日曜美術館 「 杉本博司 江之浦測候所奇譚(きたん)」
世界的アーティスト・ 杉本博司 が自らの「遺作」として神奈川県小田原市に作っている巨大アート施設・江之浦測候所。冬至の日の出の光が突き抜けるずい道。日本各地から集められた有名無名の石。今年3月には海を背に建てた朱塗りの社...
世界的アーティスト・ 杉本博司 が自らの「遺作」として神奈川県小田原市に作っている巨大アート施設・江之浦測候所。冬至の日の出の光が突き抜けるずい道。日本各地から集められた有名無名の石。今年3月には海を背に建てた朱塗りの社...
水を注ぐと花が開く仕掛けの木彫作品。鉄の一枚板から打ち出されたひょうたん。次々と新しいものが生まれては消えていく現代にあって、 超絶技巧 の持ち主たちは、正面からモノと向き合い、しっかりと見る。蛇はどうやってグネグネと動...
自由奔放な筆致や鮮やかで明るい色彩で知られる。スペイン巨匠 ジュアン・ミロ (1893-1983)。近年の研究で、実はミロが第二の故郷のように愛し、多大な影響を受けていた国が、この日本だったことがわかってきた。「一枚の草...
6月5日、約1250年に及ぶ唐招提寺の歴史に新たな一頁が加わる。 唐招提寺御影堂 の7年に及ぶ修理が完成、落慶法要が行われるのだ。開祖・鑑真の命日の開山忌では、久しぶりに国宝・鑑真和上坐像が公開される。8Kで丹念に撮影し...
日本の有名な 肖像画 には、大変ユニークな顔や姿をしたものがある。おでこと垂れ目が目立つ天皇:「花園天皇像」。しかめ面をした武将:「徳川家康三方ヶ原合戦役画像」。木の上に坐る僧侶:「明恵上人樹上坐禅像」。大笑いする町人:...
120年の歴史を持つ堺市の竹工芸家の4代目。田辺竹雲斎は、9500本の 竹 ひごを使い10メートルの巨大なインスタレーションを作り上げる。4代にわたり追い求めてきた匠の技。「亀甲編み」で竹ひごを自由自在に組み立てていく。...
本土復帰50年を迎える沖縄。近年、戦争で失われた文化財を復元する取り組みが行われている。県民の四人に一人が犠牲となった沖縄戦では、貴重な文化財とともに、その技の担い手までもが失われてしまった。かろうじて残された仏像の破片...
ニューヨークにある世界屈指の美の殿堂、 メトロポリタン美術館 。その名品が日本にやってきた!でも描かれるのはキリスト教や神話などなじみのない世界。難しいって思うこと、ありません?そこで、西洋美術を楽しむコツが満載の特別授...
近代美人画の最高峰と称されながら半世紀近くも行方知れずだった「築地明石町」。3年前の再発見は大きな話題となった。作者は日本画の巨匠・鏑木清方(かぶらききよかた)。名作誕生の舞台裏を探っていくと、明治・大正・昭和と生きた作...
京都を舞台にした国際写真祭「キョウトグラフィー」。ふだん入ることが出来ない寺や町屋に入ってみると、そこは“写真の遊園地”。世界でもトップクラスの写真が、京都ならではの建造物に特別なしつらえで展示されている。古いしきたりが...
2月に始まったロシアのウクライナ侵攻。戦争という極限状態が連日報道されるが、いったい私たちはウクライナの何を知っているのだろう? 日曜美術館では、NHKのアーカイブスを網羅。そこには紀元前の黄金のスキタイ文明に始まり、中...
“ゴッドハンド”の異名をとる男がいる。やきものの修復師・繭山浩司。その技を育てたのは戦後の口外できぬ仕事の数々。極秘に古美術商から預かった破損品を、どんなに目を凝らしても傷跡がわからないまでに修復してしまう。今回託された...
消防団や極道など架空の設定を演じきるユニークな家族写真で知られる浅田政志。 しかし今、自分の色を出すのではない「名もなき写真」に心奪われている。 11年前、東日本大震災の被災地で、津波に流された写真が、人々に寄り添い支え...
昨秋、香港にアジア最大規模の美術館「M+(エムプラス)」が開館した。 美術のみならず、建築、デザイン、映画、大衆文化など広範囲なビジュアル・カルチャー全般を扱うM+では、出会えるものも型破り18階建てのビルの壁面自体が≪...
今月2日、大阪に新たな美術館が誕生した。大阪中之島美術館、19世紀後半から現代まで数々の名作や近現代デザインなどを堪能することができる。誕生のきっかけは100年前のある大阪商人のコレクション。戦時中も美術品収集に情熱を傾...
私には、こがん見えるったい!終生、熊本弁で91歳で亡くなるまで、くる日もくる日も描き続けた。団地の四畳半の一室で、でっかいキャンバスに身近な草花、家族、猫や犬、鳥。そして幼い頃のふるさとの海の風景。原色の鮮やかさと不思議...
オルセー美術館には、印象派をはじめ、19世紀中盤から20世紀初頭にかけて新しい芸術の扉を開いた作品たちが所蔵されている。パリの街や暮らしが大きく変わった時代。特にこの時代、「夜」のとらえかたは格段に豊かになった。マネが魅...
オルセー美術館には、印象派をはじめ、19世紀中盤から20世紀初頭にかけて新しい芸術の扉を開いた作品が所蔵されている。パリの街や暮らしが大きく変わった時代。日常をまっすぐ見つめて描くことで起きた美の革命の結晶だ。モネを夢中...
幕末、維新の動乱を生き抜き、明治の世に浮世絵の最後の華を咲かせた絵師、月岡芳年。芳年は、半世紀ほど前“血みどろ絵”と呼ばれるむごたらしい作品で脚光を浴びたが、近年、アニメにも通じる迫力や情感あふれる作品も着目され、本の出...
孤高の建築家・白井晟一。独学で建築を身につけ、世界を席巻した丹下健三らのモダニズム建築を批判。都会にうがたれた黒い杭のようなビル、太古のモニュメントにも似た銀行社屋など、常識を覆すような作品ばかりを作った。権威主義を批判...