「飾らない美を未来につなぐ〜 岩手 漆器 〜 」イッピン

「飾らない美を未来につなぐ〜 岩手 漆器 〜 」イッピン

岩手県北部で作られる2つの 岩手 漆器 ・浄法寺塗と安比塗。いま、若手の職人たちが地未来に向けて、新たな挑戦を続けている。伝統を受け継ぎながら、工夫を重ねる姿を紹介。 岩手県北部は、国内最大の漆の産地。その良質の漆を使って全国に知られるのが、浄法寺塗と安比塗だ。絵柄もなく装飾もない、無地が特徴。いま、若手の職人たちが、伝統の技にさらなる工夫をこらし、これまでにない漆器を生みだしている。一つは木目の椀。漆を何度も塗り重ねるという、従来の特徴は生かされている。もう一つは「通常の漆器では見られない形」の小鉢。どんな方法で困難を克服したのか?わざと工夫を見つめる。

放送:2022年9月30日

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イッピン「飾らない美を未来につなぐ〜岩手 漆器〜 」

岩手 漆器

内側と外側で鮮やかなコントラストを見せる漆のお椀
中は趣味一色ね外は美しい木目がくっきりと透明な漆が塗られています
そうですね内と外で漆の塗り方を変えているんです
社こちらはへの中にすっぽり収まる漆の小鉢
どこかモダンでかわいらしい形が人気を呼んでいます
一般的な漆のお椀と比べると違いがわかりますか口の部分が狭くすぼまっています
その上深さがあるうわ漆器としては珍しい形なんです
こちらも作られたのは岩手県若手の職人達が受け継いだ業に新たな工夫を凝らしました
その現場に迫ります

岩手県北部安比川流域にする二戸市浄法寺町
この辺りは日本最大の漆の生産国産の漆の七割以上がここで撮れます
国宝などの文化財を修復する際には個々の漆が使われます
そんな良質の漆が取れることから素朴な漆器が作られてきました
その技に磨きをかけて独特の漆器を生み出すようになったのは
千九百八十年代の半ば意思を何度も塗り重ねた滑らかな手触り
絵を描いたり飾り付けたりは一切しません
一食だけの素朴な味わいが人気を博し
上坊ジブリとして全国に知られるようになりました
その工房を訪ねました
こんにちは岩館たくみさんです
たくみさんはこの工房の二代目父を師と仰ぎ修行を積んできました

父岩館高三条坊人類の大地現者と言われる人です
職人としていつも心がけていること
それは大事なのは均等にどうしても均等にすることによって
その丈夫さっていうかそういうのも出てきますので
そんな父の仕事ぶりを間近に見ながら育った匠
三十一歳で弟子入りします
漆を均等に塗るそれを何度も繰り返し
しっかりした漆の層を作る父の技を自分のものにしたいと必死でした
やがて職人として自信が持てるようになると
ある思いが芽生えてきますこれまでにない上防塵塗りに挑戦したい
そうして生まれたのがこの終わんでした
内側は父から受け継いだ上防塵塗りの技法で仕上げ
外側は僕目がくっきりと浮かび上がり透明な漆を塗っています
内側と外側で全く違った印象を与える漆器でも
どちらも漆を塗り重ねて有効に仕上げているのです
内側やっぱり重ね塗り
あのいい漆を使って重ねるっていうやり方ではやりたいなと
ずっと思っていてで外側をどうしようかって考えた時にやっぱり綺麗に見せたいので
やっぱり目芽が出た方がいいなと思って思い立ったのは
十年以上も前のこと
しかしいざ挑戦するとなると
まだまだ修行が足りないという思いがあったといいます
ずっとあの昔からそう思ってたんですけど
なかなかその作るまでに
そのこっちの工房の者がなかなかこう
自分コントロールできず失敗したりする部分もあり
でもようやく安定して作れてきてで
そこでもう自分のものにを作れる余裕が
やっと出てきたのかなっていう
目名を見せる漆器は他の産地にいくらでもあります
問題は目目を見せながら正法寺塗りらしい仕上げにすること
まずはどんな木を土台にするか通常は土地や水目の気を使います
こんにちはうんはい漆が乗りやすいというのがその理由です
でもこれでは美しい木目は出ません
どんな木を使えばいいのかそれが最初の課題でした
選んだのはケヤキです
目目がくっきりと鮮やかな木目の筋が大きくて
奇麗に出てるところがやっぱり気が気のいいところかなと
しかしけやきには大きな問題がありました
表面を拡大してみます
ミズメに比べケヤキの方は全体にでこぼこしています
これでは漆を塗っても表面は平らになりません
上坊人類の特徴である滑らかな手触りが出せない
それではせっかくの朝鮮の意味がないたくみさんはそう考えました
問題を解決するために取り組んだのが下地作り
他の産地では一般的ですが
消防ジノリではこれまで行なわれてきませんでした
錆土と呼ばれるきめ細かい土を使います
これででこぼこラクスのです漆で練ってペースト状にします
これをケヤキの表面に売り込んでいくのです
乾くと硬くなり漆が乗りやすくなります
このサビ塗をどこまでしっかり行うか
それが限りになるとたくみさんは考えました
それは稀に穴が開いてしまうことがあるからです
一ミリにも満たない穴ですがこれでは上坊ジブリとは言えません
木目のへこみをきれいに埋め込む
どんな小さな穴もできないようにする
一度塗り終わったら一日を置いておき
またしっかりと塗り込めていく
こうして三度に渡って錆び塗りを行います
凹んだ部分をきれいに埋めることはできたのか
木目はどうなったのかそれは研ぎだす作業で分かります
奥目が見えてきました
錆土がへこんだところにしっかりと定着し
木目が黒く浮き出しました
そして全体が滑らかに仕上がっています
ここで漆を塗り重ねていきます
使うのはもちろん
地元で採れた漆良質な漆は
透明度が高いので奥目を生かしてくれます
更に伸びがよく表面に広がってくれます
たっぷりと均等に塗り終わったら
和紙で素早く拭き取ります
この作業を二回三回と繰り返すうちに
秋が増してきました
雑な工程を経て出来上がったこのワン
何かを掴んだという実感が湧き上がったといいます
手間がかかるって事にそこまで抵抗がないというか
手間がかかろうが何しようが一つのものを作る上でそれは大事なもの
のステップとしかないなっていう
木目の美しさ
それを包む透明な漆はどこまでも滑らかです
父から学んだジョージ塗りの技
それに磨きをかけ更に進化させたい
そんな意気込みを感じさせる漆のお椀です
ある今までのその情報
ジノリの色っていうのはやっぱ勿論大事で
それは受け継いでいかなきゃいけないものだと思うんですけど
そこからさらにこっちから提案できるもの
こういうの入れたら面白いですよっていう
ようなことを提案できるような器を作っていければいいのかなって

岩手県北部の漆の森で働くのは漆掻き職人
気に傷をつけると樹液が溢れ出てきます
あ漆傷口をふさぐとして出す命の雫です
漆をとる時期は六月から十月まで朝早くから日が暮れるまでひたすら描き続けます
それでも一日でとれる量は一リットル程度
芸者のある森の中を動き回る重労働です
後継者不足が問題になっていました
そこで二千十六年から地元の自治体が漆掻き職人を募集
それに応えてこれまで全国から十二人の若者が
地元の職人に弟子入り技術を習得してきました
長島まどかさんは埼玉県出身二十八歳の時ここに来ました
楽しいというか自分の成果が寮になって目に見えてわかるので
その時の書き方の良かった悪かったがすぐ分かるのは三年前
今では後輩たちを指導する立場です
大丈夫大丈夫ですか
学校入ってない
止めたところがこういう段になるからへらで行った時に
ここにあたって
羽田若い世代が活気をもたらしたのは
いるしか着だけではありません
正法寺町と同じ安比川沿いにある八幡大使安代地区でも
地元の漆を使った漆器づくりが行われています
安比塗です
およそ四十年前研修所が設けられ
漆器を作る職人を養成してきました
これまでに七十人以上が
技術を身につけ巣立って行きました

卒業生の一人そうりささんです
不動産は奈良県出身二十三歳の時に研修所の門を叩きました
ここでの生活も二十年新たな漆器を模索し形にしました
それがこちら手のひらに収まるほどの小鉢です
そこが深いこの形が従来の漆器には見られない斬新なものだと評価されています
二人の子供を育てる母親でもある
不動産もっといろいろな料理が楽しめる漆器を求めていました
いわゆる伝統的なシルワン
こういったお味噌汁
椀っていうのをあの一番に思い浮かべる方が多いと思うんです
けれどもそれだけではなくて
今の生活様式にもあっても違和感のないような
そういった式をこう作りたいという思いで考えた形になります
これなら和食に限らず洋食屋デザトにも使える
漆器の可能性を広げてくれると考えました

ところが作品を作って研修場時代の師匠に見てもらったところ
厳しい言葉が帰ってきました
もう師匠からはあのすごい塗りづらいから
俺はもうそれは作りたくねーって言って
一目見て塗りづらい形だと見抜かれてしまいました
家が狭い割に深さがあり漆を塗る際
道具が使いにくいというのです
この口がちょっとこうすぼまっていて
あと深さが割とワンと変わらないぐらいあのありますので
刷毛のこう角度を変えたり
っていう自由が聞きづらいっていうことが
ちょっと難しいと思います
牛を塗る時に使うのは履け口が狭く
底が深いのでこれが動かしにくい
また刷毛の先が見づらいとも指摘されました
本当にそうなのかお椀と比較してみましょう
お椀は口が広く底が浅いので内側がよく見えます
ところが小鉢では見える範囲が狭くなります
さらに内側を塗る時はけを動かせる範囲が狭く
思うように塗ることが難しくなるのです
でも不動産はきっとうまくいくと考えていました
好きなんですかね
なんかこうちょっとこう困難っていうかちょっとはドルがあって
それをこう超えて
またどんどんあのー
次のステップに進めるみたいなことが多分好きで
うん明けの動かし方
小鉢の持ち方など様々に工夫し試行錯誤を重ねました
そしてついに納得のいくものができるようになったと言います
八の落ちがそこの部分も口に近いあたりも
むらなく滑らかに仕上げられています
明けの角度を一定にすることがポイントだと言います
手や手の動きがよく見えるように透明な器に塗ってもらいました
まずお椀からそこを塗る時と上の部分を塗る時では
右手で持った刷毛の角度は同じです
お椀を掴んだ左手の角度もほぼ同じでした
今度は小鉢の方です
右手の刷毛の角度はやはり同じ
しかしコバチを持つ左手はそこと上の部分で
角度を変えていました

さんは左手で小鉢の傾きを変えながら
刷毛の角度を一定にしていたのです
研修女で基礎をしっかりと学んだことが役に立ったと
工藤さんは言います例えばこの片口お酒を入れる漆器です
注ぎ口が小さく複雑な形をしています
修行時代これに苦労しました
きれいに漆を塗るためには
刷毛の使い方器の持ち方を考えなければなりません
複雑な形に合わせて工夫をしなきゃいけなかったですし
こういう形だったらどういう乗り方をすればうまく行くだろう
っていうのをこう考える訓練みたいなのを
すごくさせていただいたと思うんですね
頭の中であれこれ考えて思い悩んだのではない
右手と左手が自然と動いて正解に導いてくれたと言います
一気にはまだまだ可能性がある
日にちの暮らしを豊かにしてくれる形がもっとあるはずです
これからもそれを追い続けたいと言います
時代ってどんどんどんどん変わって移り変わっていく
そこに柔軟に対応していけるようなモノづくり
使っていただける人があって
こその生きていく器だと思っているので
これからもその使う人のことを気持ちをこう考えながら
喜んでいただけるようなモノづくりをしていきたいなっていう風
に思っています
岩手県北部伝統の技を受け継いだ漆職人たちが未来に向けて挑戦を続けています