美の壺「日本のうまみ だし 」

家庭料理から懐石料理まで、日本の料理に欠かせない「 だし 」。かつお節や昆布から出る「うまみ」はいま世界から大注目!ジャンルを超えて進化する「だし」の世界を紹介!▽かつお専門食堂が生み出す、「舌の上でとろける」かつお節とは?▽熟成させることでうまみが増すという、昆布の秘密とは?▽京懐石の料理人が伝授する「あわせだし」のひき方▽もはや主役!ジュレ状のだし▽イタリア料理との絶品コラボ!<File483>

初回放送日: 2019年9月13日

 

美の壺「日本のうまみ だし」

 

家庭料理から懐石料理まで日本の料理に欠かせない「だし」
一口に「だし」といっても種類は様々は様々。
かつお節や昆布などから出るうまみは今や世界中から注目されています。

うまみの秘密は古くから連綿と受け継がれてきた先人たちの知恵と技術にありました。

今日は一流料理人の「だし」の曳き方から新たなだし料理の世界まで「だし」の奥深い世界へご案内します。

東京渋谷。
連日行列が絶えない話題の店があります。

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かつお食堂

豪快な鰹節。
「私に鰹節の概念が変わるわよって教えてくれたんだけど。私あんまり好きじゃないんですけどおいしい」

客の目の前でこだわりの鰹節を削るのは店主の永松真衣さん。
「時代時代で変化をして江戸時代中期にできます」

祖母が鰹節を削る姿に感動した永松さん。
全国各地の鰹節の生産地で修行を重ね、二年前にこの店をオープンしました。

店の看板メニューは削りたての鰹節を乗せたご飯が主役の定食。
味噌汁のだしはかつお節だけで挽きました。
口に含むと豊かな風味の鰹だしが広がります。

この日の副菜はだし巻き卵。
中から鰹だし。

「かつお節自身だけで色んなだしの変化が楽しめる。この一本の鰹節どう削るか。それによってお出汁の出方も違うのでそういうおいしさを持っているっていうのはそこが一番の魅力でありますね」

使うのは永松さん自ら全国から選りすぐったかつお節。
かつお節の魅力をもっと知ってほしいと、毎月産地が違う鰹節を提供します。

鰹節の状態によってかんなも使い分けます。

「かつお節も言ったら一本一本厚みが違うあのー高さが違うので相性がある。でそれによって使い分けるっていうので、いくつか出してその中で相性のいい方を選ぼうっていう形で」

閉店後は道具の手入れ。
ミリ単位での調整が欠かせません。
好きです向こう側が透き通るほどの鰹節。
均一に薄く削れた鰹節は舌の上でとろけるのだとか。
永松さんがだしに使うのは二種類の差のかつお節。
まず粗削りと呼ばれる厚く削った鰹節をお湯にくぐらせます。
厚削りからは力強い旨味が出ると言います。

「やっぱり鰹出汁が私はバンって聞いてるお味噌汁が好きなんですよね。やっぱりこの粗削りでじわじわだしを聞くことによって
大体に出してるんですけどその奥から石を出してでそれに香お香をつけたい時は薄いタイプの削った鰹節を最後にちょっとおって香りをつけるっていう
続けたほうがつけ釣りで弾いた

だしに薄く削った鰹節でさらに香りづけ。
温度には細心の注意を払います。

「なるべく静かにあの虫がなるべくなるそこに残るように」

黄金色に輝く透き通った鰹。
だし汁が完成しました。

「投稿が優しい包み込むような香りっていうのは鰹節だけだと私は思っているので、どこかこう安心感があるとかほっとできるとか
なんかおふくろの味を思い出すみたいなあ

こだわりの鰹。
だし汁をたっぷりと卵に注ぎます。
だし巻き卵です。
ふんわりとした卵から鰹出汁の香りとコクが溢れ出ます。

味噌汁は春の具材に合わせて私の弾き方を緻密に帰るのだそう
今日最初のツボは、削って引き出す。

日本の甘みかつお節の歴史は古く、9世紀半ばに編纂されたこの書物には二型魚という言葉が出ています。
二型音は生魚を細かく切りみて干した鰹節の原型と考えられています。

現在の製法が確立されたのは江戸時代。
煙で魚の水分を除去する手法が高知県で考案され全国に広まったと言われています。

鹿児島県指宿市。
国内有数の鰹節の産地です。
二十六件もの工場で鰹節を作っています。

「そうですね昭和二十二年創業の鰹節工場です。
かつお節職人の国沢隆彦さんです。
息子らとともに年間を通し鰹節を作っています。
捌いているのは近海で採れた一本釣りのカツオ。
形が崩れないよう、傷がつかないよう、丁寧に切り身にしていきます。

およそ二時間煮た後、うま味をひきだす大事な工程があります。
江戸時代から伝わる陪関と呼ばれる作業。
外観とは巻の煙で栗勝を燻して乾燥させること。
温度はおよそ八十度。
二週間かけてゆっくりと乾燥させていきます。

干して乾燥してる訳ですよね。
要するにあの乾燥だけだったら
ガス乾燥でも何でもできる
この巻の煙が本来の一日のあのまずいを作っちゃうんですよね

乾燥させることでカツオの旨味成分イノシン酸を閉じ込めます

なんかうんこうして出来上がったものがあらぶし
力強い香りが特徴です。
この荒節にカビをつけ、天日干しを四回程繰り返したものが本科れ武士と呼ばれるかつおぶしです。
およそ半年かけて出来上がったかつおぶしです
生き物と一緒だから
どっかで手を抜いたら
もう最後ものができないから
もうきれいにできた
監督っていうのはほとんどやっぱりいい
いいもんが出ていい花が出ると思う
先人たちによって生み出され
代々受け継がれてきたかつお節
時代が変わっても
日本の食卓の原点であり続けています
よいしょよしそれどうしたんですか
いやあのね朝早かったんだけどね
近くの金物屋さんに
無理ってこれ買ってきたんですよね
えーすごい気合いでもだしの引き方
ご存知なんですか
店の主人がね
これもできたんですよ本格だし
生活えっと昆布を水に浸け
火にかけて今後
取り出したら今度は削った鰹節を入れる
いやこれどうやって健次郎はい
北海道北部の利尻島利尻島周辺で取れる昆布は
肉質が固く出しに
最適だと言われています
利尻で水揚げされた昆布が運ばれるのが
福井県敦賀市です
えーと創業明治
年の昆布専門店

店の奥にあるのは

これはあの後くらい学校行っていいましてね
こうやってむしろで
囲って寝かしてるとこなんですけども
中はこういう形になりますね
こうやってあの昆布をですねえー
一年二年と寝かして
昆布のあの臭みを抜いて甘みを増すっていうね
こういう立派なことです
江戸時代北海道から北前船が立ち寄ったのが
ここ敦賀でした
今も多くの利尻昆布が駿河に運ばれ
ここから全国に出荷されます
あ昆布は藁で編んだむしろで追われ
じっくりと熟成
うん室温二十五度湿度五十パセントで
およそ一年から二年寝かせます
寝かせることで
グルタミン酸などのうまみ成分がます
と言われます
力強さっていうかあのー
まだまだこう大きくなりそうな雰囲気
と言いますかねそういうのを持ってますよね
あの石の表面見てもね
本当にあのー日本料理しかこういう技術がないんで
ねまよくこういうことを
先人の我が国の先人の料理にはされたな
というふうに思いますねうん今日
二つ目のツボは
今に息づく変人の知恵うん
京都市下京区にある教会籍の料理店
うん店の自慢は塩や醤油を一切使わず
私だけで大根を三日間煮込んだ人品です
中の仲間で
しっかりと出汁が染み込んでいます
店主の和マサキさんです
はい泉さんは福井県から
定期的に利尻昆布を仕入れています
志があることによって
活動が引き立つっていうのがあるので
あのなくては当然ならないものですし、そのバランスをあのー
良いところまで引き出すっていうのがこぶの魅力ですし
それ以上行きすぎても逆にここが毎日過ぎても駄目というのがあるので
もうすごいあの上品で繊細なものだとは思いますけれども

協会の基本は昆布だしをベースにした合わせだし。
味の要となる昆布だしをひく時は細心の注意を払うと泉さんは言います。
利尻の中でも山地の違う昆布を一種類常備するというこだわりよう。
使う前にひとつひとつ状態を確認し
どの昆布のどの部分を使うのか
を吟味します
はい当然個体差があるので
ま上と下でも出すっていう形違いますし
どの部分ぐらいがちょうどいいかっていうのを
今日はあーあのあこれいいなと思って
この辺使って
例えばこっちのほうが体が悪そうだったら
もうこっから下は
まだ使わずに置いておきたいとか
使う部分が決まったら
いよいよ山車を引いていきます
うんうんうんうん
まず水の中で八時間
昆布の内部からゆっくり旨味を引き出します
なるほどうん

次に昆布を火にかけ
その日の昆布の状態によって
取り出すタイミングを見計らいます
うんそれで一回沸騰させてきます
取り出した後に沸騰させ
アクを取り除きます
あんまりこう煮詰めたくはないので
この事件で一回泉さん
ここで少量のだしをボールに入れて
氷水で冷やします。
かつお節のために温度を下げるのですが自然に覚めるのを待つ香りが変わるため
こうして一気に冷ますのだとか。
味と香りが最大限に引き出された昆布だしです。
鹿児島枕崎産の本枯れ節を加えます。
昆布の優しい口当たりと鰹の香りが上品に乗っただしができました。
味付けの塩や醤油は
ほんのわずか本当に
僕はあの万能調味料だと思ってます
だからこのを出しさえおいしいものがひければ
調味料はほんとに
少量で北海道で生まれて福井で熟成され
京都で出しとなった昆布
様々な料理を支え続けています
いや蔵の中探したらありましたよええ
私ねバタは作ったことあるんですけどね
鰹節削るのは初めてなんですよ
じゃあ削ってみますよ
削れてる音
しかし魚をカチンコチンにして結論って
誰が考えて面白い面白い

東京調布市。
新しい日本料理として話題の店があります。
店の主人石岡諒さんです。
西岡さんはだしの新たな楽しみ方を提案しています。
昆布と鰹の合わせだしに下ゆでした老眼を合わせます。
セラチンを入れ火保とはいトウモロコシのペーストとジュレ状の出汁が口の中で滑らかに溶け合い
優しい余韻がいつまでも続きます。
西岡さんが目指すのは料理の引き立て役だった私を前面に出すこと
奥ゆかしい感じの日本料理の文化ってあるじゃないですか
それだしをそこにその位置にさせるんじゃなくて
ちょっとこう表面に出して雑誌自体を楽しんでいただくみたいな
アワビの天ぷらには昆布出汁とアワビのだしを合わせた
ジュレアワビと一緒に食べても、そのまま食べても、昆布の出汁の柔らかさにあわびの風味が乗った贅沢なひと皿です。
西岡さんの手にかかると
雑誌の色も変幻自在。
私に近似層から出る紫色が混ざり合い
目にも舌にも美味しいお浸しに。
今日
最後のツボは新たな世界を切り開く

日本のだしは今や和食にとどまりませんはい
平匡カズさんは本場イタリアの一流店で修行を積み、七年前にこのイタリアンレストランをオープンさせました。
その後和食の料理人と知り合ったことがきっかけで
日本のだしを料理に取り入れるように
イタリアの他の国の雑誌とか本とかと違う
やっぱ優しさがあるのでそこを別にしたら日本のことでしかできないようなイタリアンができるのかなっていう格好です。
日本のだしとアサリの出汁を一対一で合わせます。
メニューの名前はぼんこれ。
メニューにボンゴレっていうメニュー表記をして
でも見たら和食屋さんみたいなお皿が出てくる
でも食べたらちゃんとイタリアンのボンゴレに落とし込む
みたいなそういうまそういう意味の驚きもあるシンプルなお皿になってます。
オリーブオイルとパセリのオイルを垂らしてスプの完成です。
パスタのボンゴレのような風味とともに昆布とかカツオの優しい味わい
はいありがとうござい和食の人がやらないようなアプローチをすることによって
知ってるからこその新しい驚きま感動を与えられたらいいなと思って使ってます。
長い歳月受け継がれ発展してきた日本のだし。
伝統にとどまらず新たな魅力を発信し続けています。