世界はほしいモノにあふれてる「パリで幻のビーズを探す旅」

世界はほしいモノにあふれてる「パリで幻のビーズを探す旅」

ファッションの街・パリで幻のビンテージビーズに出会う旅!

ポップで可愛いビーズアクセサリーで女性に大人気の刺繍作家・小林モー子さんに密着。

口コミ情報を元にパリの街を縦横無尽に探し回る。

珍しい吹きガラスや30年代のビンテージ、お宝ビーズを求め、時には薄暗い地下倉庫へ。

さらにビーズといえばオートクチュールドレス。

最先端のコレクションを生み出す老舗アトリエに潜入。 三浦春馬&JUJUもその美しさにうっとり。

【出演】三浦春馬,JUJU,【語り】神尾晋一郎

世界は欲しいモノであふれてる「パリで幻のビーズを探す旅」

旅する人:小林モー子((神奈川県茅ヶ崎市出身。文化服装学園でアパレル技術を学んだあと、2004年に渡仏し、オートクチュール刺繍を学ぶ。2010年に日本へ帰国し「maison des perles メゾン・デ・ペルル を設立刺繍アクセサリーの制作を本格的に開始しました。))

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maison des perles|メゾン・デ・ ペルル

放送:2018年9月20日

旅の始まり

今回はファッションの街パリへ。この町で探すのはとても小さなもの。

カラフルで小さな宝物ビーズ。

旅をするのはこの人。刺繍作家、小林モー子さん。

パリでオートクチュール刺繍を学び、8年前から日本で活躍している。

彼女が作るのはポップで可愛いアクセサリー。

おしゃれなちょい足しアイテムとして女性の心を鷲掴みにしてきた。

有名ブランドからもひっぱりだこ。

実はパリでなければ手に入らない幻のビーズがある。

素敵に年を重ねたヴィンテージ。

「ビーズは女性らしくて魅力的なの。触ると気持ちがいいわ。この町には世界中のビーズが集まってくるの」

幻のベースは簡単には見つからない。時には薄暗い地下室へ。

まだ見ぬお宝ビーズを探す旅の始まり。

ビンテージビーズの魅力

パリ。ファッションのトレンドはいつもこの街から生まれる。

モー子さんは20代の頃、刺繍職人を目指しパリで修行をしていた。

作家として独立した今も年に数回訪れる。

そんなモー子さんが原点に戻れる場所がある。

オートクチュールドレスの専門店。

各時代を象徴するヴィンテージドレスが並ぶ。

バラに落ちたしずくをビーズで表現している。

ピンクのオーガンジーで作ったドレス。

リボン製のバラの周りをビーズが埋め尽くす。

オートクチュールのドレスにビーズは欠かせない。

「ビーズ刺繍は特別な機会のためのものです。だからどんなデザイナーも必ずビーズを使います。

ビーズと刺繍職人なくしてオートクチュールは語れません。

このドレスを見てください。

70年代の物で全てがビーズで覆われています。全部。全部ですよ」

「量がすごい。持てない」
「パールとシルバーのビーズを混ぜて刺繍をしている。時間がものすごいかかる」

すべてを作るのに数ヶ月。博物館級の逸品だ。

「本当に限られた数だけしか手に取れない感じですよね。オートクチュールって。

刺繍がぴっちりされてるようなものだと、2000~3000万するんですね。なんかもうちょっとみんな勝手に手に取れるとか、ちょっと今安いものみたいなものを作りたいなんていうのがあってアクセサリーをやってます」

オートクチュールの技術を使って誰もが楽しめるものを作りたい。

本場パリの刺繍工房で学んだ技で新しい道を切り開いた。

模索の結果出来上がったのがポップで可愛いアクセサリー。

オートクチュールで多用されるヴィンテージのガラスビーズだけで作る。

どこから愛らしい。ゆるカワなモチーフ。それでいてしっとり落ち着いた高級感を醸し出している。
「今のビーズでアクセサリー作るともっとこうポップ差がすごいポップになっちゃう。

昔作られた物って高い不純物が多かったり気泡が入ってるので、モアっとした色。そういう昔のビーズを使って作りたいなっていう感じです」

ビーズ作家・モー子さんの作品

本日はモー子さんの作品をスタジオに持ってきていただきました。
ビンテージビーズの色合いなんですね。
・タコ

・日の丸弁当
「動きの瞬間を捉えるのを意識しています」
・UFO

幻のビーズを探す旅

パリで幻のビンテージビーズを探す旅。

刺繍作家の小林モー子さんがこの日やってきたのは長年通う蚤の市。

ビンテージビーズを探すには口コミの情報が欠かせないという。

「レコード屋さんのおじさんがビーズ持っていて、絶対わかんないじゃないですか。そんなこと。家に60キロ位あるよと言われて買いました」

今回の旅で絶対に手に入れたいものがある。

「30年代の小さいビーズ。もう出てくることはないんですけど出てきたらいいなと」

100キロ買い付ける中で30g位しか見つからない幻のビーズ。

蚤の市で得た情報を元にやってきたのは古着の店。

店の一番奥に・・・。

1930年代の小粒のビーズが雑然と置かれていた。

「すごいよこんな子なかなかお目にかかれない」深い青なかなかお目にかかれないレアもの。しかし

「70ユーロだよ。9千円。やめときますか」

「このサイズのカラーってなかなか出てこないんです」 数に限りのあるビンテージビーズ。

出会った時に買わなければもう二度とお目にかかれない。

「ビーズってピクセルなので、ちっちゃければちっちゃいほど細かく表情出したりとか、繊細にできるので」

パリにはまだまだ貴重なビーズが眠っている。

向かったのは誰にも知られたくない秘密の場所。

長年通いやっと中に入ることを許された。

100年前の建物。その地下にお宝が眠っているという。

「灯りをつけましょう」

「もともとはカーブ・食品貯蔵庫。ワインとか置くために作られた物置」

決して表のマーケットには出ないレア物ばかり。

こちらは今ではほとんど作られていない吹きガラスのビーズ。

ベネチアやチェコで作られていた。

「フリンジとかに使うと音が綺麗」

溶けたガラスを型にはめ込み、空気で膨らませる吹きガラス。

色合いや形がちょっとふぞろいで味がある。

表面に塗装を施し存在感を出したものも。職人技が生み出す独特の質感。 さらに

「ちょっと時間が立って透明感がいい感じになっている」

この日は半日地下室にこもる。思いがけない出会いが。

「これすごい綺麗。30年代に作られたと思われるビーズで、きらきらするのはカットが入っているんです。ガラスに。そうすると価値が高いです」

モー子さんも殆ど見たことがないというお宝のビンテージビーズ。

小さな粒に細かく入ったカットが光を反射。

ビンテージ独特の色合いと高級感が素敵だ。

貴重なアーカイブ

次に向かったのは20代の頃から通い続ける店。

貴重なビーズが手に入ると連絡をくれ。モー子さんも作品ができると店に来る。

そんな馴染みの店主フローラさんが迎えてくれた。

「本当にこれで最後のビーズなの。ビーズを売る工房も減ってきてるから、今あるストックがなくなればもう終わり」

「アメみたい。これとこれかわいい」

「これすごい。一キロくらいほしい。こういうピンクってあまりない」

残り少なくなったという貴重なビーズの中からほんとうに欲しいものを探す。思わずたくさん買ってしまった。

「このビーズたちが素晴らしいものに生まれ変わると思うととても嬉しいわ。

「日本に行ってらっしゃい。モー子はうちのビーズが好きで、私はモー子の世界観が好き。だからパーフェクトでしょ」

せっかくですのでここで
モー子 さんのオートクチュールの刺繍技術を見せてもらいましょう。

はいちょっとこれかぎ針に乗ってるんですけど

一粒を下からずっとあげたら引っ掛けて180度かぎ針を回して引き出す。

この日は修行時代の仲間と食事会。パリで今流行しているといわれる「クスクス」を囲む。

坂本さんはパリを拠点としている版画家。事前にお気に入りの作品を注文していた仲間との再会でエネルギーを充電。

次に向かったのは14年ぶりに訪れる修行時代の工房メゾン・ルサージュ。

160年の歴史を持つ老舗。今もパリコレの最前線を支えている。

オートクチュールドレスの刺繍では唯一無二の存在。

この工房からトップブランドの最新コレクションが生まれている。

「私、彼女に教えてもらいました」

パリで修行を始めた頃の先生が偶然にも目の前に。世界トップレベルの腕を持つ職人だ。「その髪飾りはあなたが作ったの。私が教えたテクニックを継承してくれていて本当に嬉しいわ」

特別の部屋に案内された。一面の引き出しはファッションの歴史を物語る貴重なアーカイブ。

「7万5000の刺繍見本があります。世界で一番の刺繍アートのコレクションになります。ひとつとして同じものはありません」

一流の職人たちが粋を尽くした世界にたった一つの刺繍。

「デザインが面白いよね色とか。ぬき感とかがやっぱり上手だと思います。刺繍はついつい埋めがちじゃないですか。こんなところをスッて抜くことで凹凸感がよく出る。同じ技術を使っても違う表現の仕方がある勉強になる」

ビーズ刺繍が本格的に始まったのは19世紀。伝統の技を受け継ぐとともに常に新しい技法に挑戦してきた。

実際のコレクションで使われた刺繍のサンプルは思いもつかなかった斬新なアイデアの宝庫。「チューブビーズってこうして使うんだ」「刺繍した上にさらにビーズを載せるって思いついたことがなかった。すごい。それで活かされてる」

職人世界の奥深さと凄みに圧倒される。

「デザイナーさんって常に新しいものを作り出そうとするので新しい素材も出てくるし、素材を変えることによって工夫がある」

モー子さんはオートクチュールの作品にも関わってます。お二人に来てたので作りましたど本の展示指で触って欲しくてんじゅビーズで行ったらどうかなとか。

色々やってみたいことはあります少し面白いのチケット売り場とかのね

旅の途中に立ち寄ったのは170年の歴史を持つ真鍮鋳物の店。

「モチーフになっているもの、例えば動物とかそういうものを刺繍に混ぜる」

「ギロチン。排水口」

ものとの出会いが新しいアイデアを生む。次はどんなものに出会えるのだろうか。

書籍

maison des perles|メゾン・デ・ ペルル