美の壺 「 ジャズ 」

熱烈なジャズファンの落語家・林家正蔵さんが語る、ジャズの魅力とは?!▽日本を代表するジャズピアニスト・山下洋輔さんによる「即興」の極意▽時代を変えた「エレキギター」▽今大人気のジェントル・フォレスト・ジャズ・バンドによる、ジャズ名曲メドレー▽世界三大サックスメーカーが、本多俊之さんの理想の音を作る!▽伝説の「ジャズ喫茶」がこだわる「音響システム」▽谷啓×草刈正雄のセッション!<File533>

放送:2021年4月2日

美の壺 これまでのエピソード | 風流

美の壺 「 ジャズ 」

今回はそのジャズが主役です
登場するのは
ジャズの極意を知る
名うてのミュージシャンジャズを語るのは
プレイヤだけではありません
ジャズ喫茶のマスター楽器作りの職人
落語の師匠まで
十五周年を迎えた美の壺クールで
かっこいいジャズの魅力に迫ります
日本有数の品揃えを誇るジャズの専門店
あら落語家の肖像さん何してるんですか
餌箱続いてます
掘り出し物はないか
という作業を餌箱をつくと
ジャズファンの大先輩から教わった言葉です
省三さんは四十年を超える
熱烈なジャズファン
店員の天野さんとは十年来の付き合い
結構またいいのが入りましてちょこっとです
これはかなりジャズ談義に熱が入り
時を忘れることもあるとか
今あんまり出回らないですよね
かつてはレコドでジャズを聴いていた肖像さん
ずっと心ソプラノサックス
落語で忙しくなった今はで
楽しんでいます
それでも手元にはジャケットがそう
あのジャケットじゃけったいが
強いんでしょうね
いいじゃないですかたばこを片手にね
そう時代日本じゃないですか
やさぐれ感があるじゃないですか
ジャズの魅力うわ
例えば有名なスタンダード曲がありますね
でもそのプレーヤじゃないと出ない音
この曲に対しって思う思いだったり
俺はこう吹きたいだと
それがもうとても落語と似てるんですね
つまり落語のねたも
受験が聞きたいのではないですね
誰の語ったジュゲムが聞きたいわけです
今だから
楽陵やっても六十にならんとするとうん
きょうの気分でこの話はこんな風にみたい
なって思うようになりたい
ジャズの名プレーヤは
そういうことをありがとう
はい今日最初のツボは
一期一会の音に浸るジャズを楽しむには
ちょっとしたコツがあるんです
日本を代表するジャズピアニスト
山下洋輔さんに教えていただきました
曲はジャズのスタンダードチュニジアの夜
ありがとうございます
うんそれぞれが気ままに演奏しているように見える
ジャズですが基本になる構成があります
うんこれがリードしとと呼ばれるジャズの譜面
大抵は一枚か二枚に収まります
この曲は三つのブロックに分かれています
最初はイントロ
次が曲のメインになるてまそして
インタールドと呼ばれる乾燥
一度てまをみんなで弾いたら
それぞれがソロを取って繰り返し演奏します
そのためたった一枚の譜面で
何分も演奏を続けられるのです
ジャズの花アドリブが始まりました
てまを踏まえながら
その場で曲を作り即興

どんな演奏になるのか
メンバすらわかりません
相手の出方に反応しながら演奏に絡みます
ここからはピアノのアドリブ
とにかくその場でその人が作ってる
ということが大事です
誰のものでもない
自分のメロディを
そこで作んなきゃいけないんです
今引いた音をまた
やれと言われてもできません

山下さんの真骨頂と言えば
六十年代後半に始めたふりジャズ
基本的な構成すら無くした
自由を極めた過激なジャズで
世界的な存在になりました
山下さんの振りジャズの代表曲ぐがんです

あのー
今自分がやりたいことを全てさらけ出す
これが自由であり
魂の叫びだ
という風に考えていいわけです
ですからトランペッター唇が切れるまで増えて
いい訳だし
七十八みたいになって
ありとあらゆるものが
自分の中で混ざっていて
そのたびごとにが主催音を出してます
うんわけうんえっと論語の次はギターですか
蔵の奥ね探してたら他にもおじさんのもの
色々こうやってね出てきたのよ
おへえ僕ね左利きだからちょっと難しいんだけど
いやしかし不思議だなおじさん
ギターも持ってたんだあれうん
これ賦役やおじさまの親友だった
植木さんのですよが
ちょんうんうん
ジャズでギタがソロ楽器になったのは
千九百三十年代
エレキギターの発明がきっかけでした
その強く伸びのある音色がある
若者にインスピレーションを与え
ジャズギタの歴史を変えることになります
ジャズギタリストのタナベさんに
紹介していただきます
これはすごい代物なんですけど
これは千九百三十七年のものかなえー
チャリクリスチャンモデルという名前で
みんな呼んじゃったりします素晴らしい板ですね
チャリクリスチャンは
エレキギターでソロを引いた先駆者の一人
それまでギタは
リズムを刻むだけの地味な伴奏楽器でした
今日の僕らジャズギタリストがあるのは
彼がいなかったらね
五十で六十年後
でも未だに僕らはで
刻んでたかもしれないですけど
彼のお陰みたいなことができるようになっ
それぐらいすごい人がチャリクリスチャンっていう
かつ多分すごい
ジャジないい音すると思います
聞いて

チャリクリスチャンの流れるような
旋律は
ギターを花形楽器へと押し上げました

十五歳で亡くなるまでの
わずか数年間に生み出したそのサウンドは
今もジャズギターのスタンダードです
うんうんジャズギタ
もう一人の巨人
ウェスモンゴメリオクターブ奏法など
独自の弾き方を生み出し
一世を風靡しました
うんモンゴメリが使っていたのと
同じタイプのギター
音の出し方に特徴があります
モンゴメリっていう人はですね
ピックを使わないんですよ
親指で全部聞くんですね
うんうん都市伝説みたいな家で練習してたら
奥さんにうるさいって言われて指でこう
小さい音で弾くようになって
そしたらそれが速く弾けるようになったから
もうピック持たなくてもいいや
じゃあ有名ウエスの曲で
有名なロードソング
という曲を聞いてください
うん偶然に身につけた親指だけのそう
それがジャズの甘く
官能的な音色を作り出しました
今日二つ目のツボは
時代を支えた新たな響き
うん

ジャズの誕生は
十九世紀末のアメリカ南部
ニューオリンズ奴隷から解放された
黒人たちが生活のため
歓楽街で演奏を始めます
その魂の叫びがジャズを生み出しました

ビッグバンドのダンスミュージックを聞くと
やっぱりその時は最高だよね
もう明日を忘れられるよね
みたいなそういうのもなんですか
根源というか
それがビッグバンドなので分かりました
川ああそうですね

はい百年を超えるジャズの歴史の中で
光を放っては消えていった
プレイヤたち人一人ひとりの工夫や情熱が
ジャズのリズムに刻み込まれています
今度は何かおじさんの家ね
蔵が大きいものだから
バンドの仲間のものも預かってたんじゃないか
なうんこんなにたくさんどうするんですかうん
確かにいや困ったよね
今更返しにも行けないしうんうんそうだ
これ使ってジャズば始めよう
サックス奏者の本多俊之さん旺盛なライブ
活動だけでなく
映画やドラマの音楽も手がけています
はいはいその活動を支えているのが
皆様のサクソフォンです
本田さんの楽器を作った工場です
実は世界三大サックス目かの一つ
六百近い部品を
職人たちが組み立てています
主な材料は同十文の合金です
混ぜる比率を変えることで音質が変わります
響きを決めるのは観の厚み
嘘過ぎると音が割れ過ぎると響きません
うん数百分の一ミリのさで
音が変わります
それを職人たちは
手で触った感覚だけで判断します
こだわりの音を求めて
世界中のプレイヤーから織田が入ります
本田さんが今使っているアルトサックスは
十年前に作ったもの
そのときちょっと変わった注文をしました
それは綺麗なだけではない音うん
いわゆるジャズいい意味での安っぽさ
れをだから

れが多分欲しかったんですよね
本田さんからこう
いろんな指摘をいただいたの要望いただいて
まずは材質を色々変えて
三種類のあの雑誌と違ったものを
まず作って吹いてもらう
まその中のたまたま一本があのー
本田さんに気に入っていただいたので
これが選ばれた一本
材質はごく一般的な心中です
特に高価なものではありませんでした
しかしそれを極限まで薄く削りました
どんな音なのでしょう
品格が高いすごい音ですよで
通るリクエストの中にその芳醇なものを残して
そのちゃんとこう
肉厚なものを残しながらダイエットしなさい
っていうことなんですよ
だからいい意味でのむちゃくちゃですよね
なるほど追い求める理想の音とは何か
その答えは女さんしか分かりません
今日最後のツボは自分だけの音を刻んで
岩手県一関市
ここにジャズの聖地があります
古い土蔵を改造したジャズ喫茶です
ジャズ喫茶は
ジャズのレコドを
ただひたすら聴くための場所
日本独自の文化です
はいうん中でもここは
日本一音の良いジャズ喫茶と呼ばれます
うん下の菅原正二さん
千九百七十年の開店以来
最高の音質を追い求めてきました
音の抜けを良くしたいと
天井板を抜いたこともうん
基本リクエストには応えません
開けるのは自分で選んだレコドのみ
うんうんレコドの針が拾う
振動を増幅するのはビンテージのパワーアンプ
その数なんと六台理由はスピカはい
今そして低温三つの大気が左右で合計六つ
それぞれに専用アンプを割り振る
大掛かりなシステムです
菅原さんのこだわりは
最高の音質を大音量で鳴らすこと
調整には細心の注意が必要です
スピカの位置がほんの一ミリずれただけで
音が変わってしまうのだとか
菅原さんは言います
レコドをかけるのではなく
レコドを演奏するのだと
だから音の最終チェックはスピカを背にして
うん後ろ向きの方がね
お客さんに向かって聞かせるっていうこう
そのバンドマンの気分が何か分かる
みたいな感じがするんですよ
つまりもうバンドの中に自分も入っちゃった
みたいな感じになる
自然にこうなってるんですよ
レコドも同じ音は二度とでない
菅原さんの音を聞くために
世界中からジャズファンが訪れます
うんうん美の壺の大地を書いている
刺繍さんも菅原さんの音の大ファンです
菅原さんの音のすごいところは
あのボリュームでかけても
うんなんか静寂の中に
いるような感じがするんですね
なんかジャズ喫茶なんですけど
なんか心療内科に来たね
みんな元気になって帰ってくる
半世紀にわたってジャズファンを楽しませてきた
このお店
しかし今客席には誰もいません
この中で店を休んでいるのです
でも今日も大音量のジャズが響き
わたっています
音をたまると
まず一日一回は元やって
かつ入れながらよしと
まいつでも多くできる状態にして
ちょっと休ませてもらったんですけどね

ようジャズは草刈り

次のリクエスト言うたら牛
これからもジャズと美の壺よろしくお願いします