美の壺 「煎じて味わう・日本のお茶」

日本茶インストラクター直伝!お茶の味わいを引き出だす驚きのテクニック▽炭酸からくず粉まで!?オリジナルのアレンジで軽やかに楽しむ▽中国からの渡来僧がもたらした煎茶文化と鮮やかな普茶料理▽修行僧たちの茶礼に込められた教えとは▽黄檗売茶流・煎茶道に宿るのもてなしの精神▽お茶好き!徳川家康をしのぶお茶壺道中行列・口切の儀に密着▽600年の歴史を持つ黒茶・そのお味は?▽お茶がつなぐ人と人<File572>

初回放送日:2023年1月13日

美の壺 これまでのエピソード | 風流

美の壺 「煎じて味わう・日本のお茶」

一口口にするだけで、ほっと心が和むお茶日本で広く人々がお茶を味わうようになったのは江戸時代のこと温かい湯でお茶の葉のエキスを抽出 する煎じるという方法が広まり、手軽に味わえるようになったことがきっかけでしたパーケージスタイルアップしています煎じるお茶は、種類も飲み方もいろいろ六百年 続く泡立てて飲む不思議なお茶もあれば、炭酸を加えた新しい飲み方もお茶を味わう喜びを伝えてくれるのは、色鮮やかな精進料理親しい人も初めての人も、一緒にいただくことで心を通わせます今回は、毎日の暮らしを様々に彩る、煎じるお茶の世界をご紹介します

東京表参道にある日本茶の専門店ですこの店のオーナー綿田義さんは、二十年近く新しいお茶の楽しみ方を追求してきましたこの店で扱っているお茶の多くは、いわゆる 緑茶かつて緑茶といえば宇治と静岡二大山地のものが大半を占めていましたが、法律の改正などもあって、多様な産地のものが手に入るようになったと言いますここ十年、十五年ぐらいの間にシングルオリジンのお茶って言いまして、一つの農園、一つの品種で作られたお茶というものが一般的に流通するようになりまして、シングルオリジンのお茶にしかない個性的な香りだったりとか味わい、そういうものが楽しめるようになるここではお茶の味わいを存分に引き出すためのオリジナルな入れ方をしている そう、最初は温度を下げた湯をゆっくりと注ぎます細い針のようだったお茶の葉が、少しずつ開き始めます濃厚な味わいを大切に引き出すのが一戦目ですうん、次に用意したのは、なんとワイングラス湯を少量注いだ後、氷をぎっしりと急須の中へ冷たくして、お茶のコクを抑えることで、むしろ香りが引き立ちますお茶を入れる楽しみは味や香りだけではありませんお茶の葉の見た目にも注目してほしいと渡田さん水やお湯に触れて、徐々に徐々にお茶の葉が開いて、これ、時間が巻き戻っていく行為なんですよね非常にお茶を作るのに手間と暇がかかってますのでだったらやっぱり楽しむ方も、手間暇かけて徐々に楽しんでいってあげた方が、それがより深くね、お茶を見れんじゃないかなと思います

今日、一つ目の壺は、自由に軽やかに楽しむ

神奈川県川崎市で料理教室を開いている本間節子さんです本間さんは大の日本茶ファン教室にやってくる生徒の方々に、日本茶の新しい飲み方を提案しています皆さん、お茶のことあまり知らないってすごくおっしゃるんです皆さんがとっつきやすいような形でお茶のアレンジもできたら、もう少し間口が広がって日々の生活の中に取り込みやすいんじゃないかなって家にあるものでできるアレンジを心がけているという本間さん気分をリフレッシュしたいときに最高というのが、緑茶に炭酸水を加えたもの余分なものは入れずに、お茶の味わいをそのままに仕上げます続いて取り出したのは、ゆずとすだちそれぞれ薄切りにしてお茶に浮かべるだけで、おしゃれなハーブティー風に早変わりです柑橘の色合いがお茶の緑に生え、見た目も鮮やかこちらオリジナルのアレンジを数多く編み出してきた本間さん新たに 冬に最適なレシピを考案しました料理教室の生徒を招き、味見をしてもらうことにお茶と合わせるのはクズ子ですくず粉に砂糖を合わせ、まろやかな味に仕立てたくず湯を用意その上にお茶を注ぐだけで出来上がりですぬくもりが、いつまでも 続くくず入り煎茶ですさて、二人の反応は美味しいなかなかの好感触ですプロットして飲みやすかったです私はクズと一緒になってるお茶の初めてなんか家でもできたらなと思ったり、一つのお茶を開けた時に飲みきるのが意外と大変だという話をあちこちから聞きますし、自分自身もそうなんですね困ったということになった時に、あ、そうだ、ああいう風に入れて、食事と一緒にワインみたいに飲んでみたいなとか、新しい飲み方を提案したいと思っていますお茶本来の風味を大切にしながら、新しい楽しみ方を探し求めるお茶には、まだまだ道の世界が広がっています

大爆襲、大本山満腹寺ここは煎茶文化の始まりの場所ですこの寺を開いたのは、中国からのトライソーインゲン隆起前治です江戸時代、お茶の新しい楽しみ方として、煎じて飲む方法を日本に伝えましたインゲンゼンジは煎茶法を伝えただけでなく、もう一つ茶にまつわるものを伝えましたそれが中国風の精進料理、フチャ料理ですふちゃ料理の特徴は、肉や魚に似せて作ったもどき料理こちらは豆腐で作ったうなぎもどき、そしてこちらは長芋に衣をつけてあげたかまぼこもどきですこのふちゃ料理は、客をお茶でもてなした後に続けて振る舞われますお茶と料理には共通するある思いが込められていると言いますフチャと申しますのは、招く大衆と茶を供するという意味がございます四人一択で上下の隔てなく一度に返してですね和気あいあいといただくお茶と料理をいただくときには、立場の違いを超えて中むつまじく時を過ごすそれがお茶とふちゃ料理の伝えるもてなしの心ですお茶は寺の日常には欠かせないもの今回、特別にお茶にまつわる儀式の撮影が許されました座禅に専念する修行精神を終えた後の摂料座礼です十一月の受精精神、お疲れ様でした精神とは精神を集中し、心を乱さないという意味があります厳しい修行を終えた後のひととき、指導役を担う僧侶も交えてお茶をたしなむことで、しばし心身を和らげるのです満腹時では大きな行事の前後など、節目節目にこうした謝礼を行います一緒に帰するとノートいただくということで、その中にもやはりウィアマイナの感謝だの、またそのワゴ ーダのそういうことが含まれている儀式ということですねお茶を通じてその心が一つになると、

今日二つ目の壺は「親しく交わり心をかわす」

戦車をたしなむ芸能戦車道こちらはその一つ、大爆買左流家元の教室です現在家元を務めるのは三代目の数千安高則総称ですお茶席を催す上で最も大切なことは、来るものを拒まずの精神だと言いますこちらのおじくキッサコと書いてありまして、お茶でもいかがですか、お茶でも飲んでいかれませんかというそういう掛け声のようなイチゴ一円一回限りのお客様であっても、もう毎日顔を合わせている馴染みのお客さんであっても、そのおもてなしの質というものを変えてはいけないとお茶室の中には煎茶道ならではの飾り物もお茶でもいかがですかと呼びかける掛け軸の下には、主催者である摂取がしつらえたもりものが備えられますザクロは子孫繁栄、松は不老不死、百合根は年の功を重ねる縁起の良いものや季節のものをあしらい、客と言葉を交わすきっかけにもしますお茶室が整ったら、客を迎え、手前を披露欧州梅雨流では椅子に座っての流麗を作法としています大切なお茶を汚さぬよう、はじめに浮上の手とされる左手やお茶の道具を副作で清めます一般的に知られているお茶の入れ方は、急須にあらかじめお茶の葉を入れ、その後にお湯を注ぎますしかし、オオバクバイザリューの作法は全く違いますまず急須を直に火にかけ、沸騰するまでお湯を沸かしますそして熱湯の中にお茶の葉を一気に入れるのです音が鳴ると同時に、 やはり部屋中にですね、 そのお煎茶の香りが立ちまして、もうお茶の空気に包まれるという、そういう幸福の一旦と、その地域との親睦であったり、親子の語らいであったり、そういった他愛のない時間、その中に真ん中にちょうどこの汚染者というのは存在すべきかなと気配りの行き届いた煎茶の席そのもてなしの精神とかぐわしいお茶の香りが来る人を優しく包み込みます

日本有数のお茶の産地静岡。中でも阿部川水系沿いの山あいに広がるお茶の畑は寒暖の差が大きく、おいしいお茶ができることで知られています。ここでとれるお茶を気に入り、愛飲していたのが鹿の徳川家康です。家康は晩年を静岡で過ごしました。久能山東将宮に眠っています。家康は春の新茶を峠の蔵に保管させ、秋になるとその熟成した味わいを楽しんだとされています。その故事にちなんで、家康にお茶を禁じるのが口切りの木。千社道清風流家元運の春童総称が取り仕切ります。扮装した行列が本殿に向かってやってきました。家康も自らの住む寸婦場まで、このようなお茶壺道中を仕立ててお茶を運ばせたと伝えられています。
「秀吉や信長のように茶室を持ったり、あるいは茶道具に凝ったりという方がいたけれども、美味しくお茶を飲むためにここまでやった人はいないんじゃないかと思います。そのくらいお茶にこだわりがあって、美味しく飲みたいという願望が強かったと」
ケンジロウ茶は、家康の時と同じく、蔵の中でおよそ半年かけて熟成させたものです。運のさんは、新しい年への願いを込めて一時をしたためます。それは徳前年に書いた服と合わせると福徳他の者に恵みを与え、自らは徳を積むという意味だと言います。
「連綿と続いてきたお茶を愛する心、封を開けたお茶の代わりを一番先に書いたのは私ですから、正直言いやすくごめんなさいという気持ちで美味しく入れて飲ませたいなっていう気ちになりましたね」

今日三つ目のツボは、味わいと思いは時を超えて

富山県東部、阿蘇市長のビルダン地区。ここには室町時代からおよそ六百年続く独特のお茶の文化があります。そのお茶をみんなで楽しむ場所がこちらの建物。週に四回、地元の人たちが集まってお茶を味わいます。お茶の準備は豆板製。今日の豆板は松原千代子さんです松原さん。グラグラと煮えたナベにお茶の葉が詰まった袋を投入。普通のお茶の入れ方とはだいぶ様子が違います。
「ずっとグラグラ煮出さないとダメなんです。二十分くらいのことは炊けますね。小さいところから戻りますね」
鍋の中はいつの間にか真っ黒に。でも失敗したわけではありません。お茶そのものが独特なのだと言います。今年できたお茶を見せてもらうと、緑茶とは全く違い、
焦げ茶色をしています。地元の商工会で働く平木敏明さんは、およそ三十年間、このお茶を作り続けてきました。「クロチャと申しまして、フローチャー五百個茶です。乳酸菌あるいはチーズ菌、あるいは納豆菌のような菌で発酵させていくお茶です」
黒茶になるお茶の葉は、普通の緑茶と同じものです。違うのは、お茶の葉を刈り取った後室に入れて、およそ四十 日乳酸菌などの働きでじっくりと発酵させてから、天日で乾燥させて作ります。紅白紅茶と呼ばれるお茶の一つです。この黒茶は飲み方も独特です。ビルダー生まれビルダー育ちの谷口久美子さんに飲み方を教えてもらいました。
「これにいっぱい入れて、この茶性はこれ、ミオト除染です 二つつないで、これで甲府でも売って、ちょっとちょっと浮かすようにして、左右にぶつけるだけでパタパタとするだけで、これがバタバタじゃないです」
泡立てるのには理由があります。一つは熱いお茶を冷ますため、もう一つは舌触りを滑らかにするためです。
「これぐらいになったら、これ、何の差もありませんどうですか、美味しいです」
かつてはそれぞれの家で開かれていたというお茶の集まり。お茶作りに携わりながら、ひらきさんはこの集落の変化を見つめ続けてきました。
「三十年前はしっかりと各家庭でお茶会を一日だけ二時間三時間世間話をしたり、悩み事を相談したりというのはされまして、このブラック自身が一つのまとまりのあるでかい家族のような感じを受けたんです。この黒茶は文化としての捉え方をして、このブラックを守っていかなきゃいけないと」
温かなお茶がつなぐ人と人、古くから続くお茶の風習がその大切さを語りかけてきます。