感謝や祝福などの思いをこめて贈る「花束」▽フラワーデザイナーのローラン・ボーニッシュさんはフランスの田舎の庭をイメージ▽ジュエリーデザイナー出身のフラワースタイリストが花で表現する夕暮れの景色とは?▽京都で30年近く続く花屋の店主は、西陣織から影響を受けて、中間色のグラデーションを!▽花瓶ではなく壁に飾る、新しいスタイルの「スワッグ」とは?▽花束に見立てた多肉植物の贈り物も!<File483>
【出演】草刈正雄,ローラン・ボーニッシュ,浦沢美奈,田口一征,田辺麻美,壱岐ゆかり,近藤義展,【語り】木村多江
放送:2019年9月20日
美の壺「あの人に贈る 花束 」
人から人へ思いを込めて贈る花束
相手の顔が汚れがあるのか本当に嬉しくて
ある時は祝福の気持ちを色に託して
またある時はあの人に見せたい景色を託して
花束は送る人の気持ちを饒舌に表します
女性に会うの場合はシャンペンじゃないです、花束
新たなスタイルの花束も次々登場
個性を競います
今も進化し続ける花束の魅力に迫ります
東京渋谷区
店先に緑が並ぶ花屋
中へ入ると実はカフェ
ここは花屋とカフェが一緒になった店です
カフェからふらりとやってきたのは女の子
お母さんと一緒におばあちゃんの家に行く途中
花束をお土産にしたいのだとか
黄色い花と青の花がいい
どこに飾る
お店
この黄色もきれい
そっち入れたい
店主の田辺麻美さん
手頃な値段で印象に残る花束を心がけています
できたのはカラーやケイトウの黄色と青のエクメアブルベリのコントラストが鮮やかな花束
かわいい喜んでもらえると思う
会話してお客様とやり取りしている時にいっぱいどうでもいいことも話したりしながら雰囲気を
そのお客様の雰囲気もくみ取れたらなと思うので、自分よがりにならないようにと
この店で依頼が多いのは三千円台の花束です
アルストロメリアやジンジャーなど
長持ちする物を角度や高さを変えて束ねボリュームを出します
周りにはグレープフルーツミントなどの縁をあしらって
ラッピングも三種類重ねます
今までお花屋さんに行きづらいなって思ってた人とか買ったことない人でも
気軽に立ち寄って買って頂けるよう二と思って
花を身近に楽しんでほしい
そんな気持ちにあふれた花束です
今日一つ目のツボは日にち鼻に親しむ
年間五億本以上の花が流通する花市場
ここに足繁く通うのはフランス人のフラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさん
今日はぺんぺん草とバジリコ、ちょっと可愛いですね、色的には結構他の花にあうので
ロランさんは二十年前フローリスト養成学校の講師として来日
以来、フランス流の花の楽しみ方を伝えてきました
フランスは男性はよく花買います
遊びに行く時など手ぶらでは行かれないだから、花買ったりすれば喜んだりする
女性に会うの場合はシャンパンじゃない花束
この日のテーマはフランスの田舎の庭
バラやダリアを中心に全部で十七種類の花材を揃えました
まず最初は茎が最もまっすぐなバラ
そこに様々なグイーンを重ねていきます
隣り合う花の向きと高さを緻密に調整
茎を斜めに重ね螺旋を描くように回していく
これはスパイラルという手法で花をふんわりと束ねられるといいます
ローランさんはエノコログサなど雑草と呼ばれる草も
積極的に取り入れてきました
他にも来日当時は珍しかったものに目を付けます
ベニスモモやヒメミズキなど
これらはかつて生け花に使われていましたが花束の花材として使い始めたのです
あの日本の葉ものは枝は曲がってる、葉っぱは虫喰いしてるで自然の近い状態になってる
だから綺麗に美しくにおもいます
花と一緒に組み合わせすれば周りに自然なものが来るので綺麗に見えるようになります
出来上がったのはフランスの庭の風景をそのまま包んだような楽しげな雰囲気の花束です
日本で出会った草花を生かしたローランサンならではのスタイル
一人でも多くの人に鼻に親しんでほしい
そんな思いが生み出した花束です
かさねる
オーダー専門の花屋を営む人がいます
田口一征さん
花屋の前はファッションやジュエリーのデザイナーでした
その時からなんですけど花ですとか植物とか昆虫とか、
わりと自然のものからインスピレーションを得ることが多く
そういうものに惹かれていた部分はありますね
やはり消えてなくなってかれてしまうものだから、その時が花も美しいですし
なんかこっちまで何か美しい気持ちになるというか
田口さんが作った花束です
強い色同士も品良く調和させるのはデザイナならでは
そんな田口さんの元にはこれまで様々な依頼がありました
その方は作家さんのアシスタントの方なんですけど
その作家さんが完成してちょっとお疲れさまじゃないですけど
あのお花を贈りたいとあの青からオレンジのすごいきれいなグラデションの夕焼けを
連想させるようなお花を贈りたいっていう依頼だったんですね
用意したのは夕焼け空を切り取ったような色の花
まずピンクのアスターを中心にトルコキキョウ、紫陽花など薄い紫をつなげます
濃いオレンジのガーベラをピンクの横に
間に隣り合う色に近いバラを指し色の繋がりを
今これちなみにこのオレンジが色が強いので
その上にちょっとピンクを重ねて見える量を減らしています
さらにラッピングでも色の調和を意識
薄いオレンジその外側にグレーと日が沈む様子をイメージしました
田口さんが花束で表現した送り主の気持ち
執筆で外に出られなかった作家の先生に見せてあげたかった風景です
作家さんが美しさにお花の美しさに絶句したと
なんか夢のようなお花でした、ありがとうございますとなんかとても感動しているという
お礼のメールをいただきました
花が主役のシチュエーションっていうほぼないんですよ
例えばお誕生日会とかまあのお祝い事その事実がす素晴らしく素敵なことなのであって
それにこう寄り添えるような花を作りたいなとはあの理想としてはあるんですけど
人に寄り添い思いを届けてくれる花束
今日二つ目のツボは色が織りなすあの人への思い
京都中京区
ここで三十年近く花の贈り物を手がける人がいます
浦沢美奈さん
上品な色合わせが得意で全国にファンを持ちます
薄い色をちゃんとこう使って派手に見えるようにやってある
こちらのお客さんは友人へのお祝いの花束を買いに来ました
ナチュラルな人で、庭にジャスミンの木があったり
だったら白い花とか珍しいね
メインは四種類のバラ
ワレモコウの赤をアクセントにスモークグラスやピスタチオのグリーンで仕上げました
もらったら嬉しいという感じ
私も差し上げるのが楽しみです
浦沢さんが好んで使うのは中間色の花
その原点は生まれ育った西陣にあると言います
中間色を選んだのはあのやはり西陣織とかそれから着物の和装の世界ですよね
子供の頃にあの織機っていうんだと思うんですけれどもその糸と糸がこう重なっていく
姿っていうのをあのーよく見かけたんですね、お友達の家で
それを見てると全然飽きなくってずっと見てしまう、綺麗やなと思って
お花もひとつひとつが持ってる色と形っていうのがあってそれを重ねていくことによって
ひとつのあのものが生まれてくるっていうのが似てるなと思います
この日は友人へのお祝いのために作ります
使うのは色と形が少しずつ異なる六種類のバラ
束ね方にも工夫が
面がやっぱり平らになっている方が色がしっかりと重なっていくのが分かりますので
一枚のキャンパスに色を落としていくようなそういうイメージです
一本でも美しい花
それをどう束ね見せるか
色のニュアンスを緻密に考えていきます
お花が強調するとか主張するとかそういう風な形にならなくってだけど心にすっと入ってくるものって
考えた時にやはり自分の中には中間職っていうのがあったと思います
様々なピンクの濃淡が溶け合い一枚の絵のように
優しさと華やかさを併せ持つ花束となりました
贈るのは最近アトリエを開いたお菓子作家の友人です
おめでとうございます
ありがとうございます
お花を選んでくれた時間お花を選んでくれたっていうことと時間を使ってくれたんだなっていうのでよりあの嬉しさが増します
相手を想い贈る花束
その思いは花の記憶としていつまでも刻まれます
いつまでも
今新しいスタイルの花束が注目されています
一見普通の花束ですが茎の部分がそのままです
実はこれ逆さに吊るして飾り、ドライフラワーになった姿も楽しめるスワッグという花束です
フローリストの壱岐ゆかりさん
店で余った花をよくドライフラワーにしていたことからスワッグを手がけるようになりました
きれいになるドライになる花材をだけを使って束、ブーケを作ってみようとか
ブーケだとちょっと飾りにくいかもしれないから花をプロダクトとして考えられるような
ポスターのようなインテリアの一部となるスワッグの形にして作ってみようっていう風になりました
スワッグの材料には乾燥に強く形が残りやすいものを選びます
長くて強度のあるものを土台にしてそこに草花を差し込むように入れていきます
乾燥しやすいように長さと間隔を調整します
後から縮むことを計算して、全体のボリュームは大きめに
スワップが完成しました
このまま壁を飾る花束として楽しめます
スワッグだと朽ちていく過程も一緒に共有できて
色合いがどういう風にグラデションとしてかっこいい茶褐色になっていくっていうのを楽しめる
一月後
落ち着いた茶褐色になりました
このままの姿を楽しむのもいいのですがスワッグのもう一つの楽しみはこれから
生の草花を足しシックになった色合いに彩りを
その時期その時期のものを加えることで異なる季節が一つの花束に融合します
贈ってくれた人の思いに自分の気持ちを重ねるよう様々な草花が寄り添います
育ててる感覚というか自分でいただいたものがそのまま記憶としてだけではなくって
インテリアの一部としてなってくれてるっていうのがすごく楽しいとという声は多く頂いてます
今日最後のツボは共に暮らす楽しみ
バリューコマース
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