2017年夏秋 見逃せない美術展カレンダー (1〜10)

「日経おとなのOFF」による美術展ガイドです。

六本木開館10周年記念展
国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》修理後初公開
神の宝の玉手箱 (サントリー美術館)

本展は、このたび約50年ぶりに修理を行った国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)》(サントリー美術館蔵)を修理後初公開することを基点に、人々が生活の中で用いてきた手箱の姿を織り交ぜつつ、特別に仕立てられた手箱についてその魅力を特集するものです。特に、名だたる神社に伝わった手箱を、表着(うわぎ)、沓(くつ)、檜扇(ひおうぎ)などの服飾から、鏡、鏡台、硯箱などの調度(ちょうど)にわたる様々な神宝類と合わせて展示します。

会期 2017年5月31日(水)~7月17日(月・祝)

技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル
ハイジュエリーと日本の工芸 (京都国立近代美術館)

ヴァン クリーフ&アーペルは、ハイジュエリーとして世界で高く評価されています。本展では、日本とフランスの「技」に注目をし、「技を極める」あるいは極められた技によって生み出された美しい作品を両国の文化とともに鑑賞していただく展覧会です。
最初は、ヴァン クリーフ&アーペル創立から現代に至るまでの歴史的展開の中でのジュエリー作品の流れを概観し、次に、日本の明治に制作された超絶技巧作品との対比の中でハイジュエリーの技を鑑賞していただきます。最後は、文化の融合と未来ということで、日本とフランスの現代における技の饗宴をごらんいただけます。

会期 2017年4月29日(土・祝)~8月6日(日)

「~かおりを飾る~珠玉の香合・香炉展 (静嘉堂文庫美術館)」

本展では、静嘉堂所蔵の漆芸・陶磁香合から優品を精選し、香炉の名品―重要文化財の野々村仁清(ののむらにんせい)作の色絵香炉、中国陶磁の至宝である南宋官窯(なんそうかんよう)の青磁香炉、豪華な蒔絵(まきえ)の「香道具」もあわせ、約100件を公開いたします。

会期 2017年6月17日(土)~8月13日(日)

開館記念展Ⅳ「北斎×富士 ~冨嶽三十六景 富嶽百景 揃いぶみ~ (すみだ北斎美術館)」

葛飾北斎といえば、真っ先に思い浮かべるほど「冨嶽三十六景」は北斎の代表作として知られています。「冨嶽三十六景」は、季節、時間、天候、場所などの違いで見え方の異なる富士を、構図の奇抜さなどを交えながら描写した46図のシリーズです。北斎は、引き続き102図が収められた『富嶽百景』を出版します。本展覧会では二つの代表作「冨嶽三十六景」と『富嶽百景』の全図を3期に分けて展示します。北斎の技法が詰め込まれた富士の共演をお楽しみください。

会期 2017年6月27日(火) 〜 2017年8月20日(日)

「[特別展] 没後50年記念 川端龍子 – 超ド級の日本画 -(山種美術館)」

本展では、画業の初期にあたる洋画や挿絵画家期の資料、院展時代の作品、また青龍展第1回展に出品され記念碑的な《鳴門》(山種美術館)と《請雨曼荼羅》(大田区立龍子記念館)、さらに平安時代の装飾経をヒントに龍子の機知と技術が結集した《草の実》(大田区立龍子記念館)、ジャーナリズム精神の発露といえる《爆弾散華》(大田区立龍子記念館)、《金閣炎上》(東京国立近代美術館)、そして会場芸術の象徴ともいえる横幅7.2メートル超の大作《香炉峰》など一堂に展示します。また、『ホトトギス』同人でもあった龍子が1日1句作り続けた俳句に関わる作品や、小さな子どもや家族を慈しむ姿がうかがえる作品もあわせ、真摯で柔和な龍子の内面性が表れた初公開の作品資料類をご紹介します。

会期 2017年6月24日(土)~8月20日(日)

日タイ修好130周年記念特別展「タイ ~仏の国の輝き~ (東京国立博物館)」

本展は仏教国タイについて、タイ族前史の古代国家、タイ黎明期のスコータイ朝、国際交易国家アユタヤー朝、現王朝のラタナコーシン朝における仏教美術の名品を通じて、同国の歴史と文化をご覧いただきます。

会期 2017年7月4日(火)~2017年8月27日(日)

没後40年 幻の画家 不染鉄展 (東京ステーション東京ステーションギャラリー)

不染鉄は、大正8(1919)年、第1回帝展に初入選し、その後も度々入選するなど、将来を嘱望されながら、戦後は画壇から距離を置き、84歳になるまで奈良の地で、飄々と作画を続けた日本画家です。東京初の回顧展であり、21年ぶりの展覧会となる本展では、俯瞰と接近の相まった独創的な視点で表された代表作をはじめ、新たに発見された作品など約120点を展示し、知られざる不染鉄の画業をたどるとともに、その作品の魅力を探ります。

会期 2017年7月1日(土)-8月27日(日)以降巡回

『新海誠展 -「ほしのこえ」から「君の名は。」まで- (大岡信ことば館)』

新海誠監督による企画書や絵コンテをはじめ、設定資料や美術背景、映像や原画など貴重な資料約450点を一挙に展示し、作品の制作の過程をひもといてゆきます。新海誠監督作品の大きな特徴でもある言葉も展示。各作品から選りすぐった印象的なセリフや、モノローグ、キャッチコピーなどを、様々な展示方法で紹介します。

会期 2017年6月3日(土)~8月27日(日)以降巡回

「レオナール・フジタとモデルたち」

フランスに渡り、「乳白色の下地」と呼ばれる独自の画面によって、時代の寵児となったレオナール・フジタ(藤田嗣治、1886~1968年)ほど、ヨーロッパで成功をおさめた日本人画家はいないでしょう。本展は、フジタの画業の中心である人物を描いた作品約90点を、描かれたモデルに関連する資料約150点を交えて紹介し、画家のモデルに注ぐまなざしや制作の過程、さらにフジタの人間性までもが浮かび上がることを期するものです。<br ?–>また、フランスのエソンヌ県の特別協力によって出品される4点の壁画は、1点が縦横3メートルの大画面であり、フジタがモデル研究の集大成として挑んだ最初の群像大作表現です。こうした作品とともに、今回公開される写真や書簡などの貴重な資料は、ますます注目されるフジタの研究に新たな手がかりをもたらすものとなるでしょう。

会期 2017年06月24日(土) ~ 2017年09月03日(日)

国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展

スイスに生まれ、フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年)は、20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりです。アフリカやオセアニアの彫刻やキュビスムへの傾倒、そして、1920年代の終わりから参加したシュルレアリスム運動など、同時代の先鋭的な動きを存分に吸収したジャコメッティは、1935年から、モデルに向き合いつつ独自のスタイルの創出へと歩み出しました。それは、身体を線のように長く引き伸ばした、まったく新たな彫刻でした。ジャコメッティは、見ることと造ることのあいだの葛藤の先に、虚飾を取り去った人間の本質に迫ろうとしたのです。その特異な造形が実存主義や現象学の文脈でも評価されたことは、彼の彫刻が同時代の精神に呼応した証だといえましょう。またジャコメッティは、日本人哲学者である矢内原伊作(1918-1989年)と交流したことでも知られ、矢内原をモデルとした制作は、ジャコメッティに多大な刺激を与えました。 本展覧会には、ジャコメッティの貴重な作品を所蔵する国内コレクションのご協力も仰ぎつつ、初期から晩年まで、彫刻、油彩、素描、版画など、選りすぐりの作品、132点が出品される予定です。

2017年6月14日(水)~9月4日(月)