「パン旅。」舞台は、豊かな農作物に恵まれた食材大国、北海道・ 十勝 。
パンの原材料となる小麦の生産量も日本一を誇る。
この地で愛されているのは「甘いパン」。
小麦マニアが農家とタッグで作る「リアルメロンパン」や、
食材に魅せられた職人が手がけるフランスパンは絶品。
木南晴夏と相棒の女優・佐藤めぐみのパン好き女子2人旅。
いま全国からも注目され始めた十勝のパンを巡り、広大な土地に息づく独特の文化に迫る。
【出演】木南晴夏,佐藤めぐみ,【語り】西脇保
パン旅。「甘い!新鮮!濃厚!十勝食べ尽くしっ!」
放送:2017年10月4日
やってきたのは北海道の南東部。十勝地方。
ここは小麦の生産量が日本一。
注目のパンが続々誕生しています。
中でも地元の一押しは甘いパンです。そこには地元ならではの物語がありました。
濃厚!アイデアフランスパン
一軒目のパン屋の目玉は期間限定のスイーツパン。住宅街に建つ店です。
木南晴夏さんたちの「かわいい」が止まらない外装のパン屋さん。
はるこまベーカリー
北海道帯広市西19条南5丁目43-11
TEL.0155-38-5311〒080-2469
おしゃれなデザインは外装だけではありません。
ドアノブの形など様々な部分に洒落た心くばりが隠されています。
店内には様々なパンが美味しい香りを放っていました。
カリッとした記事が魅力の塩バターパン。
サクサクのデニッシュにクリと包みをトッピング。
店の自慢は、十勝産の小麦の美味しさを最大限引き出したパンの数々です。
中でも人気なのが地元の農家とのコラボで生まれたパン。
お目当てのパンはどこにあるのでしょう。
お目当てのパンはメロンパン。
でも期間限定なのでメロンがなくなったら終わりです。
店主の栗原民也さん。
夏の一番人気と言われるメロンパンは注文が来てから仕上げます。
注文から5分後。登場したのがケーキのようなパン。挟んであるのは地元農家直送のマスクメロンです。
サクサクの生地の中にはすくしアーモンドクリームが入っています。
ふわふわしっとり二段階の食感が楽しめます。
このメロンパンの生みの親は栗原さんではありません。
私たちが普段食べているメロンパンはメロンの形を模したただけ。
メロン農家さんが本当のメロンパンを作って欲しいと持ってきたのだそうです。
「食べた時本当にメロンを感じるパンをつくってくれ」という注文でした。
パン生地の種類を何通りも試したり、
果肉をそのまま生地に塗り込んだりと一年以上試行錯誤を重ねました。
何度も試食を重ねた結果、農家さんの思いを叶える作品が出来ました。
栗原さんと農家とのコラボはまだまだ続きます。
ここにしかないフランスパンもその一つ。ポイントは食感。見た目は変わりませんが食べてみるとわかります。
なんかガリガリの香ばしさ。おせんべいのようなパン。中は潰れてしまう柔らかさの落差があるパンです。
ぬれ煎餅のような焼きおにぎりのようなパン。
「おせんべいをめざしました。そのわけは、日本人が食べるからです」カリッカリとモッチモチを同時に味わえます。
作るためには市場に出回っていない特別な小麦が必要です。
肥料を極力抑える農家泣かせの小麦。
栽培と収穫が難して小麦を作ってくれたのも地元の農家でした。
「肥料を与えないと倒れてしまったりします。
収穫が出来ない小麦を作って欲しいという願いを叶えてくれたのは仲のいい農家でした。
農家の喜びは、俺の小麦がこんなパンになったというニーズで、それを満たすのが職人の存在と会話だったのです」
甘~い名物パンの秘密
隣町に向かいます。80年続く十勝の老舗パン屋さんを訪れます。
入り口の雰囲気は精肉屋さんのこの店。ローカルな肌触りが親しみをかんじさせます。
どこか昔懐かしいパンがズラリ並びます。定番のパンの多くが80年前の創業当時から変わらない手順で作られています。
創業当時から人気なのが巨大な甘納豆がたっぷりはいった甘納豆パンです。
札幌出身の店員さんが、こっちにきてビックリしたのは甘いものが好まれる土地柄です。
「赤飯にも甘納豆、屋台のフレンチドッグにも砂糖をつけて食べるとか、納豆にも砂糖とか」びっくりしたようです。
甘いパンが多いのは理由があります。
昔から農業が盛んな十勝。
農作業の合間に手軽に食べられるパンが人気でした。
特に疲れた時すぐに補給できる甘い菓子パンに人気が集まりました。
「アンパンが一番十勝では売れています。甘くないとパンじゃないというお客さんが多くて」
ヒット商品が「甘酒あんパン」一味違う甘さが人気です。
小麦に甘酒の粉末を練り込みます。あんは甘さ控えめ。
人気の秘密は割った瞬間に味わうことができる甘酒の香り。
あんの甘さと違う甘さがあとを引きます。
あさひや
芽室町東1条
アイデア フランスパン
三軒目があるのは市内に建つホテル。
森のスパリゾート 北海道ホテル
〒080-0017 北海道帯広市西7条南19丁目1
帯広駅東通り南口出口から徒歩約12分
奥富英紀さんは東京の高級ホテルや百貨店で腕を磨いたこの道40年のベテランシェフです。
奥富さんのパンは宿泊客だけでなく地元の人にも大人気。
中でも評判なのがフランスパンです。
十勝の食材を活かしたアイデアフランスパン。
丸い形が印象的なフランスパン
中には十勝産チーズがたっぷり。
あん入りのフランスパン。
十勝パターを染み込ませたバターフランスパン。
奥富さんが十勝に移り住んだのは22年前。
この地で出会った食材に衝撃を受け新しいパン作りに挑戦しようという意欲を
かつてないほど掻き立てられたといいます。
「こんなに食材が豊富にあることに衝撃を受けました。
食べたときに幸せな気持ちになれるようなパン作りをして生きたいと思います」
まとめ
北海道は農産物や海産物で知られています。
そこに入植して大地を切り開いてきた人たち。
そのくらしを支えたのがパンであることを知って、
食を支える人たちの営みが深く理解できました。