東北を縦断する奥羽山脈。その山の恵みが生んだ工芸品が秋田県にある。横手市の山に自生するアケビのツルで作る手提げかごは、丈夫で型崩れしない。800年の歴史を持つ湯沢市の漆芸。地元の漆の木からとった漆だけを使い、1年をかけて塗り上げられる椀は、ほのかに赤みの差す独特の光沢を放つ。また、明治時代に一度途絶えた仙北市の焼き物、白岩焼。よみがえった神秘的な青色に、陶芸家が託したのは、雪解けの風景だった。
【リポーター】生方ななえ,【語り】平野義和
イッピン「山から生まれた暮らしの道具~秋田・工芸品~」
放送:2019年10月1日
冬の間山に積もった雪は春が来ると溶けて水となります
水は大地を潤し
命を芽吹かせる山の恵みは
人々の暮らしも豊かにしてきました
ここは秋田山の恵みは
この土地で様々な工芸品を生み出しました
その一つ明日のつるだけで
編まれた手提げ籠です
明日はかごの材料として
古くから使われてきました
その丈夫でしないかなとするは
何年経っても型くずれしません
このふっくらとしたお椀も山の愛そのもの
二赤みが差していますよね
これ地元の漆だけを使って
出した色なんです
そしてこちらのお皿水色と赤茶色の暖かなコントラスト
ここに秋田のある風景が
隠されているんです
今日の一品は
山の恵みをいっぱいに受けた工芸品です
あのー東北の背骨おおうん
山脈秋田県南部の横手市は
この山脈に寄り添うように広がっています
一品りさちゃんの生方ななえさんはい
明日の弦で
手提げ籠を作る職人さんの元へ
こんにちははいこちらは
中川原信一さんと妻のエミコさんです
あります
はいお邪魔するとこれね
私お嫁に来た時のかごなんですよ
お嫁に来た時のこう何年前だと思います
四十七年前ですよはい
その時にプレゼントされた籠です
だって新品に見えますよね
半世紀近く経っているのに
全然くたびれていません
はいはい本当に重いものを入れて
そんなに重いの入れて
大丈夫かみたいに言われたぐらいに
いっぱい入れてきま入れてました
しんいちさんの作る籠は
丈夫で型くずれしないと大人気
注文してから
手に入るまで五年もかかる程です
このかごの材料というのは
このあのこのこういうつるなんですけれども
こちらなんですねはい
一の弦っていうのは丈夫なもんですね
うんなんといっても
素材の明日がいいだとしんいちさん
それは地元横手野山に自生しています
取るのは年に二回春と秋です
はいしんいちさん
自ら取りに行きます
ハチに刺されたり
鋭い枝先で傷ついたりしないよ
しっかり準備します
うんいい明日があるのは
適度に光が当たる低い雑木林の中
これが上げるの面ですが
明日は地面を這うように伸びていました
夏の暑さを乗り越えたその蔓を弾力を持ち
しなやかだと言います
根本から切らず十センチ程残します
こうやって残しておけば
まだあの来年度が
こっからこうまが芽が出る
うん山から山へどこでいい明日が取れるか
新井さんは知っています
その年の記号に合わせて
撮る場所を選ぶんです
ここにもここでもここにでもあるところは
こういう風にあるんですよ
今年は比較的いいのかな
八の時にお持ち帰ります
うんこういうふうに
赤ちゃんみたいに背負います
ちょっと撮ったばかりのつるには
葉っぱや目が付いています
それを丁寧に取り除くのは
エミコさんの仕事当たるんですよね
あの手に引っかかるんです
千葉県に出稼ぎに来ていた新一さんと出会い
結婚して四十七年
当初は明日のあの時も知りませんでした
今ではかご作りに欠かせない
もう一人の職人です
十日間天日でほしい
室内で二ヶ月以上乾燥させます
しっかり水気を抜くと
心の中まで固く締まります
編んだ時に緩まなくなるのです
鶴の中に毎日虫がいても
これで逃げ出します
編む前には
干したつるを一昼夜水につけます
乾燥させたまま
アムト鶴の表面が破れてしまうんです
ここは地元の人が共同で使う水場
奥羽山脈の福利薄いこれも山の恵みです
住みたいですよ
だいたい十二三度ぐらいかもしれない
ま鮮度のネズミネズミだけは
変わりはないんですけれども
でもやっぱりこれの方が
あのあげ身のツルハやさせる
戻るっていうかような感じがします
浸しておく水の温度で
鶴の戻り加減は変わります
温度を一定に保つため
三回は水を変えてやります
それほど繊細なんです
材料を作るまでいろんな工程があるんだなって
ヤマガラ通って恵んでもらったつるんで
その中には家具を作るまでのパクリだ
産業それがもう半分以上かな
もう色んなもう面でネギない下げるっていうかうん
かつてこの地方では冬の時期
農家の人々が
アケビやヤマブドウなどのつるを
使って道具を編んでいました
それを山に行くときに背負ったり
農作業で腰に下げたりするのです
そんなかごに持ち手を付けて
買い物などでも使えるようにしたのが
しんいちさんの父重郎さんでした
明日のつるを使った
かご作りの名人と言われました
うん父のもとで修行を始めた新一さん
それから五十五去年
いつか自分の理想とする
かごの形が見えてきたと言います
森の看護の特徴っていうのは
だからそのふくらめを特徴のこう
強調世代っていうかえでなるこう
角張って佇んでいなくて
丸めをこうつけたいなと思ってるもんだから
だからこうたわわはなく感じがした
その膨らみどのように出すのか
ゴの下の方はきつく締めるように
ん中辺りはゆるく絞って膨らみを出します
生き方を使ってかごを編む方法もありますが
自分の感覚だけで編み込んでいきます
それがふっくらとした形に仕上げる
一番の方法だと言います
かごの本体が出来上がったところで
きれいに避けますね
これも俺は気持ちが素直にまっすぐだから
これで
持ち手の部分を巻いていきます
だから錫の悪い面とかなんかだったら
結構引っ張ったりとこう住でるんで
これが火で入ってる悪いするんだと
だからこの点を巻く鶴っていうのは
特に光栄のを選んで
二つに割ったのを
こう用意しておく訳なんですよ
持ち手はとりわけ消耗が激しいところ
最多鶴の平らな面を
しっかりと巻きつけていきます
いつまでも丈夫でありますように
と願いながら完成ですね
うんうわこんな間近で見るともういや
明日のつるも震災に作ってもらって
幸せですねね
せっかく自然が恵んでもらった材料を出したり
無駄にしないようにねでま
五看護は使ってもらえる人に並べが長く
使ってもらえないよなと思っても一生懸命
ただマインドず作ればいいですけどうん
秋田といえば言わずと知れた米どころ
こちらは秋田の米麹で
作った料理が楽しめるお店です
ああ素敵おいしそう
味噌汁の入った漆塗りのお椀はいはいはい
秋田県湯沢市の川連漆器です
鎌倉時代から八百年の伝統があります
持ち心地の良さと
口当たりの良さっていうのにびっくりしました
そうですよね
私たちのところではあのー
漆の器でお味噌汁飲むのは普通のことで
あのーみんなあの普段使いで使っいます
素朴でふくよかな形よく見ると
ほんのり赤みが
地元の漆だけを塗ってだした色です
朝五時湯沢市でお椀を作っている方と
待ち合わせすることになりました
おはようございます
始めます佐藤文幸さんと申します
よろしくお願いします
でもなぜこんな朝早くにそれは漆を取るため
朝早く出ないと駄目なんだとか
これが終わんの材料になる漆の木ですね
木いっぱい傷が付いているんですけど
傷をつけて行って効いてきとるんですね
こうやってやるんですねはい
しばらくすると
乳白色の樹液がにじみ出てきました
これが漆です
佐藤さん普段から
心がけていることがあります
はい漆を取りたいがために
こう幅を太くしたり
長くしたりすると確かにいっぱい出るんですけど
そうすると今度漆の木が弱っちゃうんですよね
なので長さを保って傷つけて取っていきます
うん地元産の漆っていうのは少ないので
その基調になる子を大事に
一個一個取ってます
ね
気温や湿度によって
漆の状態は微妙に変化します
佐藤さんは朝早く
この作業を行うことにしているのです
一時間半かけて日本の木から取れたのは
わずかにこれだけ取ってきた漆は
一年間寝かせ発酵させます
十分に発酵させると
塗った時に固まりやすくなるのです
まず記事全体に漆を染み込ませ
記事が歪むことを防ぎます
この上に漆を塗り重ねます
普通は強度を出すため
漆に父の粉などを混ぜます
しかし佐藤さんは何も混ぜません
漆が本来持っている強さを
最大限引き出したいのです
とかえー仕上げにはさらなるこだわりがわしれ
漆を起こし細かい木屑やごみなど
全て取り除きます
できるだけ純度の高い漆にしたいのですうわ
トロットロですねそうですね
要はあのより雑味が少なくというか漆が多い
というか飴色ですよね
これが北県の米沢さん漆の色ですね
この漆をしばらく置いておくと
飴色になってきました
うんさらに時間を置くと
だんだん透明感は
この半透明の飴色の漆だけを
仕上げに使うのです
縁ぎわを見ていただくと
ちょっとワインから赤い飴色なんですけど
こう塗っていくと
だんだんと縁ぎわのところが
赤い感じになってますね
自分で漆掻きをした
漆だけで塗り仕上げたお椀ですね
この質感とワインからの光沢
うん塗り始めてから出来上がるまで
なんと一年かかると言います
あ漆の木があのー
僕らの地元の方に少ないんで
ただいまの僕らの産地組合でも
漆の木を食事したり
そういった活動もしてますので
これから十五年
二十年先を見据えた僕らの子供たちとか
後輩たちにその地元の漆の木の良さをね
思いをあのー継承してもらえればと思っ
てますけどもね
うん
彩り豊かな和菓子を乗せたお皿
水色と赤茶色のコントラストが鮮やかですね
このお皿秋田の人々には
馴染み深いある風景を写し取っている
といいます
秋田県仙北市
山に囲まれた田園地帯に
お皿を作っている工房があります
こんにちはああ素敵な器がありますね
うんのサラダきれいなへえ
こんにちはこんにちは初めまして
陶芸家の渡辺矢追さんです
とてもブルが綺麗なんですけど
はいこれが生固有という釉薬になります
ナマコ湯をかけて焼くと
ナマコにまだら模様になります
うん渡辺さんは独特のナマコ
茹でこの神秘的な青色を出している
というっていうんですが
秋田ならではの材料で作っている訳です
初めて聞きました
お皿の作り方拝見しましょう
まず素焼きしたお皿を
土色の釉薬につけます
ここには地元の山から取れた赤土が
はいおおされています
この部分が赤茶色になります
次に生声をかけていきます
ナマコゆ自体は暗い灰色です
乾くと白く変化します
それを窯で焼き上げると
きれいな青色になるんです
ここは古くから
白井はと呼ばれていた地域
江戸時代秋田藩の庇護のもとしら
言わ焼きという焼き物が焼かれていました
その特徴は独特の深い青
しかし明治の後半
窯の火は全て消えてしまいます
そのしら言わ焼きを蘇らせたのが
かつての窯元の家に生まれた
渡辺直さんでした
あおいさんの母親です
夫の利春さんと協力し
二十年の歳月をかけて
独特の青色を復活させたのです
なまこゆうについての資料は
何も残っていませんでしたが
ある時その鍵となるものに
思い当たったのです
それは工房のすぐそばにありました
こちらの田んぼで作られる主役が
ナマコの材料になります
はいこれがあの秋田こまちなんですけれども
あきたこまちのもみの灰溶融役に入れて
ナマコ湯を作っています
稲の籾殻その灰を釉薬に混ぜると
白岩焼の青が出たのです
両親から受け継いだワタナベさんは
このさらにある思いを託したと言います
青白い色とあと茶色のコントラストが
あの秋田の雪景色が
こう溶けていくような時にも似ているな
と思っこの土地ならではの風景っていうのを
器に移し取りたいなっていう
風に思っています
長い冬の終わり
雪の間から赤ちゃん色の土が見え始めると
それは秋田の人々が待ち望む春の到来です
秋田の人たちにこう
とても身近なものとして使って欲しいですし
身近にある上質な器
っていうのを作っていけるように
と思っています
あとは世界の人にも
見ていただきたいと思います
あれ自然に抱かれ
自然と共に生きる秋田で生まれた品々には
かな愛へ
感謝が込められていました
バリューコマース
見逃したNHKの番組は動画配信サービス「NHKオンデマンド」で見ることができます。NHKの全チャンネルから最新の番組が視聴できる「見放題パック*1」は月額972円で配信期間中なら何回でも視聴できます。
