝好きをうならせる商品を発掘する。
「夜とか本を読みながらくつろいでいる姿を想像しちゃいますよね」
世界に一つしかない北欧の暮らしが刻まれたビンテージ家具を探す旅が始まる。
2月。最初に訪れたのはスウェーデンの南端・マルメ。首都ストックホルムとヨーテボリに次ぐ大きな都市で、かつてはデンマークに属していました。第二次世界大戦で戦火を免れたマル((メには、中世のレンガ造りの建物や石畳の広場がきれいに残り、古き良き北欧の風情を今に伝えています。中心街はとてもコンパクトなので、徒歩で散策ができる観光に適した街です。))
古い町並みが残され、静かな時間が流れている。
車で一時間ほど離れた田園地帯が最初の目的地。
大島忠智さんは北欧に来る度に訪れている店を訪れた。
店主とも顔なじみだ。
スウェーデンでは中古家具の売買がさかん。
いたるところでビンテージを扱う店がある。
人気があるのは1950年代から70年代の北欧デザイン。
無駄な装飾がなく機能的。木の質感を生かした優しい雰囲気を持っている。
「学校用の机です。筆記用具入れはこっちかな」
「極力シンプルなデザインなんだけど、ちょっと温かみがあって
モノとしての存在感はあるところが北欧にしかないんですよね」
今回の旅では夏の展示会へ向け、250点のビンテージ家具を買い付ける。
やってきたのはスウェーデン有数の大型店。
中には三千点以上の古い家具がならぶ。
ビンテージ家具は一つ一つ状態が違う。
目利きの腕が問われる。
大島さんは店の隅々まで見て回り、何か目新しいものはないか探していく。
「これ選んだやつです」
大島さんが見つけたのはスウェーデンを代表するデザイナー・イングヴエクストローム((1913−1988 1945年にスウェデーゼ社を設立し、みずからもデザイナーとして活躍しました。彼のデザインは150以上も生産されました。最も著名なラミノアームチェアは1956年より現在まで50年以上にも渡り生産され続けています。そして今も世界中で販売されています。彼はスカンジナビアンモダンデザインのゴールデンエイジを代表するデザイナーであり、作品の中にはニューヨークの現代美術館をはじめ多くの博物館で永久保存されているものもあります))のガラスキャビネット。
「北欧でガラスの付いたキャビネットって少なくて」
「かわいいというか、よく見るとベレー帽をかぶっています」
ちょっととぼけたデザインがいかにも北欧らしくてかわいい。
「どれ?ちょっと教えといて」
買い付けるには大島さんだけでなく、予算を管理するインテリアショップ家具MDの三嘴隆造さん。
二人のの意見が一致しないと購入はできない。
「これ、あれじゃない。エクストロームでしょ」
「需要がすごいある。食器棚として使えるからね」
これはと思うものを一つ見つけることができた。
今回の旅で大島さんが特に狙っているのが椅子。
「ちょっと高いけど。やったあ」
椅子は北欧のデザインを手軽に楽しむことができると人気が高い。
しかもコンパクトで日本の家にもちょうどいい。
「これすごく好きですね。何回か買い付けているんですが」
大島さんは、北欧に来るたびに買い付けるイスを見つけた。
「座り心地もすごくいいです。コンパクトなので女性とかも座りやすいサイズです」
60年代に作られたというスウェーデン製のイス。
時間とともに深みを増した木の質感と美しい曲線が、
居心地のいい空間を演出してくれる。
古都・ルンドで偶然の発見
続いてやって来たのは千年の歴史を持つルンド((「西の都」ロンドンに対して「東の都」と言われた古都である。この町は990年にバイキングの王がこの地に教会を建てたことから始まった。
1103年に造幣所が建設され、大聖堂が北欧で初めてローマ教会直属の司教座が置かれて、北欧全体の教会を総括することになった。12世紀から13世紀にかけては北欧における文化、経済などの中心として最盛期を迎えた))にやって来た。
なかなか欲しいものが見つからず町をふらふらしていた時。
目を奪われたのはおよそ900年前に建てられたルンド大聖堂。
かつては北欧中の教会を統括していたという伝統ある大聖堂。
今でも毎日礼拝が行われ、人々が祈りをしに訪れる。
「椅子が気になりますよね」
大島さんはルンドの大聖堂を訪れ、椅子をチェックした。
「この椅子も何十年もメンテナンスしながら使っているのでしょうね。
すごく作りが良いですよね」
さらに翌日、マルメ市の家具店を周っていると・・・
「教会の椅子あるじゃん」
見つけたのは大聖堂で見たのと同じ形の椅子。
「チャーチチェア?ここに聖書を置くの?」
「そうだよ。賛美歌の本をおいたりするんだよ」
「まさに、そこの大聖堂と同じものだよ」
慈善団体が売っていた大聖堂の椅子をオーナーが引き取ったという。
ペーパーコードと言われる編み込みの座面はクッション性があり
長く座っても疲れない。
沢山の人達が使うことを考えた丈夫な作りが持ち味だ。
「あっ。こういうモノがこういう場所で使われていんだという発見と
また受け継がれていくんだなっていうことを実際に経験することができて
やっぱりビンテージの買い付けって楽しいなと実感しました」
偶然の出会いでまたひとつ素敵なものを見つけることができた。
夜のお楽しみとは
大島さんは買い付けを終えるといつも夜の街を歩き周る。
その時間を楽しみにしている。
「どの家にもカーテンがついていない」
「スウェーデンの人に言わせると、なんで隠す必要性があるのっていう」
「外からいい位置で見えるように計算してあれ吊るしてますよね」
七年前はじめて買い付けでスウェーデンに来た大島さん。
その時何よりも感動したのは窓越しに見えるインテリアだった。
「本当に暮らしを楽しんでいるなっていう印象がまずありましたね
ちょっと和っぽいものを入れたり、モダンにコーディネートしたりとか
それぞれの家に個性がありますよね」
窓の内側の暮らしをちょっとのぞかせてもらった。
フレドリク・ポールセンさんの一家。
夫婦と四歳の娘の3人家族。
部屋にあるのは1つ1つに思い入れがある。
ランプは蚤の市をまわってさがしたもの。
椅子は曽祖父から受け継ぎ、手を入れながら使っている。
「ずっと使ってきたから古くなって擦り切れているんですよ」
「でも、それも個性でしょ。まるで人間みたいで面白いなと思うんです」
冬は雪で閉ざされ、部屋で暮らす時間が多い北欧の家族。
「すべての家具が家族みたいにいとおしい」
「娘が寝た後、二人で模様替えをしてこうするとステキって楽しんでいます」
家具を愛する人々の暮らしから北欧デザインは生まれていた。
時間を楽しむ北欧の暮らし
スウエーデンのコーヒーブレイクFika(フィーカ)
多いときには一日7回も楽しむ。
家のことに対しての意識がすごく高いですね。
一つ一つ重ねていくことでスウェーデンのような暮らしを楽しむことができるようになる気がします。
スウェーデン レアもの北欧雑貨を探せ
何度も通ううち、大島さんは北欧デザインのもう一つの魅力に気づいたといいます。
スウェーデン・カールスクローナ。
大島さんが訪れたいところがありました。
1950年代に脚光を浴びたガラス作家・エリック・ホグラン((エリック・ホグラン(Erik Hoglund)は、1932年生まれのガラス・アーティストです。ストックホルムのKonstfack(現国立芸術工芸デザイン大学)で彫刻を学んだ後、1953年から1973年までBODA社でデザイナーとして活躍。ハンス・ウェグナー等が受賞した北欧の権威ある「ルニング賞」を史上最年少25歳の若さで受賞するなど、目覚ましい活躍を遂げました。洗練されたデザインが好まれた当時、北欧の伝統に南米の手工芸などを取り入れつつ生まれたプリミティブな作風は、北欧のガラス工芸に新しい風を吹き込みました))の美術館です。
「彼なしではスウェーデンのデザインは語れないくらい重要な人物です」
「それまでのものとは全く違う新しいスタイルをつくりました」
繊細で美しいデザインが主流だった時代にホフランは土着的と言われるほど
無骨でカラフルな作品を発表していきました。
手のぬくもり。プリミティブ((原始的、素朴な、幼稚な、などといった意味))な造形。
それまでのガラス工芸の常識を根底から覆したのです。
「革命児的な。いろいろチャレンジした人なんだと思いますね」
革新的なホフランの作品は北欧デザインのもう一つの顔です。
大島さんはあまり知られていないこのガラス作家の魅力を日本に伝えたいと思っていた。
ホグランのレア物を探せ
スウェーデン・ストックホルム。
大島さんはエリック・ホグランのレアものを探します。
この街はいたるところに品揃えの良いアンティークショップがあるといいます。
しかしなかなか見つかりません。
人脈を頼りに情報を集めます。
個人コレクターのマグヌスさんの家を訪れました、
ビンテージ雑貨を集めて20年。
コレクションの一部は価値が分かる人にだけ売っている。
「燭台です。すごくいいです」
氷のように分厚いガラス。温かみのあるレリーフ。
ホグランらしい独特のデザインが魅力です。
マグヌス・リドベーリさんは日本から来た大島さんにお目当ての家具を譲ってくれた。
「日本人の彼がホグランを評価してくれてうれしいです。日本で木にいてもらえたらいいですね」
コレクションが気になる大島さん。
「こういうの見ちゃうと自分も負けていられないって思っちゃうの」
部屋にはホグラン意外にも有名デザイナーの作品が並んでいます。
「すごいね。くっついている」
見つけたのはスウェーデンを代表する陶芸家Berndt Friberg(ベルント・フリーベリ)((1899-1981
スウェーデンを代表する陶芸家のひとり。1899年、スウェーデンの陶芸が盛んなエリア”ボガナス”で生まれ、13歳からボガナス製陶所で作陶助手として働いた後、20年に渡って下積み時代を送る。1934年からはグスタフベリ製陶所に籍を置き、巨匠ウィルヘルム・コーゲ氏に師事。1941年に独立し、グスタフベリ製陶所内に自らの工房を設立し、日本や中国、朝鮮の古陶器からインスピレーションを得てフォルムや釉薬を追求しながら生涯数万に及ぶ器を製作した。繊細な美しさと同時に強さも持ちあわせる作品の数々は、彫刻としても見ることができると評され、MoMAやメトロポリタン美術館、スウェーデン国立博物館など各国のミュージアムにも所蔵されている))の珍しい作品。
大島さんあこがれのイッピンです。
渡されたのはフリーベリの作品集。
まとめ
最後に訪れたのはマルメ。
買い付けたものを集めて広報用の写真を撮影します。
「気持ちいい」
ずっと変わらないシンプルなもの。時代を変えた独特なもの。
そのどちらにも出会えることが北欧らしさかもしれません
イベントなど
スウェーデンのガラス作家 Erik Hoglund展
会期:2018年6月29日(金)~
場所:イデーショップ 自由が丘店 3階