日曜美術館 「春 はじまりの旅 アート×坂本美雨」

2024.03.17.日曜美術館「春 はじまりの旅 アート×坂本美雨」

4月から日曜美術館の司会を務めるミュージシャンの坂本美雨さんと、アートの旅に出かけます。まずは、下町の情緒あふれる東京・谷中へ。ある彫刻家の自宅兼アトリエがそのまま残された空間を体感。箱根の森では、モネやピカソの傑作と対面し、巨匠たちの時代へタイムスリップ。そして、小田原の海を見渡す丘にある壮大なアートスポットで、敬愛するアーティストに出会います。

初回放送日:2024年3月17日

日曜美術館

今日はお空も真っ青だし、まだちょっと肌寒いですが、今日はアートの旅ということで、東京都内の美術館に向かっています。

坂本美雄さんは、音楽家の両親のもとに生まれ、十六歳の頃から歌手として活動しています。今日は、四月から日曜美術館の司会を務める美雨さんと、春を告げるアートの旅に出かけます。

「春 はじまりの旅 アート×坂本美雨」

間がちょっと広がってるような。

ああ、たまらない。

いつもインスパイアされますね。そのアーティストの姿勢やものの見方に勇気づけられたり、「こういうことを美しいと思って、それをこんなふうに表現して人と分かち合えるんだなぁ」と感じたりします。自分も表現する身として、ある意味対等な気持ちで見させてもらうこともあるし、まっさらな気持ちで楽しむ準備だけはできています。

観光客にも人気のスポット、東京。夜中、今も昔ながらの店が軒を連ね、下町の風情が色濃く残る街です。この辺はやっぱりお寺がたくさんあるんですね。なかなかこの辺りをゆっくり歩くことがないので、楽しみにしてきました。晴れて良かった。

目的地はもう間もなく。

初めて来ます。築八十九年。明治から昭和にかけて活躍した 彫刻家・朝倉文夫の作品を展示する施設です。

高さ八、五メートルのアトリエだった空間です。

日本じゃないみたいですね。

いや、どうやって運ぶんだろう。

かわいい。

ポーツマス条約締結などに尽力した明治の外交官、小村樹太郎の像。小さい頃に見たリンカーンの像を思い出しました。あれはワシントンでしたっけ?

リンカーンを見に行ったことがあるんですけど、ダイナミックですね。

動物のこの滑らかさもそうですし、ワンちゃん特有のゴツゴツした感じ。少し肋骨が出ていて、毛のあまりない短毛のワンちゃんの皮膚のシワとか、骨に皮膚がくっついているような感じというのがね、大きい頑丈なワンちゃんの硬さってあるんですよね。それがすごく表現されていますね。

朝倉文夫二十七歳の作「墓守」。美術学校に通う途中、毎日のように見かけた老人背中に腕を組んで微笑む自然な姿を作り上げました。

近所のおじいさんそうやって聞くとなんだか関係性がねありますね。この彫りの深さとシワがこうして刻まれていて、依頼を受けて描く作品とはまた違った制作の意図というか、彼自身が残したかったんだろうなぁというようなものを感じますね。いいお顔。

愚直に対象を観察し、ありのままの姿を映そうとした朝倉。昭和二十三年に彫刻家として初めて文化勲章を受賞し、日本の彫刻界をリードする存在でした。

朝倉彫塑館は、そんな朝倉がアトリエ兼自宅として構えた建物です。八十一歳で亡くなってから三年後、千九百六十七年に一般公開されました。建物の中には、隅々まで朝倉のこだわりが詰まっています。

地下室はかなり深いですね。」「七・三メートルございます。」「こちらはアトリエにあります運動昇降台の機構部分になります。

モーターが浮くと、このベルトが回転して動力がこっちの歯車に伝わり、床が開いてパイが出てくる。」「何のために。」

「大作を作るために、通常ですと足場を組むのですが、その足場の上り下りは危険が伴います。そこで、自分が上り下りするのではなく、作品を上下させればいいと考えた桜が考案した装置なんです。このような大掛かりな装置を自宅に設置していました。朝倉が残した言葉があります。」

なんといっても、家を建てる目的が大変である。多すぎるのであるアトリエであり、住宅であり、別荘であり、長所塾であり、友人のクラブもよかろう宿泊所もよかろう

「猫に囲まれてる朝倉さんいっぱいいますね。」「朝倉は大の猫好きでした多い時には十九匹も飼っていたと言います。」実はみゆさんも愛病か保護猫だったさばみとは十四年のお付き合い大切な家族の一員です。

「日だまりにね、いますよね 猫はねほかほかしてますねこういう顔するんですよいこう日常の中の一瞬ですよね。」

「ちょっとマニアックなこと言いますけど、ちょっと広がってるんですよ 手がこのままじゃなくて、何か捉える時に多分少しこうなってるんですね 手がねだから肉球と肉球の間がちょっと広がってるような。」

「あー、たまらないだからちょっと多分それで興奮 して、あのまずれもふっくらしてるんですなんかで遊んでたのかなこうやって背伸び、これ好き背伸びしますよねぐーっと背中を器用に丸めてねその時尻尾がこうなるんです波打つんですよ。」

「スケッチ。こういうものがほとんど載ってないんですけれども、たまたま原稿用紙の間から出てきた。」「貴重ですね。」「この お顔がいいですね。」

「私、スケッチが大好きで、こういういいなと思ったその瞬間の衝動だったり、完成してないワクワクというかねあとは迷いだったりそういったものもスケッチに現れるから探っている最中っていうのって魅力的ですよね。」「いやー、気持ちよさそうだったんだろうなーって思わず書いちゃったんだろうな。」「実際のね、アトリエだった場所に展示もされているので、ここで作ってたんだっていう空気感がその想いが残っているような感じもしますし、とても素敵 でした 本当にいい人だったんだろう なお会いしてみたかったなぁと思います。」

東京から少し足を伸ばしてやってきたのは、箱根の森。自然に囲まれた美術館の遊歩道。「いい香りがするこういうグラデーション、まっすぐ行きます。木の葉だって気持ちいいですよね。」この森の中に、みうさんお目当ての作品が。

アメリカの現代美術作家ロニホーンによるガラスの彫刻競争。地面まで水が溜まっているように見えますが、実 は極めて透明度の高い巨大なガラスの塊この日はその上に薄く雪解け水が溜まっていました町村という名前の通り、ずっと自然にさらしたままの作品です。でも競争ってまあその過程はねやっぱり見ると美しいものじゃないかもしれないけど、ちょっとそうしてほしい気持ちもあります 私も自然に帰るっていうのがこう埋められるよりもやっぱりわかりやすく誰かのエネルギーになるっていうのが目に見えるから、それが許される国だったらそれを選んでたかもしれないうん、ずーっと見てられる異次元の入り口みたいあー、気持ちいい、ここは印象派から現代アートまで幅広いコレクションで知られるポーラ美術館開催中の企画展の展示室へおよそ百年前、パリを中心に工業化が進む時代へとタイムトリックモネが描いたパリサンラザール駅の光景すごいですねこの立ち上がる湯気のような、霧のようななんか音まで聞こえてきそうですよねわーっと周りのね、世話しない感じとか、

街のね、

活気とかがね、レコードがある蓄音器わー、これはん、揺れもらったラップ、みんなが昔の人たちが聞いてた音が本当に今同じ音が聞こえてると思うと運動するうまいあー、静けさあああ、好きです これもう一気に 静かな気持ちになりますね水面の動きだったりとか、きっと風が吹いてるだろうなぁとか、そういうものに包まれるような感じがするから、自分もその風景の中に入っているような、そういう感じがするからかなぁ見ながら別のこと考えたり、自分の小さい時のこととか、この風景に似た景色に近い景色に行った時のこととかかなぁなんか記憶を呼び覚ますものがありますねモネと同時代の女性画家ベルトモリゾの作品温かな日が差し込む中、花を手に机に向かうマナ娘素敵ですね小さい女の子、うちの子と同じぐらいかしら娘は八歳ですちょうど同じぐらいな気がするなぁ会いたくなってきちゃう自分も子供が、自分の娘がこうやって何かに集中している時とか写真撮る ので、あ、同じこの視点だなと思って愛おしい母心をすごく感じます今同じ時代にいるかどうかはあまり関係がないですねそこから何を感じたり通じ合えるかっていうのは、百年、二百年経っても通じ合えるものがありますの絵はとても惹かれますねピカソが二十歳の時に描いた海辺の母子像裸足で海辺を歩く貧しい女性ピカソは親友の死をきっかけに生徒死や貧困と向き合いました今のガザのこととかを考えてしまうお母さんたちが子供をたくさん亡くして、もしくは一緒に亡くなっていっているのでねそのお母さんと子供みたいに思えてしまう一緒に安らかであったらいいなぁという気持ちと、傘もね海辺が綺麗だからとっても悲しみの中にいる人とか、光の当たらない、社会的に光の当たらないところにいる人たちに掘り下げていくということが芸術家のやるべきこと、芸術家がやらなくちゃいけないことなんだというのをすごく改めて感じましたねだから勇気も与えてくれるような、個人的には最後に向かったのは箱根からほど近い小田原何やら不思議な造形物たちがmiu さんを待ち受けていますん わ鳥の鳴き声がサラウンドですよ綺麗ですね木漏れ日がねおお、誰かいますこんなところにもここは、ストーンエイジカフェ石器時代のカフェようこそみうさんたっての希望で訪れたこの場所実は敬愛するアーティストが作った壮大な空間です江ノ浦速攻所相模湾に面した丘に、ギャラリーや舞台、庭園など様々な施設が建てられています

現代美術作家杉本博が十年の歳月を費やし、現在も拡大を続けていますん、急に風邪から守られて、静かになりますねまず対面したのは、杉本の代表作、世界各地の水平線を映したシリーズ会計現代人は古代人と同じ風景を見ることができるのかという問いから生まれました杉本さんの作品との出会いがこの会計シリーズだったかなと思いますね何にも考えないでぼーっと見てると、これが何なのかよくわからなくなってくるので、ただのグラデーションに見えてきて、自分の思考の中みたいなこんな感じでは外に出てみたいと思いますはぁあー、すごいあ、何の判断がよしよ しよし気持ち速攻所という名前が付いてるから、どういう場所なのか、実際訪れてみないと伝わりづらいところもあるんじゃないかなと思って 私もよくわかってなかったので、何をする場所なんだろうってわかってなくって来てみたら、本当に全体を、この場所、 全体を肌で感じる場所でしたね美術館ともまた違うしあー綺麗あ、光ってるん杉本さんがいたどうもお久しぶりですよろしくエンドラへようこそピンクピンクで、春メインで

杉本さんは二十代で渡米千九百七十四年、ニューヨークで活動を始めました獲物を狙う鳥たち実は、博物館で撮影した白生です写真作品の第一作目となるジオラマシリーズ白生があたかも生きているかのように見えるそのコンセプトが高く評価され、ニューヨーク近代美術館に収蔵されました現在、写真をはじめ、古美術、建築、舞台演出など様々な分野で活躍していますまあ、あの行けるところって入りましょう杉本 さんに手をつないでもらうことになるかもしれません遠くを見ると怖いけど、いやー、この辺はすごいですねうわぁ、怖さとなそんな そんなギリギリまで行くんですか相模湾に向かって突き出った金属製のトンネルその横にはガラスが敷き詰められた舞台なぜこのこれとこの舞台を並べたんですかこれを女性一年一日だけ、十二月の二十二とか一とか、当時の日ですね当時の日にですねこの海東からですね、当時の日、太陽が昇ってくるその時に、この水道の中に太陽の光が通って、七十メートルなんですね、向こう側の巨石に広がって、同時にここにローマの古代 劇場の写しがあるんですよねで、みんなここで当時の日の隊員を見て拝むっていうんですかねある意味、古代の宗教施設みたいなものなんですけどね実は 先ほどニューさんが歩いていたこちらのギャラリーも、下肢のあっさ日の光がまっすぐ通り抜けるように設計されています天空や自然を観測する施設だから 速攻所これが三角軸っていう感覚ですか 古墳古墳を模したもので、実際に古墳の石が使われてるんです登ってもいいんですね登ってもいいというか、ここの中にあそこにちゃんと眠ってる人がいる人の顔が、この顔がこれはどこどうしてここに配置されてるんですか誰か寝てないと思うこれも古墳の石の質疑の上に隠されていたこんな感じだったろうって言うんで僕は石質を再現したんですよねここの中に横たわって寝てもいいことになってる死んだようによくね、いいでしょうか、本当に入ってみてもいいですか失礼します王族の墓ですか 王族ちょっと 入る身分ではないですが、失礼しますよいしょと大胆ですねいいですか、いいです よ寝てみてくださいひんやりします そう、この景色空が、空が、四角く切り取られてね不思議な気持ち、安らかな気持ちです

杉本 さんがこの場所に込めた思いとは今の我々の生きてるっていう状態も、何百世代、安全性と命が繋がってきて、我々はただただたまたまこの世に今生きているだけで、その記憶とか未来への投影というのも全部そういうそういう時間式の中で我々は生きているそういう雄大なっていうかな、文化の歴史っていうんですか、 民族の記憶っていうんですかね、そういうものがここで生きているうちでも大変感じてもらいたいそういうような交渉が基本があるんですけどね個人の記憶ではなくて、もっと長いそうですね人間そのものの記憶と言ってもいいんですけどね歌が上手くなった気分です歌は祈りだと思うので、もう接点というかそのものだと思うんですよ魂の叫びですよそうですねだから歌ってる時はなんというか、その自分じゃなくてもいいんですもうなんか、自分がただの筒になってるような感じで祈りを通しているだけという感じがしますねこの場所は本当にそれができる場所ですねただ知識を得たり、いいもの見れたなって、それだけでももちろん素晴らしいことなんだけれど、それだけじゃなくて、自分が今後どう生きていくかっていうことのヒントをどこからかいただけるんじゃないかなと思って、そして今、 自分が

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