日曜美術館 「まなざしのヒント シュルレアリスム」

2024.06.30.日曜美術館「まなざしのヒント シュルレアリスム」

美術の楽しみ方を展覧会場で実践的に学ぶ「まなざしのヒント」。今回のテーマは「シュルレアリスム」。第一次世界大戦を経験し、理性や既成概念に疑問を抱くようになった芸術家たちは「無意識」や「深層心理」の世界に新たな芸術表現の探求を始めます。ダリ、マグリット、エルンストらの作品を教材に美術史家の三浦篤さんと脳科学者の中野信子さんが、「シュルレアリスム」絵画の鑑賞のポイントと魅力をひも解く。

初回放送日:2024年6月30日

日曜美術館 「まなざしのヒント シュルレアリスム」

日曜美術館です今日は福島県北部にある諸橋近代美術館に来ています。ここではサルバドールダリオをはじめとしたシュルレアリスムの 名作が見られるという展覧会が今開かれているんです。坂本さん、シュルレアリスムということですが、私は小さい頃ダリがすごく好きで、ニューヨークに住んでいたので、展覧会を見に行ったりチェックしていましたなので、今回ここもすごく来たかったので、とても楽しみです。さあ、今回はですね、まなざしのヒントシュルレアリスム編ということで、この方々にレクチャーしていただきますまずは西洋美術史がご専門の三浦淳さんです。

「シュールレアリズムというのは、二十世紀を代表する芸術運動なんですね。ただ、当時の時代状況や歴史の動きと関係していますから、それも含めてレクチャーしたいと思います。よろしくお願いします。そして、脳科学者の中野信子さんです。よろしくお願いします。

「理解する、ないしはアートを楽しむ脳というのは、実は脳の半分以上を占めている大事な機能の一つなんですけれども、なかなか普段それを意識することがないと思うので、私たちの脳がこんなにアートと関係あるんだなってことを分かっていただけるとすごく嬉しいですよね。」

そして、今回私たちと一緒に学んでいただく生徒としてこの方をお招きしました。俳優の島田准平さん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。島田さんは昨年舞台で「あり」を演じられたんですよね。

そうなんです。その時に、僕が強烈に感じたのがエネルギー、特に生と死に関してすごく感じたんですね。そのあたりがどういうふうに作品として表現されているかというのをすごく楽しみに見たいなと思います。

今日はダリをはじめとして、それ以外の作家のシュールレアリズムの名作も見ることができますので、一緒に学んでいきましょう。」

「まなざしのヒント シュルレアリスム」

ヴィーナスの夢

シュルレアリスムを代表する画家サルバドールダリが 描いたヴィーナスの夢。千九百三十九年のニューヨーク万博で、シュルレアリスムをテーマとしたパビリオンの壁画として発表されました。ダリが好んで描いたモチーフを一枚にまとめた特別な作品です。

「彼の有名なモチーフがいろんなところにありますね。時計とか蟻とかちょこちょこ登場してますよ。」

「そうですね、燃えるキリンもいます。」

「右下のこれは人間なんですか?」

「ええ、これは人の頭ですね。」

「そうなんですか。胸に骨があって、引き出しがついていますね。それにしても、このロブスターはどうして頭に乗っているんですか?」

「まさに ‘なんで?’ だらけですね。この作品ですが、原作は広島県立美術館にあります。今日は複製を展示していますが、ちょっと移動させるのが難しいんです。」

「この絵、今まで描いてきたダリのモチーフがたくさん集まっている感じですね。夢のように脈絡がないというか、現実ではあり得ない光景です。」

「シュルレアリスムというのは、ダリの絵に限らず、日常的な現実とは違うものを描いているんです。日々目にする現実そのものではなく、もっと深いものを表現しているんですね。」

「シュルレアリスムは日本語で ‘超現実主義’ と訳されますよね。非現実とは少し違うけれど、重なる部分もあるかもしれません。」

「超現実って、どういうことなんですか?」

「私たちが今生きているこの世界や、触れる物質的な現実以上に、真実のような、もっと深いところにある何かが存在するんじゃないかという感覚ですね。現実を超えた本質的なもの、そういう真相を探る感覚だと思います。」

「より真実に我々が思えるような現実を求めている、そう考えると、それはどこにあるんでしょうか。もしかしたら現実の中に潜んでいるかもしれないし、我々の無意識の中にあるかもしれません。」

「シュールレアリスムの絵画というのは、端的に言えば、無意識の探求とその表現だと思います。」

「人間は生きていく中で、様々なものを見聞きしますが、それは私たちにとってほんの一部に過ぎません。もっと広大な無意識の世界があるんです。夢や幻覚、妄想、欲望など、普段意識しないようなものがその中に潜んでいる。」

「その無意識を探求することこそ、シュールレアリスムのポイントですね。」

「無意識を明らかにした後、何を求めているんでしょうか?」

「それは、自分の想像力や可能性を完全に解放したいということかもしれません。けれど、それを表現するということは、つまり作品を制作するということですよね。アーティストとして、その形で今までにない作品を生み出す、というのが前提になっています。それが説得力のあるイメージとして表現できれば成功ということです。」

今から100年前の1924年、フランスで『シュルレアリスム宣言』という一冊の本が発表されました。著者は詩人アンドレ・ブルトン。彼はシュルレアリスムを次のように定義しました。

「理性による統制も、美学や道徳上の気遣いも一切なく、自由な思考の書き取り。」

これは既成概念を否定し、新たな芸術を生み出す動きでした。シュルレアリスムは、文学、美術、演劇などあらゆる芸術分野に広がっていきました。その背景には、1914年に始まった第一次世界大戦がありました。

近代兵器による大量殺戮と戦場での恐ろしい光景を目の当たりにした芸術家たちは、近代化を良しとしていた考え方そのものに疑問を抱くようになり、従来の価値観や理性に縛られない新しい世界を求め始めたのです。

彼らが注目したのは、心理学者ジークムント・フロイトが発見した「無意識」という心の領域でした。理性ではコントロールできない無意識の中に潜む欲望や記憶を、芸術家たちは様々な手段で具現化しようと挑戦しました。

その中でも、若くしてシュルレアリスムの代表的な画家となったサルバドール・ダリは、心の内にある欲望や妄想、夢や記憶のイメージを独創的なモチーフで写実的に描き出しました。

「あの時計ですけれども、これって何なんでしょうね。」

「この柔らかい時計。溶けば本来硬いこれも 例えば ダリがカマンベールチーズを食べている自分のパートナーのガラの姿を見て、非常に柔らかく溶けていくカモンベールチーズそれにヒントを得て、時計が柔らかくなったら溶けたらというような発想で描いているんです。また、彼がよく描くものとしては引き出しのついた人間ですよね。」

「ロブスターが乗っている。」
「引き出しが胸や頭から引き出されている様子は、まるで内心のものを明るみに出そうとしているかのように見えますよね。しかし、ロブスターは硬い殻を持っています。これは、何かを守りたいという気持ちの象徴かもしれません。つまり、内心を明らかにしようとすることと、それを守ろうとすること、この矛盾するイメージが同時に表現されているのかもしれません。」

「他にもダリがよく使ったモチーフがあります。島田さんも気になっていた蟻。ダリは幼少期に動物の死骸に群がる蟻の姿を見て大きな衝撃を受け、それ以来蟻は彼にとって死の象徴となりました。

また、燃え上がるキリンについては、ダリ自身が『宇宙の終末論的モンスター』と表現しており、戦争への不安や恐怖がその背景にあるとされています。

そして、ダリは自分の手法を『編集教的、批判的方法』と呼んでいました。少し難しい言葉ですが、これは彼がこだわるモチーフやイメージを意図的に引き出していく方法を指しています。その中で特にわかりやすい例として、ダブルイメージがあります。遠くに見える山が、よく見ると横になった人の頭や顔のように見えるといった、視点によって異なるイメージが重なる手法です。これもダリにとって非常に重要な手法でした。」

ではここで三浦先生から中野先生にバトンタッチしていただきます。よろしくお願いします。

「シュールレアリズムの面白いところは、無意識という領域に初めて科学の光が当たったことだと思います。時計のモチーフ、特に印象的ですよね。カマンベールチーズのようだという言及もありますが、科学を少しでも学んだ人なら時空の歪みにも思いが至ると思います。

アインシュタインの時代には、私たちが経験する時間や空間が一様に流れているわけではなく、歪みが起こりうること、そして同時性は保証されないという理論が提唱されていました。ダリもそのことをどこかで知っていたはずです。そうした理論が彼の無意識の中で熟成されて、あの独特な時計のモチーフに結びついた可能性があります。そう考えると非常に興味深いですよね。」

「確かに、アインシュタインの相対性理論に関する知識をダリが持っていたかもしれないという解釈もありますね。」

シルレアリスムの作品では、タイトルも鑑賞するための重要な手がかりです。今回の課題ではタイトルを見ずにダリの作品を読み解きます。

「綺麗に整った構図ですね。」

「そうですね、人物が三人並んでいて、後ろ姿が見えます。」

「そうです。先ほど三浦先生が話されていたダブルイメージですよね。木なんだけども、人の形に見えるというような。」

「煙が煙のようでありながら、原爆のキノコ雲を思わせるような不吉な感じがしますよね。そしてこの首の下の赤い部分、これは血なのか、それとも肉なのか…よく見ると、ここにサインがあるんですね。1947年、と書かれています。」

「皆さん、この作品をご覧になって、ダブルイメージというのが分かったでしょうか。では、もしこの作品にタイトルをつけるとしたら、どんなタイトルがふさわしいと思いますか?島尾さん、どうでしょう?」

「ブロッコリーとカリフラワーです。ちょっとユニークですが。」

「なるほど。森本さんはどうですか?」

「暗黒のうなじはどうでしょう。」

「ああ、確かに面白いですね。では、坂本さんはいかがですか?」

「『見るな』というタイトルはどうでしょう。」

「逆説的で面白いタイトルですね。それでは正解を見てみましょう。タイトルは『ビキニの三つのスフィンクス』です。」

「この作品は1947年のダリの作品です。アメリカが核実験を行ったビキニ環礁をテーマにしています。この絵には、人の後ろ姿、木、そして核実験を象徴する部分が描かれており、それらがダブルイメージを超えたトリプルイメージとも言えるかもしれません。」

「スフィンクスというモチーフは、エジプトのスフィンクスだけでなく、ギリシャ神話にも登場します。ギリシャ神話のスフィンクスは、有名な謎かけをする存在で、「朝には四本足、昼には二本足、夕方には三本足になるものは何か?」という謎を出します。答えは人間ですが、この作品のスフィンクスは、もしかしたらダリが人間の恐ろしさを象徴しているのかもしれません。しかし、そこに樹木が描かれていることで、少し救いのような感覚も感じられますね。」

中野さん、どうでしょうか、いかがでしょうか。

「脳科学の観点からこの絵を見てみると、皆さんが感じた不穏な感覚は、視覚的な仕掛けによって引き起こされている可能性があります。例えば、上部が濃い色で下部が薄い色になっているとか、上に大きな形があり下に小さな形があるなど、これらの要素が視覚的に不安定な印象を与えるのです。実際、工場で荷物が重いというクレームに対して、重さを変えずに荷物の色を明るくしただけで不満が解消されたという実験があります。これは、私たちが色や大きさを重さと無意識に結びつけて感じていることを示しています。

この絵では、通常は下にあるべき重いものが上に配置され、軽いものが下にあるという、視覚的な反転が行われています。これは、私たちに不安感や違和感を引き起こす要因です。また、大きさの反転も同様に、不自然さを強調しています。ダリはこうした視覚的な仕掛けを意図的に利用し、恐怖や不安を感じさせる構造を作品に埋め込んでいるのです。この絵には、そうした何重もの仕掛けがあり、それが鑑賞者に『怖いもの』というメッセージを送り込んでいるわけです。」

「はい、それではこれで一時間くらい授業終わりたいと思いますありがとうございましたありがとうございました

イタリアの画家ジョルジョデキリコ。

イタリア広場

イタリア広場は、キリコが生涯を通して描き続けたテーマです。見慣れたはずの広場が、ある日初めて見たかのような感覚に襲われたのがきっかけでした。桐子の作品はシュルレアリスムの画家たちに大きな影響を与えました。

「さっきまで見たダリの作品のイメージ的な絵っていうよりはずいぶんはっきりとしたものですよね。意味はわからないけどわからなさの種類がちょっと違いますよね。遠近感がよくわからないです。おかしくなる。銅像も大きいし、家と同じぐらいの高さが見えない。」

「確かに死者の煙って走ってたら、こうあー、行かないのかな確かに考えすぎたのか、確かに汽車の煙って後ろに流れてる。後ろに行きながら走るじゃないのかな。」

「それではこれから二時間目の授業に入りたいと思います。さあ見ていただいたのはジョイジョデキリコのイタリア広場。千九百十四年の作品ですが、皆さんの気づきというか疑問というか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。」

「僕 が思ったのはなんとなくの違和感が感じるなどの辺が違和感がある一番折ったのは大 きな煙突だなっていう機関車とか、その下にある家のサイズに比べてすごい大きいなっていうのであったり、影が大きいなとかわかりやすいのかなと思ってパッと見思ったんですけど、見ていけば行くほど不思議だらけで圧迫感があるというか、建物と建物の間に置く銅像にしては大きいし、なんでこんなところに配置したのかなっていう全体的に怖い印象がありましたすごく暗い空上の方が濃くなっていて、山の向こう側が明るいので夜明けのようにも見えるのに、やっぱ影はすごく西日が長くて影が長くて強い西日が入ってきているような感じがだから何時なのかその時間がわからないことによってちょっと不安な感じも受けますねなるほどこの作者の切子なんですけれども、

「実は彼はシュルレアリスムが始まる前の画家です。シュルレアリスムは1920年代から始まる運動ですが、彼の活動は1914年からで、ある意味ではシュルレアリスムを先取りしていたと言えます。このような曖昧で、現実感があるようでないようなイメージを持つ彼の絵画は、形而上絵画と呼ばれています。キリコの作品は、現実のものを描きながらも、そこに不安や謎めいた雰囲気を感じさせる独特のスタイルが特徴です。彼の作品は、シュルレアリスムの発展に先駆けて、その精神を先取りした先駆的な位置にあると言えるでしょう。」

「形而上絵画とは、現実的なモチーフを描きながらも、どこか謎めいて神秘的な雰囲気を持ち、不安や不穏さが見る者に迫ってくる絵画です。その背景には、第一次世界大戦が大きく影響していると思います。戦争を経た芸術家たちは、人間不信や理性、合理主義といった従来の価値観に疑問を抱き始めました。そうした時代において、彼らがあえて絵を描く際に、自身の体験や不安感を直接描くのではなく、示唆的に、暗示的に表現するようになったのです。

このような不安感を表現するために、形而上絵画では独特の手法が用いられています。例えば、影が妙に長かったり、明るい部分があるにもかかわらず全体的には暗い印象を与える、という違和感が生じます。この手法を『デペイズマン』と呼びます。本来置かれるべき文脈から外れたものを無関係な形で配置することで、非常に不自然で奇妙な感覚を引き起こすのです。」

では、ここで 三浦先生から中野先生にバトンタッチしていただきます。

なんか不穏な絵が好きな人っているんですよね不穏な作品とか映画もねそういうそんな週末ものって言われるものがあったり、私たちどうしてそういうものを好むんだろうかっていう研究があるんですよ 実はその研究によれば、私たちはあえて不穏なものを見ることによって、本当にそれが起こった時のためのリハーサルをしてるんだって言うん ですよ例えばこれ、パンデミ学校の時に行われた研究だったんですけども、週末ものと呼ばれる作品が好きな人とそうでない人を比べて実際に準備がどれだけできていたかっていうのを比べると、週末物が好きな人の方が適切な準備がよりできていたっていう結果があったんですよねなのでこういったちょっと不安な印象を与える作品の意味というか、私たちにとってより安全な生き方を提供するケーキになっているのかもしれない学 説的に無意識の知的トレーニングとしてこういう作品をアーティストのそんなにもしかしたら意識的にではないかもしれないけども、彼らがこういうものを作る意味というのは私たちにとって大きいダリと共にシュルレアリスムの画家として知られるルネマグリッドの作品ですこの作品にもデペイズマンの手法が使われています今回もタイトルを隠したまま読み解いていきますまたでもね、これカーテンですよねうーん、幕 巻く家にあるカーテンとサイズは大きい舞台にある劇場の大きな幕みたいないろんな方向いて、人が集まってるようでもあるし、集まってるけど無視してるっていうか、なるほど、なるほど、人の話を聞いてないっていう感じが人を見たように見えますねそうなんです パッと見てそう思ってしまった何かを遮 るもの光とかを眩しいから遮るであったり、木もあるんですよねサラッと木もあるんだよなはい、皆さんこの絵はどんな感じを受けたでしょうかじゃああえてこれにタイトルを作るとすればどんな感じでしょうちょっとこれは多分当たります暗い部屋から外を見る少年、暗い部屋から外を見る少年だと思いますね 僕はなるほどはい、森本さん、どうでしょ暗黒のサボテン韓国ですか面白いはい、わかりました坂本さんは劇場というタイトルは人生を舞台で演じることが人の人生人間をこうその劇場の 中で表現するとしたら、劇場人というのはちょっと近いかもしれませんちょっと外してみましょうねはい、これです人間嫌いたち、元気ラインこの作品、先ほどの切子もそうだったんですけど、ある意味でデペイズマンの例として捉えることもできるんですよね本来の状況とか場所とか文脈とか全然違うものを寄せ集めてくるっていう、こういうことは全くあり得ないわけですからそれも意図的にここに一本だけ木を添えることでその違和感を増幅しているところもありただ、どうでしょう、ダリとマグリッドってちょっと違いますよね同じシューレアリスムの画家でもどの辺が違うんでしょうダリの方が攻撃的な気がしますグレッシブな感 じそして自分に対するこだわりがすごくありそうな感じですよねマグリッドの方は、マグリッドの人となりとかそういったものが見えてこない、非常に冷静で距離感があって、この、なんかサバサバしてるっていうか、それしかも人間嫌いたちっていうですねちょっと皮肉なタイトルをつけていてなかなかいかがでしょうか島田さんが舞台経験されても長いと思うんですけども、このマグリッドのでも人間嫌いたちと書いていることを知るとおそらく人がカーテンの向こうにいるんだろうということを想起させるタイトルですが、顔が一つ描かれていないですね舞台上に顔が存在しないことの効果でもおそらく考えられています そうなんですが、まさに本当この間僕が出演していた舞台でそういった演出があって、僕がお客さんの客席に向かってずっと背中を向けてセリフを長ゼリフをしゃべるというようなしゃべっていると、顔を見られながら喋るとお客さんは僕の表情を見れるから、笑ってたりとか怒ってるってのはわかるんだけども、背中を向けてずっと 淡々と喋ることによって、あれ、この人本当は何を思っているのかなっていうのがわからないし、想像をよりするっていう演出のシーンがあったんですよだからその表情を見せない、後ろを向かせる姿は見せないっていうのは確かになるほどっていうところありますよねより不安を誘いますよね寄り添いも誘いますしこれを表現している人はどんな人格なんだろうかということを想像すると、おそらくは心理学の話になりますけれども、回避的な人格なんじゃないか回避的というのは面倒事を避けたりとか、傷つくことが嫌だから愛する人を作りませんとか、コミットしたくない人がめったしたくない 人っていう表現なんだろうなっていうことをやっぱり想起させるような作りにはなってるんですよねもっと言うならば、皆さんの感想の中に孤立しているっていう感想があったと思うんです 分断されているとこんなに近くにそれぞれのカーテンはそんなに近くに配置されているんですが、一つとして同じものはないなので、対話のない一人一人が顔を隠して存在している見方によってはとっても現代的な絵とも言えますねsns なんかで匿名性の影に隠れた人たちがこういうふうに表現されている無意識を探求したシルレアリスムの画家の中で、ひときわ重要な画家がいますマックスエルンストですエルンスとは様々な技法を自ら考案し、新たな絵画表現を生み出しましただいぶ小さいですねゴツゴツしてるか、質感凹凸はないけれども綺麗な岩みたいですね波がバシャーンってなってるような崖かな書き方というか、筆で書いてるのか、筆じゃないのか、他のなんか物で書いてるのかなって感じがしますよパソコンが不思議ですよね滲んだみたいなレジになりたいかなんか偶然性が生かされているような気もしますねでは、これから第三次官目の事業に入ります実はシューレアリズム絵画というのはいろいろなタイプがあって、ダリマグリッドのようなタイプもあるんですけれども、エルンスはちょっと違っていて、ある意味で純粋に無意識を表現したい、 しかもできるだけ意識を返さず、無作為なままに、そういった無意識の部分を浮上させたいと思った人なんですよね 自分の意識とか作為をできるだけ少なくするために、いろいろな技法を考えた人なんですこれはデカルコマニーという技法を使っていまして、おそらくこの場合ですと、ガンガスに絵の具を置くそして紙を押し当てて絵の具を潰していくそうすると紙を取ると模様のようなものが出来ているこれがちょっと風景にできるかなと思ったら、ちょっと適当に画質して風景を作るというようなやり方で少なくとも先ほど見た作品というのは自分の位置で最初から細胞で描いているわけだけど、これは偶然 性が、偶発性が介入しているわけですよねそこがちょっと根本的に違っていて、つまりどういう形が現れるのか分からない、でもその結果からそれを作品していくというやり方なんですよねダリは特にそうですけど、自分にとってすごくこだわりのあるモチーフとかですねそれを夢とか妄想とか真相、心理から引き出してきて、ああいうモチーフを生き続けていったこれ非常に意識的、意図的なんですよねでもルーツの場合そうじゃなくって、そうやって偶発的に生まれたイメージを膨らませていくっていうかただどちらにしても、真相真理とか夢とか無意識を探求して描くという意味では、同じ宗教リストであるということになるわけですそれで、これは一つの例なんですけれども、実はエルンストっていうのはいろんな技法を試した人で、ちょっとそちらの方の作品を見てみたいんですけれども大きな羽を持ったとんぼのような生き物羽の部分に注目すると、植物の葉の葉脈がこれはフロッター樹と呼ばれる技法葉っぱなどの上に直接紙を載せ、鉛筆でこすって形を写し取りますエルンストは写し取った模様に加湿して不思議な生き物にしています真っ赤な画面に放射線上に広がる線、その中心には目玉のような白い丸、人でも動物でもない異形の姿です実はフロッター樹の技法を応用して描かれています数種類の油絵の具を塗り重ねたカンバスを板などの上に乗せ、パレットナイフで削り、模様を映し出しているのです偶然生まれた模様を生かして作品にするこの技法をエルンストはグラッタージュと名付け、多くの作品を残しましたヘルスって、やっぱり非常に愚直なまでにです ね、いろんな技法を使いながら、自分の作為をできるだけ無くしてイメージを作り上げるということにこだわったシューレアリストって言えるんじゃないかと思うんですけれども、絵画史的に見ると、やっぱり修理や理数のこれだけの様々な多様な実験というかですね、非常に斬新なイメージ表現というのは、やっぱり後世で非常に大きな影響を与えていると思いますエロンストもそうですけれども、今までになかったですねやっぱり 技法で新しいイメージを算出しているので、それは後世の人たちにとって非常に大きな刺激になっているし、例えば中小表現種類のジャクソンポロックなんかも、あるいは単なる抽象絵画ではなくて、やっぱりちょっと心臓神経なんか関係しそうな風にも見えるようなねヒッチがありますけれども、そういった意味においても様々な方面に影響を与えている それはやっぱりそれまでになかった、なんだろう世界を開発して貝菓子の中に組み入れたという大きな成果なのかなと思います三つの授業で学んだことをもとに作品を鑑賞しますダリが描いた作品三角形の時間幼少の時に見た光景をもとに描かれているそうですが、これも不思議なものが集まったまさにデペイスマンの世界なんですけれ どもただなかなか理解しがたいのが三角形の時間というタイトルなんですよ特に三角形があるわけではない何が三角形なんですかねわかんないわかんないなぁシェルレアリスムわからないって言われるけれども、わからないから今見直す価値があるのかもしれないわからないことを楽しんだり味わったりできるのは我々だけです動物の中で人間だけですわからないを味わうことができなかった人たちサピエンス以外の人たちはもう絶滅しています私たちだけが生き延びて、ちょっと危うい状態かもしれないけれども、でもなんとかかんとか生き延びられているのはわからないを抱えておける美を認知する領域があるおかげかもしれないし、例えば私と 違うわからないものを持っている人だけれども、その人も素敵じゃないって思えるような素地を鍛えてくれる装置かもしれない

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