「華麗にして繊細~東京 ガラスの器 ~」イッピン

イッピン

東京の ガラスの器 が面白い。東京といえば、江戸切子が有名だが、従来の直線的な幾何学模様ではなく、金魚やトラが曲線で彫りこまれたグラス。また、一度廃れた技法を復活させ、ガラスの表面に霜や雪の結晶のような複雑な模様を浮かび上がらせたもの。さらに古代メソポタミアで生み出されたガラスの粉を練って、思い通りの造型を施していく、特殊技法。女優の小芝風花さんが、職人たちの工房を訪ね、驚きのワザを見せてもらう。

放送:2022年11月6日、2022年3月13日、2019年3月5日

【リポーター】小芝風花,【語り】平野義和

イッピン これまでのエピソード | 風流

イッピン「華麗にして繊細~東京 ガラスの器~」

東京銀座にオープンした天ぷらの専門店
女優の小芝風花さんが手にしているのは鮮やかな図柄が彫り込まれたグラス

これはロックグラスの的なんですけど勇ましいかっこいい揃ってますね。すごいめちゃめちゃコレクション
してるじゃないですか

ご自慢の理由と虎のグラス
実はこれ江戸切子なんです
従来のイメージとは異なる複雑な掘りが印象的

うわすごい毛並みまで。毛並みのところの持ち持ったときに触り心地がすごい。確かにこんな曲線掛けるですね
これからの使い方と切り方ひとめぼれしました。なんか切子グラスのイメージが変わりました。

今東京のガラス製品が驚きの進化を遂げ注目を集めています
雪の結晶のようなこちらの模様
一度は廃れた技法を復活させたものです
そしてカラフルなガラス製のサラダボールは女性たちに大人気
続々と新製品が生まれている東京のガラスの器
その魅力に迫ります

東京江東区
ガラスの器が大好きだという小柴風化さんが向かうのは江戸切子の工房
あの虎とリュのグラスを手がけたただの秀吉さんです

これが完成品になるんで、一回手に取ってみてもらってはいこれ切子グラスでそうですね。キリコをですねこんな複雑な模様すごい

江戸切子は江戸末期に造られ始めた東京の伝統工芸品です
その特徴といえばなんといってもこちらの直線的な幾何学模様
そんな江戸切子に只野さんは新風を吹き込みました
はい曲線を生かすことでこれまでにないデザインのグラスを生み出したのです

これが素材の生地っていう状態で。下がブルーで上がオレンジの二色に分かれた素材をあの使いますね。これで削ったところが色とれていくので最初ちょっと分厚めですね

グラスに金魚のデザインを施していきますね
僕は最初に目安となる線を引きます
はいでこの色の高さに合わせて
金魚の量を書いてきますね
メインとなる金魚の下へ悪いから
絵を描く難しそうですね
やっぱ同じ顔になるように書くのが難しいです
本物らしく見えるよう動物図鑑を参考に練習を重ねました
いいですかえーすごいざっくりええだってこれがこうなるんですよね。想像つかない。うわすごい尻尾がめちゃくちゃきれい

普通江戸切子に使う砥石は十五種類程
ところが只野さんはなんと五十種類以上
そのほとんどが特殊品です
これらの砥石をどう使い分けるのか
はいはいまず幅の広いとして
ヒレの部分を削っていきます
削れば削るほど色が薄くなります

ああすごいきれいだざっくり金魚っぽくなってすごいきれい
今度は先の尖った戸石そうですね。
今度は細い線を取っていく感じになります

尾びれに曲線を聞いていきます
さらにより細いとして体に鱗を刻みます

すごいありましたね
どんどん魚っぽくなってきますよね
金魚金魚の部分が出来上がりました
同じお腹でもグラデーションがあの金魚のなんか
少し下の方は白くなってるというかふっくらしているので、そのふっくらしてるところを少し色薄くすることで
表現してるんですね

続いて周りの部分を加工していきます
先ほどよりは太い砥石直線を刻んでいきます
どんどん先を増やします
ちょっとでもずれると商品にはありません
菊つなぎもん
江戸切子の伝統的な図柄です
さらに伝統の図柄をもう一つ
八角篭目紋です
ゆすい都市を二枚セット
二つの刃先を利用し溝を等間隔に
赤い部分がどんどん小さくなってきました
そして八角形に
こうして出来上がった二種類の図柄は水の流れや漂う側を表現したものです
江戸切子のイメージを一新させる彼なグラス
驚きの技が詰まった逸品です

日本でガラス製品が盛んに作られるようになったのは江戸時代
その技術は明治の近代化とともに進化していきます
本当そして大正時代
一大ブームを巻き起こすガラスが登場しました
建具屋家具の装飾に使われた血相ガラスです
霜や雪のような不思議な模様が人気を博しました
しかしブームが去るとその技法も次第に忘れられていきました
この血相ガラスの技法を生かし、器作りに取り組んでいる職人がいます
血相ガラスが独特の味わいを生み出しています

工房を訪ねます
あこんにちは今日はよろしくお願いします
松浦健二され職人歴三十年です
うわあクラス松浦さんが血相ガラスに取り組み始めたのは五年前
のすごいきれい失礼します
うんえこれって削ってるんですか
削った後にまた首都工夫加えてこのようにします
削った後にひと工夫
一体どういうことなんでしょうか
作り方を拝見することに
まずは削る作業
サンドブラストと呼ばれる手法で砂を吹き付けガラスの表面を削ります

素手で数日やってるとどうしてもあの血が出てきてくれるんでても
はいうちはかけていきます
こういう感じで結構いっぱい出るんですよ
でこれを削りたくない部分は
テープで覆ってときます

砂を吹き付けた部分がざらざらになりました
そしていよいよ削った後の一工夫ます
あそう膠(ニカワ)獣
昔はクジラのず家
今はえー牛とか豚とかのず激おそうですね
溶かしてものを次に塗っていきます
その前の状態のものですね
本当は粗目だ
ザラメ状ですねこういう状態です

この膠に一体どんな効果があるんでしょうか
ニカワををお湯で溶かします
温め過ぎるとすぐに焦げてしまうため温度調節には細心の注意を払います
砂で削った部分に膠を塗っていきます
乗り方にコツとかあるんですか
なるべくだまにならないように
均一にっていうのを気をつけてはいるんです
けどでもやっぱりこう人の手ですし粘着力も強いので
なかなかそこが難しいところですかね
三河の厚みをできるだけ均一に仕上げます
うん塗り終わったグラスは五日間かけてじっくりと乾かします
すると三河が自然に剥がれ落ち
グラスの表面にあのー霜や雪の結晶のような模様が
サンドブラストによってざらざらになったガラスの表面
そこに三河膠は乾燥する際に収縮します
そしてざらざらになっていた
その表面を一緒に剥ぎ取ります
その剥がれ方は膠の量や乾き具合で変わるため様々な模様ができるんです
例えば溶かしても濃度が分からなかったりで
それもあの決まりがないので
その今までその四五年やってきた中でこう
混ぜた時のノードで
こんなもんでしょみたいなので
塗って塗ってるんですよ
今も何かそういうわけでは
全くないですね
へえどんな模様になるかは
経験だけが頼りうんと
伝統の技を再発見した
こだわりのいいんです
東京新宿の百貨店で
注目を集めているガラスの器があります
かわいい手に取ってみてみてもいいですか
ありがとうございます
おこを入れる器淡い色合いは人気です
色が優しいですね
ガラステストちょっとこう
堅いイメージになりますけれども
とてもなんか優しくて
柔らかい印象があるかと思います
ガラスに見えないですね
はい職人の元へと向かいます
こんにちは小柴ふうか
ですよねね三十年近いキャリアを持つ
吉水直樹さんですねぇかわいいき
こちらは初時計木の形をした小物入れ
かわいいこれ女の子好きだな
時々あの男性の方がですね
この中にあのプロポーズ
指輪を入れてプレゼントしたいと
プロポーズしたいということで
あの高校にされる方がたまにですね
吉水さんは三千五百年前、メソポタミアで生まれたパートドヴェールガラスのね理子と呼ばれる技法を用いています
この技法は十九世紀ヨーロッパで大流行
華やかな装飾で知られるアルボの作品を生み出しました
今回作り方を見せてもらうのはポピーの花が印象的なガラス製のサラダボウル

これがその原型なんですが
上から貼っていく
まずは形づくりデザインに合わせて粘土を切り抜きます
それをサラダボールの形の粘土に貼り付けます
はがれないようにしっかりと密着させます
完成品と同じ形のものが出来上がりました
これに石膏を塗って形を作ります
粘土を取り除くとご覧の通り
型は外側と内側二種類を用意します

でもやっぱ思ったよりはっきり出るんですね。そこに塗っていくんですか。老いていくこう詰めるっていう感じですね。

ここで使うのがこの技法の名の由来ともなっているガラスの粉
色や濃さが違う九種類を用います

ここに黄色い花をつけてみたいと思います

まずは一番濃い黄色のところに窪みを埋めるように少しずつ置いていきます

グラデーションにしたいのでちょっと薄めの黄色ですね。これを同じようにこの隣に置いていきます。今度はやや薄めの黄色そしたらですね。それをわざと筆で叩いて先に置いた黄色とちょっと薄めの黄色を馴染ませてあげるんですね。混ざった部分とグラデーションになるんですよね。さらに一番水黄色、そして最後は白でえーある程度入ったらですねこれを指でずっとこう抑えてあげるんですね。

黄色とオレンジのポピーの花
そして緑の茎
これをこの中に詰めていきます
最後に白いガラスの粉を全体に方に張り付かせるでしょうかね
均等にガラスをこう詰めていきたいので
ろくろの上に乗っけてそうですねながら
サラダボールの厚みは粉の量で決まります
出来上がりを計算に入れながら作業を進めます
だからお皿になるのが不思議
内側の方を乗せます
こんな感じですねちょっと浮いてますよね
この分だけ方がぎゅっと焼いてる
最中に沈んでプレス成形っていうんですけど
焼きあがるとこれが締まります
電気アンマにセットセットして
八百五十度ぐらいですね
三時間ほど焼きその後四日間かけて冷まします

ああガラスの器が現れてきました
こびりついた石膏を洗い落とします

こんな感じになるわけですね
そうですねはいこれが逆さにこっちから見ると
ちょっと分かりづらいんですけど
こんな感じになるんですね
やっぱあの形だけ見るのと出来上がったので美術全然違いますね

濃淡の違う黄色を重ねた僕の花
絶妙のグラデションです
三千五百年前の技法によって生み出されたカラフルな器
サラダが引き立つ逸品です
昨日みたいなあったらしい
伝統を受け継ぎながら新たな可能性に挑み続ける東京のガラス職人たち
その果敢な挑戦が私たちの暮らしに彩りを添えています

江戸切子 但野硝子加工所

HALI’S

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