ある養鶏場から不思議な情報が飛び込んできた。黄身の色が木の年輪のように黒・黄色・赤の帯状になるゆで卵ができたというのだ。実はコレ、色の違うエサを日替わりで与えただけ。黄身は濃いオレンジ色がおいしいと信じられているが、実は黄身の色と味は全く関係ないというのだ。その他、新鮮な卵のほうがおいしいというのも迷信。加熱調理には産卵後10日たった卵のほうがいいというのだ。日本人の知らない卵の真実が明らかに!
【司会】所ジョージ,黒崎めぐみ,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【リポーター】徳永圭一,【語り】吉田鋼太郎
所さん!大変ですよ
「オムレツが○○に!?あなたの知らない卵の世界」
放送:2017年10月12日
オムレツが○○にあなたの知らない卵の世界
銀座のレストランに不思議なオムレツがあるといいます。
取材班が訪れたのは、生野菜食べ放題!という意識高い系女子が好きそうなビュッフェのお店。
農家の台所銀座店
TEL:03-5159-4831
住所:東京都中央区銀座2-4-18アルボーレ銀座 7F
農家の台所について | 農家の台所
注文したら見たこともない不思議なオムレツが出てきました。
オリジナル商品”ホワイトたまご”。中まで真っ白の白いオムレツです。
白身だけでつくったわけでもなさそうです。
卵の黄身が白い卵を使って作るのだといいます。
白い”黄身”の卵。色以外は普通の卵と変わりません。
こんな卵があったのか。
取材班はさらにネットで調査を進めます。
ネット上には不思議な色をした卵が並んでいました。
調べてみると黄身が黒い卵もあることが分かりました。
黒い黄身はまるで目玉だ。
そのまま焼いたらリアル目玉焼きが出来上がるかもしれません。
黒い黄身を作っている養鶏業者を訪ねました。
株式会社 花兄園
無添加の卵やブラジルプリン、シフォンケーキ、マヨネーズなどを販売している養鶏業者です。
宮城県仙台市太白区西の平1丁目1番3号
022-244-3441
外見は普通の卵ですが、割ってみると色が違います。
社長の大須賀さんによると、
実は卵の黄身は鶏に食べさせる餌の色で決まるのだそうです。
黒い黄身の卵を生む鶏の餌は黒い色です。
「餌に黒い色素を入れると黒い黄身の色になるのです。餌に入っている色素の色が卵の黄身の色になりますから、何色にでもつくることができます」
ということは、お店で見かける黄色やオレンジの黄身の色。
味が濃くて栄養価が高いというイメージがあったあの卵も、餌の色が違うだけなのか?
色の違いによる栄養価の違いは消費者の思い込み
ニワトリの一般的なエサはトウモロコシで、パプリカを混ぜると色がオレンジになる。
米を与えると黄身が白くなる。
一日ごとにエサの色を変えると黄身に模様をつけることができる・・・
黄身の色が違っていてもヒナの色はかわらないといいます。
日本人は一年間に330個の卵を食べるといわれています。
一番消費量が多いのは鳥取県です。
日本人が食べる卵は、その95%が外国産の鶏が産んだ卵だということはあまり知られていません。
”伝説のニワトリ”本邦初公開!
日本には10万羽のひよこが輸入されています。
成田国際空港に行くと輸入されたばかりのひよこを見ることができます。
鳴き声がするダンボールの箱を特別に開けてもらいました。
ひよこ発見。
見た目は日本の鶏のひなと同じように見えますが、
産む卵の質がぜんぜん違うのです。
なぜわざわざ生まれたばかりのひよこを航空便で輸入するのでしょうか。
産卵用に作られた鶏を輸出するアメリカ・アイオワ州の企業を訪ねました。
訪ねたのはHy-Line International社((1936年にHenry A. Wallaceによって設立され、商業層育種にハイブリダイゼーション(生物の交雑あるいは雑種形成)の原則を適用した最初の家禽育種会社))
Hyline:ホームページ、鶏、遺伝学、家禽、卵、病気、技術、品種、農業、卵生産
アメリカの卵産業を支える大企業です。
輸出担当のトーマス・ディクソン部長によると。
この会社は120ヵ国にひよこを輸出していて、ニワトリの開発を行っているといいます。
スペインなどは値段が多少高くても卵が大きい方がお得感があっていいらしいそうです。
メキシコでは小ぶりな卵が好まれます。
メキシコでは朝食に卵2つ使った目玉焼きを食べる習慣があるため、小ぶりの卵が好まれるのだそうです。
日本向けに改良された鶏があると聞きその施設に向かいます。
この企業でも最も古くから稼働している施設だそうです。
今回はじめて撮影の許可がおりました。
これが日本向けに改良された鶏。
名前は「マリア」。
成田空港で見たひよこもマリアです。
日本人の好みに合わせて10年がかりで開発されたという品種です。
この鶏が産んだ卵は白身が他の卵に比べて高く盛り上がっています。
白身が盛り上がっているとたまごかけご飯がおいしく見えるからなのだといいます。
「アメリカではほとんどスクランブルエッグにして食べるので、白身が盛り上がっているかどうか全然関心がない」
白身が盛り上がっていても栄養価はほとんど変わらないのだといいます。
変わった卵は、消費者の需要が後押しするようにして生まれていることがわかりました。
長らく物価の優等生と言われてきた卵。
安定した価格は生産する側に支えられているようです。
増え続ける変わり卵”特殊卵”とその背景
大阪府羽曳野市のスーパーに登場した卵。
ラベルには中鎖脂肪酸((中鎖脂肪酸100%の油のことをMCT(Medium Chain Triglyceride)といいます。MCTは、一般的な油よりもすばやく消化・吸収され、すぐにエネルギーになりやすいという特長を活かし、医療現場・スポーツ分野における栄養補給や、生活習慣病予防などに利用されます))が入っているとうたわれている”特殊卵”です。
特殊卵とは栄養成分や機能性をうたった鶏卵のことを言います。
特殊卵は、消費者が求める価値を付与した卵です。
高い値段をつけても売れることから生産者は様々な機能を付けた商品として卵の開発に力を入れるようになりました。
栄養成分を強調した特殊卵は、価格も普通卵より高めである。確かに表示された成分は強化されているものが多かったが、強化された栄養成分は厚生省の国民栄養調査によるとほぼ充足しており、卵にプラスしてとる必要性は一般的には少ない。食味等は別として栄養的には普通の卵の利用で十分と言える。
特殊卵の比較テスト結果-栄養成分や機能性をうたった鶏卵-(発表情報)_国民生活センター
中鎖脂肪酸はダイエットに効果があるといい、最近女性の間で注目されています。
DHAが含まれる特殊卵も販売されていました。
続々登場する特殊卵。
いったい誰が何のために特殊な卵を生産しているのでしょうか。
取材班が向かったのは兵庫県赤穂市の養鶏業者。
デイリーエッグは昭和35年に創業した大阪圏を販路に持つ養鶏業者です。
開発したのが兵庫県認定食品にも指定された特殊卵「ココナ」。
ココナッツミルクの粉末を添加することで、中鎖脂肪酸を含有する卵の生産に成功したとサイトに記載されています。
鈴木康滋社長は
「エサの価格が高騰しているが、卸価格はあげられない。
ニワトリ一羽あたりの年間の利益は200円程度」と開発した胸の内を語っていました。
付加価値をつけ、卵で少しでも利益をあげたい。
物価の優等生を裏で支える業者の切実な台所事情が見えてきました。