織部焼 に見惚れた料理人・奥田透さんによる、織部と料理の組み合わせの技！▽古美術商イチオシの、ゆがんだ「沓（くつ）茶碗」とは！？▽美濃の織部焼が、なぜ京都で大量に発見されたのか？▽２００もの織部の型を写し取った陶芸家が追及する、織部の技法とは？▽耳の長いウサギに、かごの目…織部に描かれた文様は、いったい何を意味しているのか？▽革新の精神を受け継ぐ、現代織部のド迫力！＜Ｆｉｌｅ５６３＞
放送：2022年8月5日
美の壺「桃山の革命 織部焼」
桃山時代に誕生した独創的な器があります
織部焼です
不思議な魅力を醸し出す
村のある独特の緑のびのびと描かれた文様は抽象画を思わせます
さして個性豊かな形いう気ままな姿は表現者
つまりひょうきん者と喜ばれ一世を風靡しました
織部焼の由来は桃山時代の茶人
古田織部千利休の後継者で茶の湯のリダ的存在でした
その織部が特に好んだことから
先の名が付けられたと言われています
そして今桃山織部の精神は現代の作家たちに受け継がれています
それぞれが追及した今の時代のオリベットは
今日は味わうほどに
奥深い織部焼の世界をたっぷりご紹介し
ましょう
東京銀座日本料理店を営む奥田さんです
普段からさまざまな器を使いこなしますが
中でも織部焼に強い魅力を感じています
ま器が好きになって一番こう惹かれたのは私はあの織部の白と緑
あの料理を引き立ててくれることはもちろんですけど
なんか持ってる時に
すごくこう楽しさを感じさせてくれる器かなと思います
こちらは鳴海織部という種類の織部
焼織部湯と呼ばれる緑に赤のコントラストが印象的です
この器に合わせるのは
羽生色と形が響きあうようバランスを見極めます
器
と料理に共通する緑赤白が
小気味よく寄り添います
あいにくのチョンとした赤い点ですとか
あとはあのちっちゃなミニオクラがこう少し覗いていたりです
とかまあその辺が周りのこう楽しさと中身とか
あのー調和すればいいのかなというか
こちらは青織部織部
湯を一部にかけじの部分には絵付けがされています
盛り付けたのは鰹のたたき
大ぶりの赤身の下に長いもの代薬味野菜の緑が顔を覗かせています
そして織部湯を全体に施した総織部
真ん中には青をアクセントにした現代の織部焼
です
ここで奥田さん櫛で新規を焼き始めました
赤く踊るような禁忌の姿
永久に輝く織部の海がどっしりと受け止めました
器で大体見てても
なんかいっぱいお酒飲めるぐらいの迫力はあるんですけど
やっぱりそこに
もうヒレの経った今度は力強い者をがちっと貰わないと
多分器とのバランスが悪いんじゃないかなと
織部焼はいつ見ても新しく感じる
これに対してどう向き合うかっていうのは
ま本当に何かワクワクするえードキドキする器だと思ってます
今日一つ目のツボは姿に驚き
使うほど心躍る
京都東山区骨董展が軒を連ねる通りがありますの美術商の家事
高木さんかじさんが特に気に入っているというのが
桃山時代の織部焼の茶碗です
普通はこういう風に緑の釉薬が変わっているものが多いのですが
これは織部グロと言われるちゃんですね
独特にこの時代は歪みが入る特徴器全体を追う黒の釉薬
ろくろをひく際に刻まれた強いろくろ目と大胆な歪みが印象的です
新歓が履く靴の形を思わせることから沓茶碗と呼ばれています
これが流行る前っていうのは以前は唐物の時代
唐物は基本的にはシンメトリ左右対称であるとね
整った形のものが好まれていて
その次にあのやがて離宮があの高麗なものと理由になります
広大なものは嫌や左右が均等ではない
少し崩れた形をするんですけれどもそれはまあ
面白いねこの崩れ片側とか
ここの左右の高さが少し違うところはいいじゃない
みたいなことを言ってきたんでしょうね
でそれがどんどんどんどんエスカレートしていって
こういう表現をするようになるんですよね
織部焼が生まれた桃山時代は
南蛮貿易により輸入品が盛んに取引されていました
それまで目にしたことのない世界中のものや人が行き交い
人々の好奇心が刺激されます
町中では派手な衣装で着飾った歌舞伎ものも登場
開放的な時代の空気
その中で織部焼のような常識にとらわれない焼き物も
人気を博したのです
こうした器をこよなく愛したのが茶人古田織部でした
織部焼の名は彼にちなんでつけられたとされています
プル
た織部の茶会に招かれた証人の記録が残っています
茶碗歪みそうろうなり
ひょうげものなり表現者とはひょうきんなおどけたという意味
織部が披露した沓茶碗のデザインにいたく
驚いた様子が伝わってきます
この日かじさんの本に老舗料亭の料理人たちが訪ねてきました
細
取り上げよう
あの靴じゃんでおもてなし
ちょっと困りますよね
どこから飲もうかなってこっちが勝負こっちが商売なんですか
いやうまく飲みやすいところを正面に持っていって
飲むしかないと思っております
四百年前もそうしてきっとみんな困ったんですよね
ひょうげたってのはそういうことから言うんでしょうね
これはつまり
そういう謎掛けをぽんと渡されたみたいでという話題が
そう提供できるお茶碗を作ったのかもしれないですね
面白いっていういつの時代も人々を驚かせ楽しませ
続ける織部焼です今度は何書いてるんですか草刈さん
まずはね焼き物のイメージを膨らませてね
どうですかこれなん何ですか
これ何ですかってこれ人形まさお人形いやだって織部焼はね
自由に何でも作ってもいいってこの本にね書いてるんですよ
だから僕もそれに倣って自由な焼き物
はい
織部
焼は当時日本最大の焼き物の産地である
味の地方今の岐阜県で作られていました
桃山時代に使われた大型の窯跡が残っています
織部焼は美濃の窯元がデザインから生産まで全てを担っていたと
長らく考えられてきました
しかし革新的なスタイルを持つ織部焼がなぜ美濃で生まれたのか
大きな謎でした
昭和六十年代から平成元年にかけ京都で大きな発見がありました
三条通の一角で大量の美濃の焼き物が出土したのです
出土した先天あまりのうちおよそ半数が織部焼でした
生産地以外でこれほどたくさんまとまって出てくるということは
ここが初めてということでして
これは一般的な町家やお屋敷で使う量だけではなくてですね
やはり焼き物問屋があった
そういうことがま分かった場所ということになります
当時この場所三条通りのこの場所がですね
この流通の拠点でもあった
ということが証明されたことにもなります
焼き物問屋の発見によって
京都から美濃への発注があったのではないかと西森さんは言います
さらに当時三条通りには焼き物や絵画
染め物などの店があったことから
そうした他のジャンルの職人たちの交流もあったのでは
と考えられました
こちらに青織部の包む付けというものがございます
でこちらですね
下から見ると非常に丸い形をしているんですけれども
上から見ると四角形をですね
一部へこました形をしていると
これがまこの当時のやはり後であったり
当時の考え方をよく示している器ではないか
という風に思っています
織部焼京二つ目のツボは
飽くなき形への探求
長野
県長野市戸隠
陶芸家の
小山さん
桃山時代の織部焼に憧れ伝統的な技法を追求してきました
織部焼の多くは土方を使って作られています
舌打ちという技法で
ろくろでは実現できない様々な造形が可能になります
見たものっていうとえーと
一般的には同じものをたくさん作るための手段というふうに
今の人は思いがちですけど
昔はえーと形を使うというのは
えーと色んなデザインのバリエーションを増やすため
の手段なんですね
一つの衣装方があればこう上に立ち上げていけば書きになるし
またようにすれば他にもなるし
小さくすれば小麦粉付けが縞目ざらにもなるし
大きくすれば八にもなるし
織部焼のデザインの魅力は肩にあると考えた小山さん
およそ二百もの織部焼の方を写し取り昨冬を
重ねてきました
織部焼の形をひたすら写し取っていく中で
当時の作り手たちのこだわりをひしひしと感じると言います
これ昔のままの頃の揃え飲むなんかも見ていますとこの縁の部分が
そして均一な幅じゃないものがあのー時々あるんですけど
ま単調になるのはあのーならないで済むということ
ですね
動的な部分というか
動きを意識しているということかなと思いますけどね
小山さんが記録してきた織部焼の研究のとです
織部のデザインには
家紋の製図法が使われではないかと小山さんは推測します
それで恐らく何百という種類のものがあっても
破綻なくあのデザインが決まっているというま
それはやっぱりあのオリビアを作り出した職人集団っていうのが
京都の衣装形あと染色の関係の方ですよね
ま自分たちの持っている業
というものを総動員するっていうことですね
飽くなき形への探求から生まれた織部焼の豊穣な姿です
そうそうそうそれじゃあねこれはどうです
これ何ですか
いや常識にとらわれないこの形ですよ
ええ見たことないでしょこんな湯飲みまあ斬新ですけど
でもお茶飲みづらそうな良い良いよあれ
花花がちょっとあれだね駄目かな
これ
織部焼
の名品の一つと言われる織部松川ひし形て罰
です
器から持ち手が伸びるという斬新なデザイン
そして伸びやかに抽象絵画のように描かれた文様
日本の焼き物の歴史の中で
これほど多様な絵付けがなされたのは
織部焼が初めてだと言われています
焼き物の歴史を研究する荒川静香さん
一見自由な織部焼の文様には
ある願いが込められていると読み解きます
その模様が描かれる
っていうことは
そこの器にあるてま性というか意味を持たせる訳ですけれども
それを見ていきますと二つの大きな意味があるかと思うんですけど
まずは結晶性
つまりその器がどれだけめでたいかっていうことで
おめでたいようなあの意味を持った草花とかそういう
モチーフ描いていくわけですけれども
一方でえー邪気を払うっていうんでしょうか
その器にこう汚れがあの入ってこないようにっていうか
そういうことで
汚れを払うという意味での魔よけ的な意味のモチーフってのは
結構多いんですね
知られる藤野あるいはそこに何かいい気が充満していて
あるいはそこに何か神様がこう下りてきてるって言うんでしょうか
そういうことを表すような象徴じゃないかなと
こちらは篭の目の文様
六芒星に見えることから魔よけのモチーフとされてきました
耳の長いうさぎと垣根明音は
邪気を祓う決壊ではないかと荒川さんは考えます
ま戦の絶えなかった
桃山時代っていう時代のこう考え方っていうのは
全てこう清らかである
というかいい気があそこに宿ってるっていうことになりますと
自分のあの生命も完全にとか
あるいはあのー命長らえるっていうことにもなるでしょうから
そういうものをおそらく運用によってね表現し
て感じるっていう風にしたんじゃないかと思いますけれども
今日最後のツボはまだ見ぬ景色を求めて
岐阜県多治見市織部焼の生産地では
今もその精神が陶芸家たちに引き継がれています
陶芸家たまおき康夫さん祖父の代から続く窯元を守っています
目指すのはまだ誰も見たことのないおいで焼き
たまおきさんの作品
天空
漆黒に
浮かび上がる織部ゆの星星
伝統的な織部の技法を使いながらも
現代の技術だからこそ出来る表現を模索してきました
俺野球は本当にあの当時で言ったら
もう心的なものすごくあの近代的な焼き物っていうか
前衛的な焼き物だったと思いますよ
今までの道を離脱するっていうか
超越してあのー
新しいあの作風なり焼きを
そういうその当時の投稿の精神が折り目の精神だと思っており
米とはそういうもの
だと思ってたま青木さんの思いが強く現れているのが
こちらのまな板ザル
緑の中に炎のような赤の釉薬が渦巻いています
緑と赤この二色を同時に発色させるのは至難の技
たまおきさんは研究を重ね
複雑な温度と炎の焼成法を発見全く新しい織部焼を生み出しました
一方こちらは複数の土を継ぎはぎした作品
緑と赤の表現だけでなく
陶芸には不向きな土をあえて使ったという挑戦的な試みです
伝統っていうのは変わらないのも伝統だし
もうその時代
時代でこう変わり続けていくのも伝統だと思っていますから
全然あの店頭解脱してるとは自分では思ってないですね
今の伝統を作ってるっていうそういう思いでやってるんですけど
表現の地平を切り開こうとする織部焼の
精神今も変わらず見る者
の心を動かし続けます