出島に伝来・西洋パン文化。地元の人たちに大人気の独特の「ご当地パン」。
「 長崎 でイメージする食べ物は?」・・「カステラ」、「ちゃんぽん」「リンガーハッ○」(←こらっ)
実は「パン」も凄いんだそうです。
長崎縦断!ご当地パンなぞ解きトリップ
放送:2017年4月12日 再放送:12月24日
今回の舞台は、長崎県。長崎はカステラやちゃんぽんが有名ですが、
実は出島を中心に早くから西洋のパン文化が根づく土地です。
地元の人たちに大人気の独特の「ご当地パン」を探す旅です。
木南晴夏と旅をするパートナーは、長崎県出身のHKT48・森保まどかさん。
長崎県を縦断して地元で愛されている珍しいご当地パンを探す。
そこでしか味わえない極上パンを堪能し、長崎県のパン文化の魅力に迫る!
復活?ぱんのいえ
長崎きっての歓楽街として知られる「思案橋」入口にあるのが「ぱんのいえ」です。
地元民が飲みの締めにも食べるパン屋としても有名です。
この店の名物が復刻版の「サラダパン」。紙袋に「コック坊や」が印刷されています。
もともとこの場所には大正6年創業の「東洋軒」というパン屋さんがありました。
平成26年3月に閉店。「ぱんのいえ」がそのレシピを引き継ぐことになりました。
パンにポテトサラダやハム、野菜がぎっしり詰め込まれた「おかずぱん」。
戦後、貧しかった庶民の胃袋を満たす主食級のごちそうでした。
写真は昭和31年頃のリヤカーでの販売のようす。
「ぱんのいえ」の人気商品「尾曲がり猫のメロンパン」。
尾曲がり猫とは、いわゆる「かぎしっぽ」を持つ猫のことです。
長崎にはこの尾曲がり猫が多く、なんと8割近くにも上るのだとか。
しっぽが幸せをひっかけてくるといわれています。
ぱんのいえ 思案橋店
長崎市本石灰町2-13
TEL 095-895-8011
歴史を映す・出島のパン
江戸時代・日本での貿易を唯一許された場所「長崎出島」
「出島で食べられていた当時のパンがあれば面白いね!食べてみたいね!!」という思いつきを実現した店があります。
浦上駅側のバス停前のパン屋さん。スローフードファクトリー長崎あぐりの丘・浦上駅前店です。
50種類のパンが並ぶパン屋さんです。その8割が100円です。
カレーピラフにナポリタンととんかつを載せたワンプレートの献立が「トルコライス」。
そのトルコライスをバーガーにとた「トルコライスバーガー」は長崎生まれのご当地パン。
カレーピラフは入っていませんが、米粉入りのバンズをカレー風味で仕上げています。
店長の西島直孝さん。研究熱心が昂じてさらに珍しいご当地パンを作りました。
江戸時代の復元パンです。
鎖国のさなか1641年にオランダ商館長が阿蘭陀屋敷の中で食べていたパンを再現したものです。
当時はパン作りの方法も今とはまるで違っていたと言われます。
レシピが残っていなかったため、西島さんは調べることから始めました。
「イーストがなかった時代です。商館長の日記を調べていくと、イーストの代わりに甘酒を入れていたという記録が残っていました。それだけでは風味や発酵が弱かったので酒粕を加えたりしました。三年かかりました」
スローフードファクトリー長崎あぐりの丘
長崎市四杖町2671-1,095-826-5354
炭鉱の町を支えたスローフード
長崎周辺は炭鉱が町を支えてきました。
長崎県世知原地区も松浦炭鉱が昭和45年に閉山するまで、町の基幹産業として多くの人が働いていました。
炭鉱時代から人々の胃袋を満たした「ソウルフード」が今も残っています。
白川商店の脇から路地を入ったところにあるお肉屋さん「真弓精肉店」が知る人ぞ知るご当地パンの超有名店なのです。
パンに具をはさんで油で揚げた「揚げサンド」。
中身はポテト・ハム・コールスロー・きゅうりなど、意外にシンプルです。
多めのキャベツ&きゅうりがシャキシャキしています。
昭和の頃から世知原町ではお馴染みの味で、市外や県外のお客さんも買いに来られるそうです。
真弓精肉店
長崎県佐世保市世知原町栗迎41-18
取材:ジーズ・コーポレーション